• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+
イイね!
2007年11月25日

交通社会の将来に向けた課題

交通社会の将来に向けた課題 最近、全国各地で高速道路など自動車専用道路における「逆走事故」の発生が増加しています。

今日も一件、全国紙で事故の発生が報じられました。

●交通事故:82歳運転の車、北陸道を逆走 対向車と事故
毎日jp(毎日新聞社)  2007年11月25日

今回は死亡事故にはならなかったようですが、気になったので最近の主な逆走事故について調べてみました。

>> 逆走事故発生状況調査結果

私がネット上の報道媒体のサイトなどを通じて得た情報による発生状況は、上記リンク先の通りとなっています。

驚いたことに、今月だけで7件の逆走事故が報じられています。もちろんこの調査結果は全国で発生している内のごく一部であり、実際の認知件数は相当数になることでしょう。

例えば県内に山陽自動車道と中国自動車道がある山口県の場合、平成18年中に94件の逆走事案があり、うち3件で事故が発生しています。

私がまとめたデータでも全国各地での発生が確認できます。
そして逆走を行なった当事者の年齢を見ると、大きく分けて60歳以上の高齢者とそうでないケースの二通りがあることに気づきます。

非高齢者が逆走した理由として多いと思われるのが「飲酒運転」。2005年3月に大阪府の阪和自動車道で発生した事故では、37歳の男性が飲酒運転で逆走してタクシーと衝突、双方の運転手が死亡しました。

そしてもうひとつのケースが「高齢ドライバー特有の事故」。
判断力などの低下や、ケースによっては痴呆などの症状を有している高齢者がステアリングを握って自動車専用道路を逆走して事故に至ったケースです。
このケースでは各事故の報道を見ても、逆走した側の高齢ドライバー自身が逆走していたことを認識していないことも少なくないようです。

もちろん自動車専用道路は中央分離帯が設置されていたり、ポールで上下線を明確に仕切っているので、通常の走行をしているドライバーは同一車線上を対向してくる車両があるとは考えてもいないでしょう。

交通事故の過失割合でも原則的にセンターラインのみで上下線を区切っている一般道路ですら逆走は0:100で逆走側に非があるとされますから、自動車専用道路ではなおさらです。

しかし、そのような原則はもう通用しなくなってきているのかもしれません。
厄介なことに逆走する側は無意識に"キープレフト"で走行しますので、順走側にとっては最も右側の"追い越し車線"で対向車に鉢合わせする格好になってしまうことも深刻な被害が生じる原因のひとつと言えるでしょう。
順走左車線側ならば路肩に回避できますが、右車線では回避スペースがないので、回避しようとした車両が中央分離帯に衝突して人的被害が発生する事案が少なくありません。


この問題は、これからの交通社会にとって緊急に対策を要する事項です。
高齢者ドライバーの運転免許については70歳以上については専用の講習を受講することが義務づけられました。
しかし積極的に警察側が免許の更新を拒んだり、免許そのものの剥奪を行なうことは難しい現状です。

公共交通機関など代替え交通手段のある都市部なら自動車が無くても生活は出来るでしょうが、地方の農村部など自家用車以外に移動の手段が無いような場所は全国の大半を占めています。
自動車が無ければ、その日食べるものすら買いに行けない。病院に通うにもバスがない。そのような場所に住んでいる人にとって、自家用車や運転免許の返納はしたくても出来ない選択肢でしょう。

高齢化社会の進行は誰にも止められません。こうした問題はこれから年を追うごとに深刻さを増していくことでしょう。

別のニュースでは道路特定財源の一般財源化を阻止しようとする動きが強まっていることも報じられ、数字合わせとしか思えない道路建設計画予算が作られたりしているとされています。
道路を造り続けることに注力するのではなく、高齢化社会を念頭に据えた国策としての社会交通インフラ整備を検討する必要が高まっているとしか思えません。

公共交通機関の維持、新たな高齢者向け移動サービスの確保、もちろん事故を防止するための道路インフラの整備。場合によっては地域性が許すならば自家用車頼りの状況を脱する"脱・車社会"を考えることも必要でしょう。


●クルマ高齢社会

上記リンクは「毎日jp(毎日新聞社)」の連載企画です。
ぜひ皆さん、一度ご覧になってみて頂きたいと思います。
ブログ一覧 | 自動車全般 | 日記
Posted at 2007/11/26 01:25:08

イイね!0件



今、あなたにおすすめ

この記事へのトラックバック

引退勧告 From [ NAGISA TAXI Cruisin' ] 2007年12月2日 18:25
11月27日神戸新聞朝刊の一面から。 兵庫県内で運転免許の返納者数が減少し、高齢ドライバーの事故が増えているという。
ブログ人気記事

ターボババアが憑いてきた(⁠´⁠- ...
M2さん

最高のランチ
ベイサさん

YouTube動画up 「もう頑張 ...
しんちゃんねる【コンパクト車中泊の旅】さん

2025 ニセコパノラマライン
hokutinさん

FIA World Enduran ...
ヒデノリさん

絶滅種
バーバンさん

この記事へのコメント

2007年11月26日 6:06
私の父がなくなったのは13年前83才の時でしたが、亡くなる半年ぐらい前まで車を運転していました。
父の車は擦り傷だらけでした。突然発進したり、Uターンはあたりまえ危なくってしょうがありませんでした。でも畑で作った野菜を親戚に配って回るのを一番の楽しみにしていたので止めようがありませんでした。難しい問題ですね。
コメントへの返答
2007年11月28日 5:50
異変に気がついた時に、身内がどのように対応するかはとても重要ですね。
最終的には無理にでも運転を止めさせるのが最良の選択肢になるとは思います。
しかし、本人のプライドを傷つけ、生きがいを奪うことにもなるので、そう簡単には運転を止めさせられない場合もあるでしょう。
また、代わりの移動手段をどう算段するかも問題になってきます。
こうした問題には行政側にもっと真剣に取り組んでもらいたいですね。
2007年11月26日 10:17
お邪魔致します。私の父は本日84歳に成りましたが、根性で教習所に何度も通い運転免許を更新致しました。やはり視力で引っかかった様ですが、私の仕事柄何度も訓練出来たのか3度目でパスしました。
仰せのように、本人は健康の為ウオーキングや自転車を主体にしておりますが、母85歳の病院通院の為に車を運転せざる得ないのです。
父と私で良く話すのですが、高齢者は少なくとも夜間は運転する人は殆ど居られないようです。故に7時~17時まで運転可能な軽自動車や1.5L以下限定の特殊小型自動車免許証とかが有れば良いかもしれませんね。
多少の記銘力は落ちているようですが、少なくとも未だ認知症やらの症状は出ていないようなので運転に反対はしておりません。
親父から車を取り上げると言う事は、私から車を取り上げるのに等しい訳ですから、精神的に参ってしまうでしょう。
まだまだ元気で昼間限定ですがワゴンR、プリウスHV、下品なクーペV12ターボ4WDを乗っていますのである意味安心しています。
しかしこれから我々が高齢化したとき更なる大きな問題に成るでしょう。
打開策を!!
コメントへの返答
2007年11月28日 5:53
高齢化社会に向けてのインフラ整備はハード/ソフトの両面ともに将来像がいまひとつ見えてこない感じがしています。
なんとなく「日本はダメなのかも」と絶望的にすら、考えていくとなってしまいます。

仰る通り、特に車や運転行為、旅行が好きという方の場合は、それを奪うことが本人には大きなショックになってしまうでしょう。

しかし逆に言えば、少なくとも"車や運転が好き"という人間であれば、引き際も考えていかなければならないように思います。
私も、いつかは免許を自主的に返納するか、もしくは身分証明書代わりに持ってはいるものの運転をしなくなることを決断する日が来るものと覚悟しています。
2007年11月26日 22:32
連投大変失礼致します。大変重要な件で書き忘れが有りました。

高齢者層で一番事故原因は、仰せの通り、やはり認知症でしょう。
患者さんの認知症を認定するのには、精神科の専門医でなくとも認知症の認定医/物忘れ相談医の資格を取得さえすれば、その業務は遂行可能なのです。
各地区医師会を中心に色々勉強会を開催して認定医を育てているのですが、地域性により大きな差は有るでしょうが、まだまだ社会的認知度が低く取得する医師が少ないのが現状です。
また知識レベルに差が多い様なので、認知症患者さんへの運転中止指導等々も何処まで対処されているかが不明瞭なのです。
御家族の御理解が大変重要に成りますが、認知症認定された方々に運転中止を御願いするレベルです。
皆さんは、運転は既にされていないようですが、免許証返却は更新時まで伸ばしている場合が殆どの様です。
故に、東京の様に交通網が発達していない地方では、ついつい運転してしまい事故に至るケースも稀ではないでしょうね。
これから先医師の数はきっと一時期にせよ減少していく可能性が有ります。
そして当然60歳以上の人口率が60%を超えていくと成ると、老人医が老人を認知認定することになるのですから、下手を打つと認知症が認知症を認知すると言う漫才みたいな話も出るかもしれません。
二十否定は肯定ならばその場合は正常??
お先は暗い様ですね。
 
コメントへの返答
2007年11月28日 5:57
専門的な見地からの書き込み、とても参考になります。

そうですか、認知症の認定というのは、そのような仕組みになっているのですね。

個々の症例をひとつの物差しでどうこうするのは難しいのかもしれませんが、やはり早急に認知症と認定された場合は運転免許を強制的に無効とすることが必要であると思います。
やはり自動車は"走る凶器"なのですから、難しいかもしれませんが断固たる措置を取るべきでしょう。

昨今は"老老介護"が問題になっていますが、確かに医師も不足気味で"老老診療"もこれからは対策を要するようになるのでしょうね。

プロフィール

各種取材やウェブサイトを中心とした制作業務を行なっています。 主なテリトリーは自動車/モータースポーツ、飛行機などの交通関係。 自動車は乗用車からトラッ...
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2025/6 >>

1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930     

リンク・クリップ

office North-Star業務雑記帳(FC2) 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2011/08/12 00:27:49
 
ADVAN Motorsports 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2011/08/12 00:27:30
 
NINJA TOOLS 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2007/09/17 19:46:48
 

愛車一覧

日産 フーガ 日産 フーガ
三菱ディアマンテ30M-SE、Y50型日産フーガ350XVに続く、三代目の“社用車1号機 ...
フォルクスワーゲン パサート セダン フォルクスワーゲン パサート セダン
マツダRX-8、三菱ランサーエボリューションVII GT-Aに続く、三代目の"社用車2号 ...
日産 フーガ 日産 フーガ
二代目となった"社用車1号機"。 日産フーガ350XV、ボディカラーはダークブルー。 ...
三菱 ランサーエボリューションVII 三菱 ランサーエボリューションVII
マツダRX-8の後継として導入した「社用車2号機」。 三菱ランサーエボリューションVII ...

過去のブログ

ヘルプ利用規約サイトマップ

あなたの愛車、今いくら?

複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!

あなたの愛車、今いくら?
メーカー
モデル
年式
走行距離(km)
© LY Corporation