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2008年08月10日

無策の証拠品

無策の証拠品 【2008年8月10日 9時30分/青森県むつ市大字関根】

市街地から国道279号を北上、約20分ほど走って到着したのは「むつ科学技術館」。

一定以上の年齢の方にとっては、この街の名前を知るきっかけにもなったであろう「原子力船 むつ」に関する展示などがされている施設です。

原子力船 むつは1963(昭和38)年に政府が策定した「原子力第1船開発基本計画」に基づいて開発が始められた原子炉を動力源とする日本初の原子力船。
1969(昭和44)年に進水、1974(昭和49)年8月には本州東方の太平洋上で初の臨界を達成しました。

しかし放射線漏れ事故を起こしたことから母港となった大湊港のある、むつ市の市民が帰港に対して反対運動を展開。
このため、「原子力船 むつ」は母港に帰ることの出来ない"漂流状態"で10年以上の年月を過ごすことになったのです。

佐世保での修理を経て1988(昭和63)年、むつ市の関根浜港を新たな母港として活動を再開。
1992(平成4)年まで様々な実験やデータ採集を行ないましたが、実質的には"志半ば以下"の状態でその使命を終えました。

むつ科学技術館」には「原子力船 むつ」であった原子炉室そのものが展示されています。
3,180トンもの重量がある原子炉室は格納容器ごとこの場所に移され、容器の一部に鉛ガラス窓が設置されて内部を見ることができるようになっています。
このように実物の原子炉を一般公開しているのは、世界中でもここだけなのだそうです。

元々、原子力船の計画は海上輸送の重要性を基本に、輸送量の拡大と、石油資源の枯渇防止や長期的や視点における石油価格の不安定さが発端となっていました。
この点では計画そのものの出発点は、現在思うにとても見識のあるものだったと言えるでしょう。

しかし総合的な国の原子力政策が一貫性に欠けていたことや、縦割り行政の弊害、事故発生後の対応のまずさなどが重なった結果、「原子力船 むつ」は悲運の歴史を歩むことになってしまいました。

また報道機関も"原子力アレルギー"的な視点での一方的な報道が多かったように思います。

世界的に見ても船舶における原子動力源は軍用船では大型空母や潜水艦で多くの採用例がありますが、商用船での実例はごく僅かで、今現在は一隻も存在していません。

発電の世界についてもそうですが、原子力には大きなリスクが伴うのも事実。
ですが、原子力の賛否はさておき、下北半島に数多く存在する原子力関連施設などを見るにつけて、日本の原子力政策の迷走ぶりと無策ぶり、そして政府のみならず国民全体として、下北半島にお住まいの皆さんには大変失礼ですが、原子力を"遠く見えにくい場所に追いやっておこう"という考え方があるような気がしてなりません。
 
 
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ブログ一覧 | 2008年 東北(下北・津軽) | 日記
Posted at 2008/08/10 20:59:02

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