日本モータースポーツ史の遺構

【2008年8月10日　16時40分／青森県上北郡野辺地町】

むつ市内で国道279号に入って右手に陸奥湾を見ながらクルマは南進。この道路は「はまなすライン」という愛称が付けられています。

途中、横浜町にある「道の駅よこはま 菜の花プラザ」に立ち寄り。
決して規模の大きな施設ではありませんが、駐車場はほぼ満車の盛況ぶり。
この場所にあるレストランでは帆立料理が美味しいという情報を得ていたのですが、残念ながら到着した時間はレストランの食事営業は既に終了していました･･･。

気を取り直して再び国道279号を南下。
道の正面に「野辺地ウィンドファーム」の巨大な風車群が見えてくると、クルマは野辺地町へと入ります。

この風車群の近くには、日本のモータースポーツ史に1ページを刻んだ施設がありました。

その名も「むつ湾インターナショナルスピードウェイ」。

1972(昭和47)年の夏にオープンしたサーキットコースはオーバルに近い形状で、延長4.5kmという大規模なものでした。現在国内で唯一のオーバルコースである「ツインリンクもてぎ」のスーパースピードウェイが全長2.5kmですから、その規模の大きさはモータースポーツファンなら想像がつくかと思います。

オーバルということでストックカーレースが開催され、オープニングレースでは一説によると9万人もの観衆が詰めかけたそうです。
時代からして走っていたのは国産車勢ではクラウンやセドリックといったところでしょうか。

しかし中東の政情不安などによって日本はオイルショックに見舞われ、モータースポーツやスポーツカーは冬の時代に突入。
「むつ湾インターナショナルスピードウェイ」もこの波に飲み込まれるかたちで開業翌年に短い歴史にピリオドが打たれてしまいました。

このコースについては三栄書房から発行されている「ニューモデル マガジンX」の最新号に、当地を取材した写真とともに詳しく掲載されていますので、こちらもご覧ください。

ちなみに現在でもグランドスタンドの一部やコースの痕跡が残っているそうです。ただし敷地は私有地なので関係者以外が立ち入ることは出来ません。

「むつ湾インターナショナルスピードウェイ」については、私はここを実際に走ったことがある方からお話しを伺ったことがあります。
その方とは「第1回日本グランプリ」にも参戦された経験を持ち、現在はモータージャーナリストとして活躍されている津々見友彦さん。

取材仕事に向かう車内での会話でお聞きしたのですが、津々見さんはここのほかにも現在は存在していないサーキットコースを数多く走った経験をお持ちで、話の数々にとても驚かされました。
　
　
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