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NorthStarのブログ一覧

2012年03月17日 イイね!

新しい道路とキャンペーン

新しい道路とキャンペーンモータースポーツがシーズンインすると、取材出張のために走行距離が急増する社用車1号機(日産フーガ 350XV)。これに伴い、ガソリン代と有料道路通行料金の額も急増するわけで、最近はガソリンが高騰する傾向にあるので少々頭の痛いところです。

有料道路の方は、出張で走る大半が高速道路ゆえに、ETCの利用金額がハイペースで増えていきます。もっとも、その昔はハイウェイカードの5万円券を頻繁に購入して使っていましたが、利用証明書は溜まるし、カードそのものを紛失したら一大事になりますし。さらにその前は現金払いでしたが、やはり大量の領収証が出張の度に溜まるというのは、その後の整理・保管が非常に面倒なものでした。
それがETCの場合はキャッシュレスで利用証明書も必要に応じてインターネットから呼び出してプリントアウト出来るので、なんとも便利になったものです。

そして、高速道路そのものも路線の新規開設で利便性が大きく向上していることを実感するケースが多々あります。
最近では首都高速道路の中央環状が3号渋谷線に繋がったのは私にとってとてもメリットの大きい事例。もうひとつ、新名神の開通も、関西以西への出張では飛躍的に利便性が向上した印象を持っています。
少し以前の話であれば、伊勢湾岸自動車道が東名高速に接続した時も便利さを実感しました。それまでよりも、特に鈴鹿サーキットへの出張で所要時間の大幅な短縮が実現できたからです。


さて、あと一ヶ月もすると話題の新路線が開通の日を迎えます。

●4月14日に「新東名高速道路」御殿場JCTから三ヶ日JCTが開通します
NEXCO中日本  2012年1月27日

新東名高速道路」は、日本の大動脈である東名高速道路と並行するかたちで整備が進んでいる高速道路。神奈川県の海老名南JCTから愛知県の豊田東JCTに至る路線のうち、御殿場JCTから三ヶ日JCTの間、およそ162kmが4月14日の15時に開通することとなりました。
この道路については設計速度が高いことから速度制限の引き上げを求める声が多いことも、しばしば話題になっています。しかし、片側3車線の6車線で計画されて建設に着手していたものの、道路公団民営化のタイミングで現在の東京都副知事などからコストダウンを求める声があがり、暫定片側2車線の4車線で供用を開始することになっています。

ところで、この開通に合わせて道路会社では、キャンペーン商品を発売しています。

●速旅(はやたび)乗り放題プラン

定額料金を支払うことで、決められた条件の下で一定期間中、特定エリア内での高速道路が乗り降り自由の乗り放題になるプラン。もちろん乗り降り自由なエリアは静岡県に設定されており、東名高速道路と「新東名高速道路」を組み合わせるかたちでの域内周遊が可能になっています。
巧くプランニングすれば相当お得に高速道路を使って、“静岡巡り”を楽しめるこのプラン。9月末まで(大型連休、お盆期間除く)の実施となっていますので、ぜひ週末を利用して静岡へのドライブに出かけてみてはいかがでしょうか。


そういえば、西日本地区の高速道路にあるサービスエリアやパーキングエリアの商業施設管理を行っているNEXCO西日本サービス・ホールディングスでは、こんなキャンペーンを展開しています。

●ハローキティの家族でハッピーキャンペーン

5月15日までの期間中に、キャンペーン対象店舗での2,000円分の利用レシートをハガキに貼って応募すると、子供から大人まで女性に人気の「ハローキティ」のグッズが当たるという懸賞キャンペーンです。
応募期間は前後半で分けられており、4月14日までの第一弾は車載専用テレビやロボットミニクリーナー、iphone/ipadドッグスピーカーが賞品。4月15日以降の後半では折り畳み自転車、レザートートバッグ、24インチABSジッパーキャリーが用意されています。

また、これとは別にサービスエリアやパーキングエリアで撮影した家族の写真を募るコンテストも行われており、こちらでもハローキティにまつわる賞品が用意されています。


こうした高速道路関連のキャンペーンやイベントは比較的頻繁に行われていますので、お出かけ前にはぜひ各道路会社のサイトをのぞいてみる事をお薦めします。
 
Posted at 2012/03/21 00:49:55 | コメント(0) | トラックバック(0) | 自動車全般 | 日記
2012年02月04日 イイね!

なかなか恵まれない“縁”

なかなか恵まれない“縁”私が住んでいる東京都町田市、中でも東名高速道路の横浜町田IC周辺は大規模な中古車販売店や多くの輸入車ディーラーが軒を連ねる激戦区となっています。

そんな中に、また新たな輸入車ディーラーが誕生。
2月4日、国道246号と国道16号が交差する東名入口交差点の近くに、「アルファロメオ横浜町田」・「フィアット横浜町田」がグランドオープンしました。
この建物、元々は別の輸入車ディーラーだったのですが新しいショールームに移転、その跡地に新しく二つのブランドが同居するかたちでのオープンとなりました。両ブランドとしては国内最大級のショールーム、サービス工場も併設していますし、認定中古車の販売も行っているとのことですから、近隣エリアのイタリア車ファンにとっては嬉しいニュースと言えるでしょう。

私自身、これまでの車歴にイタリア車やフランス車も加えたことはありますが、残念ながらアルファロメオフィアットは所有した経験がありません。
別に好きではないということではなく、むしろ両ブランドともに好きな部類であり、何度も購入を検討したことがあります。

最近ではフィアット500やアルファロメオGTを2号機として検討俎上に載せたことがあります。
さらに、北海道に住んでいた当時もクーペ・フィアットやアルファロメオ155、アルファロメオ164クワドリフォリオを真剣に購入しようかと思ったこともあります。しかし、正直なところ北海道の片田舎ではディーラーネットワークの弱さが響き、どうしてもメンテナンス面での不安を拭いきれなかったこともあって、購入するには至りませんでした。

現在では仕事で車を使う機会が圧倒的に増えたので、どうしても耐久性やメンテナンス性を重視する、車本来の道具としての選択が主になっています。もちろん環境的には近隣に正規ディーラーも多く、選択肢は北海道在住の頃とは比べ物にならないくらい拡がっているのですが……。

今でもイタリア車は気になる存在であり続けているのですが、仮にアルファロメオを検討した時、古典的価値観を持つ外野から「スポーツドライビングが好きなんでしょう」とか、「アルファはやっぱり赤いボディでしょう」といった声が聞こえてきそうで、これが私にとってアルファロメオを若干縁遠くさせているひとつの要因になっていたりします。
もちろん、好きな車を買うのですから、他人の評価や意見などは別に構わなければ良いだけなのですが……。

さらに現在は両ブランドともに日本市場向けのモデルがかなり絞られていますので、セダン好きとしては気になる「Linea(リネア)」や「159」がラインナップされていない点も、少々疎遠になってしまっている理由のひとつだったりします。
 
Posted at 2012/02/09 23:17:29 | コメント(0) | トラックバック(0) | 自動車全般 | 日記
2012年01月31日 イイね!

進化するサービスエリア

進化するサービスエリア1月27日付のエントリでも記したように、来る4月14日の15時に新東名高速道路が開通する運びとなりました。
日本の大動脈である東名高速道路に並行するかたちで設けられる新東名は、東名の渋滞緩和や事故や災害時の迂回ルートとして、日本の物流や人的交流を支える大きな柱となることは間違いありません。

さて、高速道路と言えば近年はサービスエリアやパーキングエリアの進化も目を見張るものがあります。
その昔、公団時代はこうした施設の運営もどこか役所的な独占ぶりが目立ち、例えば飲食施設も値段の割に味やサービスの面では不満を覚えることが少なくありませんでした。しかし、公団民営化などを受けてこうした施設にも民間企業並の“サービス”という概念がようやく根付いてきたようで、最近では特に大がかりな改修が行われた施設も多く、飲食施設の充実度向上にはじまり、エンターテイメント性を高めたところも増えてきています。

そんな中、新たに開通する新東名高速道路についても、サービスエリアやパーキングエリアの充実ぶりが話題を呼ぶことになりそうです。

●新たな商業施設ブランド「NEOPASA」誕生!
NEXCO中日本(中日本高速道路株式会社)

今回開通する新東名高速道路の御殿場~三ヶ日間には6箇所のパーキングエリアと、7箇所の商業施設が同時にオープンすると発表されました。さらに、これまでの流れで言えば「パーキングエリア」と「サービスエリア」という施設表記になるところですが、ここでは新たに「NEOPASA(ネオパーサ)」という新しい名称表記を展開することとなったようです。

同社のリリースによると「NEOPASA」は、“各エリアの地域特性を考慮したコンセプト・特徴を持たせ、ニーズ、シーンに合わせて必要とされるサービスを路線全体からお客様に選んでいただける、目的地となるエリアづくり”を掲げているそうです。
確かに個々の「NEOPASA」を見ると、従来型の画一的な施設ではなく、とても個性的であり地域性も反映させた内容であることが理解できます。特に各施設ともに食の分野では充実ぶりが目立っており、静岡ならではの特産品を活かしたメニューや、女性や子どもにも人気のスイーツなどバラエティ豊かな店舗が集まっており、昼食や夕食でどの「NEOPASA」を選ぶかが楽しみのひとつとなりそうです。

●NEOPASA 各店舗のご紹介|新東名高速道路のご案内【NEXCO中日本】

中でも注目なのが「NEOPASA清水」。今回オープンするNEOPASAの中では唯一の上下線集約という構造で、東京と名古屋のちょうど中間あたりというロケーションから利用率も高くなりそうな施設です。
ここのコンセプトはずばり、「くるまライフ・コミュニティパーク」。
施設そのものがガレージをモチーフとしており、館内には光岡自動車クシタニによる車やバイクの展示が行われ、クシタニについてはバイク用品に加えてアパレルも取り揃えた「KUSHITANI PERFORMANCE STORE」という店舗を出すことになっているそうです。

単なる通過点や休憩場所から、ひとつの目的地となり得る施設へ。高速道路のサービスエリアやパーキングエリアは、大きな進化を遂げようとしています。
ただ、ひとつだけ気がかりなのは昨今問題となっている利用者のマナー低下について。2010年10月4日付のエントリにも記しましたが、家庭ごみの持ち込みが増えている現状はなかなか改善されていないようですし、オフ会と称した集まりの場として利用している人の中には独善的な駐車スペースの使い方をしているケースも見受けられます。

せっかくの充実した施設ですから、誰もが気持ちよく使いたいもの。そのためには一人一人が当たり前のルールやマナーをしっかり守って利用することを心がけることが必要でしょう。
 
Posted at 2012/02/03 22:21:46 | コメント(0) | トラックバック(0) | 自動車全般 | 日記
2012年01月27日 イイね!

4月14日、新東名開通。

4月14日、新東名開通。NEXCO中日本(中日本高速道路株式会社)はこの日、新東名高速道路の開通に関して次のような発表を行いました。

●4月14日に「新東名高速道路」御殿場JCTから三ヶ日JCTが開通します
NEXCO中日本・プレスリリース  2012年1月27日

発表によると、かねてから建設が進められていた新東名高速道路のうち、御殿場JCTから三ヶ日JCTまでの162kmについては、来る4月14日の15時に開通することが決定。開通区間は上下線ともに各2車線で、この間には10のインターチェンジと3つのサービスエリア、そして4つのパーキングエリアが同時に供用を開始されることになっています。東名高速道路とは御殿場、三ヶ日に加えて新清水JCTからも行き来が可能となり、東名高速の渋滞緩和や通行止めの際の迂回ルートとして大いに活用が期待されています。

歴史をひもとくと、従来の東名高速道路に並ぶ新しい大動脈として「第二東名高速道路」の構想が公になったのは1987(昭和62)年のこと。1989(平成元)年には基本計画が公示されましたが、この年に当時の運輸省が発行した運輸白書には「交通混雑が著しい東名・名神高速道路の混雑緩和を図るため重点的な整備が必要な第2東名・第2名神高速道路の予定路線のうち (中略) この両路線は、設計速度140km/hをめざした全線6車線の高レベルの高速道路である。」という記述がなされました。

ご承知の通り、日本において高速道路等における普通および軽自動車、大型乗用自動車(バス)、中型自動車などの最高速度は法定速度である100km/h。また、大型貨物などは80km/hと定められており、この数字を基準として地形や道路線型、気象状況、工事の実施などに応じて規制速度が定められています。
この点について、設計段階から100km/hを超える速度での走行を勘案して作られた新東名高速道路については、最高速度の引き上げを求める声が上がっています。

●最高速度どこまで…新東名、有効利用か安全か
YOMIURI ONLINE (読売新聞)  2012年1月20日 11時43分

トラック業界や一般ユーザーのみならず、静岡県も記事のように高速化を要望していくということです。
しかし、制度的には最高速度の引き上げは可能ですが、警察庁は難色を示しているとのこと。その理由としては記事を引用すると、次の2点が挙げられています。

(1) 最高速度が100km/hを超えると、事故発生率が上昇し、重大性が増す
(2) 車両間の速度差が40km/hを超えた場合、事故発生率が上がる

これらに加えてもうひとつ、県が最高速度引き上げの前提とする6車線(片側3車線)は実現性の目処が立っておらず、開通は4車線(片側2車線)であることも安全性を担保するには不安要素のひとつと数えられます。


ここで道路の設計速度と最高速度規制の関係を見てみましょう。
設計速度は道路構造令の第2条第22号で、「道路の設計の基礎とする自動車の速度をいう」と定められています。さらに具体的には、「天候が良好でかつ交通密度が低く、車両の走行条件が道路の構造的な条件のみに支配されている場合に、平均的な運転者が安全にしかも快適性を失わずに走行できる速度である」と定義されています。
日本の道路は第1種から第4種に大きく分類されており、さらにそれぞれの中で第5級までに分けられ、それぞれに設計速度が割り振られています。もっとも低いもので20km/h、高い方では第1種第1級道路の120km/hとされており、新東名高速道路もこれに該当しています。

内閣府の資料によると、2002(平成14)年4月の時点で開通している高速道路の総延長6,959kmのうち、最高速度が100km/hとされているものは全体の37.8%にあたる2,628km。このうち設計速度が100km/hの部分は1,955km、120km/hとなる部分が673km/hとなっています。ちなみに100km/h制限の道は全て4車線(片側2車線)以上であり、暫定2車線の区間では最高速度は80km/hに抑えられています。

ここまでで考えられるのは、規制緩和の一環という意味も含めて新東名高速道路構想の原点を考えれば、最高速度は120km/hとすることも良さそうに感じられます。
しかし、ひとつ大きな問題として浮かび上がってくるのが、警察庁の指摘した2つめの理由である40km/hを超える車両間速度差。現状、大型貨物は最高速度が80km/hと定められており、普通自動車などの最高速度を120km/hとすると、法律的に40km/hの速度差を認めることになるわけです。

法律論を抜きにして実勢速度で考えても、実は内閣府の資料にも道路会社の集計によって、「実勢速度は、設計速度に関わらずほぼ100km/h~120km/hの範囲で推移していることが確認された。また、80km/h規制区間においては、100km/h規制区間とほぼ同等の速度となっており、規制速度との大きな乖離が認められた」と明記されているのです。

そこで、もし最高速度を120km/hとしたらどうなるか。当然、実勢速度も概ね20km/hアップすると考えられ、130km/h~140km/hで走行する車が増えることになるでしょう。一方で大型貨物については速度リミッターが義務づけられていますので、物理的に平坦路では最高95km/h程度しかスピードを出せません。結果的には40km/hの車両間速度差が生まれることになるのは間違いないところだと思われます。さらには、速度リミッターの無い中型自動車や、軽自動車の扱いについて、現状は普通自動車と一緒になっていますが、別途検討を要することになろうかと思われます。

一部の無責任なメディアやジャーナリストの中には、最高速度140km/h化を推進する声もあるようですが、そもそも140km/hは6車線(片側3車線)が前提であり、かつ結果的に新東名は120km/hの設計速度で施工されましたので、この声は全くの勉強不足であるとしか言えないでしょう。
では、新東名は100km/h制限のままが良いのか、それとも最高速度を引き上げるべきなのか。
簡単に答えを出せる問題ではありませんが、私の個人的な意見としては現状の4車線である以上は100km/h制限が妥当なところではないかと思います。その上で、これは現実的には非常に難しいでしょうが、大型車の流入を規制できるのであれば、最高速度を120km/h制限にしても良いような気がします。ただしその代わり、自動速度取締機を大量に設置し、かつ徹底した速度取締りを実施することが条件になるでしょう。

交通社会は混合交通。高速道路は自動車専用ということで、車からすれば対歩行者や自転車という面での安全性は格段に向上していますが、そもそも自動車の運転は事実上誰にでも許されるレベルの運転免許制度であるのが現実。自動車や運転、物理的な事項について深い知識や経験も特に求められず、危険な凶器になるということを深刻に受け止めることなくハンドルを握っている人が現実の社会には五万といるわけです。
さらに運動神経や判断力などは人それぞれ、超高齢者社会の到来によって高齢ドライバーも増えてきますし、もちろん一方では運転免許を取得したばかりという初心者でも高速道路の走行は許されますし、もちろん権利でもあるわけです。

こうした混合交通下では、どこに基準を置くのかが非常に難しいところ。
あまり気にされたことは無いかもしれませんが、高速道路においては最高速度と同時に最低速度も定められており、その数値は50km/hとなっています。つまり、本線の走行車線上を50km/hで走る初心者や高齢者が仮にいたとしても、それは法律違反ではありませんし、周囲の車はその車を保護しながら走ることが求められるのです。

日本の高速道路は不当に最高速度が低いとか、欧米と同じ程度にするべきとか、自動車の性能は高まっているのだから制限速度を引き上げるべきだ、というような声は以前から聞かれるものであり、それは一般のドライバーのみならず自動車ジャーナリストを称する人々からも挙がっている声です。
しかし、日本の交通社会について考えたとき、そう簡単に結論を出せる問題ではないことは明らか。社会情勢や経済活動との兼ね合い、法律論などについて、様々な角度から検証する必要があり、あまり一方的なドライバーの目線からのみ語るべき問題ではないと思っています。
 
Posted at 2012/01/29 23:37:37 | コメント(0) | トラックバック(0) | 自動車全般 | 日記
2012年01月22日 イイね!

ブランドの価値と対価

ブランドの価値と対価日本の経済について景気の低迷が叫ばれるようになって久しいですが、2011年から2012年に年が替わっても世界的な経済情勢の先行きには不透明感が漂っています。
アメリカは昨年夏に国債が初めて格下げされるという事態に陥りました。その後はなんとか景気回復基調を取り戻しつつあるようですが、ここに来て中東情勢の流動化が不安材料視されはじめています。一方で驚異的な経済成長を続けている中国にも息切れが一部からは伝えられはじめており、“チャイナバブル”が徐々に崩壊しつつあるという観測も出ています。もっとも、この国については国家としてのかたちそのものに大きな歪みがあることも拭いきれませんので、遅かれ早かれ何らかの形で大きな変動の波に呑まれるであろうと個人的には思っています。

そしてヨーロッパはギリシャをはじめとした各国の財政悪化が懸念材料として残っており、厳しい先行きを予想するレポートが多くのシンクタンクからあげられています。ただ、自動車産業について言えば思った以上に活発な動きが見られており、傾向としては地元の欧州市場ではダウンサイジング化と燃費・環境性能技術の進化が加速、一方で新興市場に対しては廉価な普及型の新車を投入するなどの積極策を展開しているメーカーも多く、結果としては過去最高水準の利益を出すメーカーも多く現れました。

さて、ここでひとつ、日本における輸入車市場についての気になるニュースをご紹介。

●欧州車 なぜ円高還元しない? ブランド価値維持 原料高騰
TOKYO Web (東京新聞)  2011年12月27日

昨年末のTOKYO Web (東京新聞)に掲載された記事ですが、円高ユーロ安が進む中でなかなか差益還元が行われていない輸入車についてのレポートです。為替変動に連動した値下げを実施しない理由について原材料費の高騰や、値下げによるブランド価値の低下は結果としてユーザーの利益を損なう、といった内容が販売側の主張であると伝えられています。

このうち、気になるのは後者について。
過去、イギリスのローバーは1994年に「フェアプレイ政策」と題した大幅な価格改定を実施、特に最高級SUVである「レンジローバー」は一気に300万円もの引き下げを行いました。このことは新規顧客に開拓に繋がった反面で、中古車市場や下取り価格の大変動を招く結果も生み、確かに既存ユーザーの中にはデメリットを受けてしまったケースもあったと記憶しています。

しかし、この事例のように800万円程度の値札を300万円引き下げるというのは極端ですが、そこまでではなくとも多少の値下げ努力は現状の国内インポーターから見られても然るべきという思いが強くしています。
例えば、最近登場した話題の新車について。

●BMWディーゼル第1弾、X5で登場
asahi.com (朝日新聞)  2012年1月19日 11時17分

BMWは日本市場にも積極的にディーゼルエンジンモデルを投入すると発表していますが、その皮切りとなったのが「X5 xDrive35d BluePerformance」。高級SUVとして日本市場でも人気のモデルにディーゼルエンジンを搭載したモデルですが、価格は記事にもあるように8速オートマチックの右ハンドル仕様で839万円とされています。
ちなみにガソリンエンジンモデルは「xDrive 50i」が1,045万円、「xDrive 35i」は798万円の設定ですから、ちょうど両者の中間というポジショニングが価格的にも与えられました。

さて、ここで若干素人っぽい発想でもありますが、同車種が他の市場でどの程度のプライスタグを掲げているのかを見てみましょう。

まず、お膝元であるドイツ。
ディーゼルエンジンモデルは若干日本仕様とグレード表記が異なるのですが、同じエンジンを搭載する「xDrive 30d」は54,900ユーロ。日本円にするとユーロ安の影響もあって約550万円です。ガソリンエンジンモデルは「xDrive 50i」が74,300ユーロ(≒750万円)、「xDrive 35i」は55,600ユーロ(≒560万円)となっています。続いてアメリカを見ると、「xDrive 35d」は56,700ドル(≒440万円)。ガソリンエンジンモデルは「xDrive 50i」が64,200ドル(≒500万円)、「xDrive 35i Premium」は55,200ドル(≒430万円)となっています。

もちろん仕様や装備が多少は異なるということを承知の上で、あくまでも参考的に比較材料として捉えたにしても、余りの価格差に驚かれるのではないでしょうか。日本で839万円の値付けをされている車は、ドイツでおよそ300万円、アメリカでは400万円も安く販売されているのですから。もちろん繰り返しますが仕様や装備が完全に同じではありませんので、比較的高級装備が満載の状態を標準としている日本仕様は割高になるのも当然でしょう。ただ、どれほどの高級装備を標準化したとしても、幾らなんでも許容範囲を超える価格差であるというのが、一般消費者の率直な感想ではないでしょうか。

この差が“ブランドの価値”というものなのでしょうか。
確かに高級ブランドである意味合いは小さくありませんし、店舗やサービススタッフなどのクオリティにも大きな費用を投じていることは間違いありません。しかし、耐久消費財たる自動車を冷静に商品として見たときには余りの割高感ゆえに、私の場合は巷の自動車雑誌のように安易に誰にでも薦められるものではないと思っています。
当然、自動車を本当の意味でユーザーの立場に立って評価した場合、高いブランド力はオーナーとしての満足度が精神的に高いでしょうし、リセールバリューも悪くないので乗り換え時のメリットも小さくはないでしょう。しかし、日本の場合は日本車の完成度が非常に高く価格競争力にも優れているという実態がありますし、特にブランド力があると言われているドイツ車に対して、決して引けをとらない商品力や趣味性を有している上で割安な輸入車も多く存在しています。

市場原理としては購買層がブランド力を認めていれば、もちろんそれ相応の付加価値を付与した値付けがされるのは当たり前のこと。ただ、そのブランド力や付加価値については、自動車を購入しようとする全ての人に魅力的なものではなく、盲目的に良さをアピールしてお薦めするのはちょっと違和感を覚える部分なのです。
 
Posted at 2012/01/26 02:15:31 | コメント(0) | トラックバック(0) | 自動車全般 | 日記

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