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2010年12月18日 イイね!

【試乗インプレッション】 ルノーメガーヌ ルノー・スポール (1)

【試乗インプレッション】 ルノーメガーヌ ルノー・スポール (1)久しぶりにニューモデルのインプレッション紹介を、何回かに分けて掲載してみます。
そのニューモデルとは、去る12月16日に発表されたルノーの「新型メガーヌ ルノー・スポール」です。
まず第1回は、新型車のアウトラインと、マーケット事情などについてご紹介していきます。

改めてのおさらいをすると、フランスの自動車メーカーであるルノーは創業から100年を超える長い歴史を誇る、現存する自動車メーカーの中でも最古参に類する伝統ある企業。フランス国営の公団時代をはさみ、現在では完全民営会社として多彩なモデルが世界中で愛されています。
日本との関係では、古くは日野自動車が1953(昭和28)年から10年間にわたってノックダウン生産(前半の5年間は組立車、後半の5年間は完全国産化)していた日野・ルノー(ルノー4CV)が知られるところ。日本のモータリゼーション普及において、大きな貢献をしてくれたメーカーです。
また最近では1999(平成11)年に、日産自動車との資本提携を結んだことが大きなニュースとして伝えられています。

そして、ルノーにおける量販中核車種が1995年にデビューした「メガーヌ」。それまでの「19(ディズヌフ)」に代わるCセグメントのハッチバックであり、フォルクスワーゲン・ゴルフやフォード・フォーカスなどとライバル関係にある重要な会社の屋台骨を支えるモデル。日本車でいえばトヨタカローラやホンダシビックがこのクラスに分類されますので、一般ユーザー向けのモデルとして如何に重要な位置づけになるかをお判りいただるのではないでしょうか。

今回発表された「新型メガーヌ ルノー・スポール」は、2008年秋のパリサロンで発表された三代目にあたるモデル。本国では5ドアハッチバック(ベルリーネ)、ステーションワゴン(エステート)、クーペカブリオレ(2ドア電動オープンハードトップ)、そしてクーペという4つのボディスタイルがラインナップされていますが、日本市場に先陣を切って導入されたのが今回発表されたクーペをベースとしている「新型メガーヌ ルノー・スポール」です。

ボディサイズは全長4,320mm×全幅1,850mm×全高1,435mmでホイールベースは2,640mm。5ドアハッチバック(ベルリーヌ)とホイールベースは共通ですが、全長は+25mm、全幅はおよそ+40mmの拡大、一方で全高はおよそ-35mmというプロポーションになっています。ゆえにワイド&ローの精悍さが際立つ印象。さらに標準で18インチ、オプションでは19インチも選べる大径タイヤ&ホイールが足まわりを引き締めていますし、なにより実用性を重んじるハッチバックに対して、特にリアセクションが適度なボリュームを持ったグラマラスな曲面で構成されていることから、とても存在感のあるエクステリアとなっています。

このモデル、単なるおしゃれなクーペというだけではなく、「ルノースポール」の名を冠しているだけにドライバビリティには深いこだわりを見せています。その最たるものが車の基本であるシャシー。「シャシーカップ」と呼ばれる走行運動性能に重点を置いたシャシーが採用されていますが、これはより普遍的な「シャシースポール」に対してダンパー性能がフロントは35%、リアは38%も向上しています。またアンチロール性能も15%高められており、サーキットでのスポーツドライビングも余裕でこなすだけの実力を備えています。

ここでルノー社とモータースポーツについて触れておくと、やはりF1での活躍を真っ先に挙げるファンは少なくないでしょう。往年のアラン・プロストや最近ではフェルナンド・アロンソといった名選手たちがルノーF1を駆って活躍をしてきた歴史は、モータースポーツファンの方々に対してはいまさら説明するまでもないでしょう。
そしてルノーは黎明期からモータースポーツに深く関わり、幾多の栄冠を手中におさめてきています。
なにしろ、創業者のルイ・ルノーが最初に作り上げた1号車が、1900年のパリ~ロンブイエGPに出場して優勝を飾っています。この大会は世界初のグランプリレースとも言われていますので、まさに世界のモータースポーツ史、その1ページに輝かしい歴史を刻んだのがルノーなのです。その後も1901年のパリ~ボルドーGPや、1902年のパリ~ウィーンGP、1903年にはパリ~マドリッドGPと連勝を重ね、耐久性や信頼性を含めて優れたポテンシャルを持つ車として名声は広まっていきました。

こうしたモータースポーツシーンでの活躍は、市販車にも常にフィードバックされてきたことでしょう。絶え間なき技術開発と生産技術の向上が、実用車では耐久性や基本的な運動性のの高さ、安全性などとしてユーザーメリットにつながります。さらに今回発表された「新型メガーヌ ルノー・スポール」のような走りを重視するモデルであれば、優れたドライバビリティに直結していることは言うまでもありません。

さて、エクステリアデザインに話を戻すと、フロントフェイスが先代メガーヌが独創的ながらちょっと線の細さも感じるものであったのに対して、新型はとても明確に存在感を示すものになりました。肉感的な曲面で構成されますが、決して“肥満体”には見えません。そして新世代ルノーを象徴する大きめのヘッドライトやグリルまわりの造形ですが、フロントフェンダーからグリルへとつながる大型のヘッドライトユニット、そしてそれを受け止めるブラックアウトされたグリルが個性と精悍さを演出しています。
近年は“吊り眼+大口”がひとつの世界的な自動車デザインのトレンドとなっており、メーカー違いでも似た感じのデザインが目についたりするのですが、この「新型メガーヌ ルノー・スポール」については他のルノー車との共通項はしっかり抑えつつも、厭味にならない存在感を見せています。この“厭味にならない”というのはひとつのキモであり、高性能や高級ブランドを謳う車では時として存在感を鬱陶しく感じることもあるものです。そこは他の欧州車とは異なり、ディテールの小細工や装飾に頼らず、きっちりと車全体をデザインしたルノーのセンスが光ります。

私の個人的な好みを記すと、特に斜め後方からのルックスに好感を持ちました。交錯するパネルラインに若干の煩さも感じなくはなかったのですが、それよりもドライバーの頭上を頂点としてなだらかに下りてくるルーフラインと、張りのあるサイドボディ、さらには安定感と迫力を演出するリアフェンダーが、きれいにリアハッチに収束されて良いまとまりを見せているという印象です。
また、このような車種では地面に寝ころぶような超ローアングルで写真撮影することが多く、このアングルでは迫力や格好よさが強調されがちです。もちろん「新型メガーヌ ルノー・スポール」はローアングルからの見栄えも良いのですが、それよりも関心したのは普通に立った状態で見たときの印象が格好よいこと。
カタログや自動車雑誌の写真はローアングル撮影が多いので、意外と街中で見ると印象が変わってしまう車というのは多いものですが、この「新型メガーヌ ルノー・スポール」についてはアイポイントが変わっても破綻しないデザインであり、これはとても秀逸なものだと思います。


車そのものの詳細には触れられませんでしたが、とりあえず第1回はここまで。
次回以降は「新型メガーヌ ルノー・スポール」のディテールや、実際に走らせてみてのインプレッションを記していきたいと思っています。
 
2010年11月25日 イイね!

気になるけれど、買えない車

気になるけれど、買えない車自動車産業界の衰退が叫ばれるようになった昨今の日本ですが、なんだかんだ言っても今でも生産はもちろん、市場としても世界的に有数の規模を誇っていることに変わりはありません。

日本の自動車市場は、そのシェアについて大半を自国のメーカーが占有しています。世界有数の生産国だから当たり前という見方も出来るかもしれませんが、少なくとも欧州の自動車生産国やアメリカと比べたときに、街中(特に首都圏などの大都市以外)で外国メーカーの車両を見る機会がここまで少ないのは日本くらいのような気がします。
もちろん耐久性を含めた性能面で世界トップの優秀さを誇る日本車、自国ゆえに価格も安く購入出来るのですから、趣味的な要素を除くと外国車を選ぶ理由というのは一般ユーザーにとって非常に少なくなるのが現実的なところでしょう。また、販売・整備ネットワークが地方では整っていないブランドもありますので、必然的に自国メーカーのシェアが高くなるというわけです。

そんな日本ですが、少なくともドイツのブランドについては地方でも全く見かけないということは無いと思います。
メルセデス-ベンツBMWアウディフォルクスワーゲンについては販売・整備のネットワークも充実しており、全国どこでも比較的安心して購入し、毎日使えるブランドネーム。実際に日本市場における輸入車のシェアもドイツ勢が圧倒的に強く、フランスやイタリア、イギリス、アメリカ、北欧といった勢力は現実の街中ではまだまだマイナーな存在です。

それでも、世界の主要ブランドは一通り手に入れられるのが日本の自動車市場。まだまだ高額車種の市場としてはそれなりの存在感を示しているようです。
ところが一方では、日本ではまずお目にかかれず、購入することも非常に困難な車種やメーカーというのがあります。

●シュコダがIRCタイトル獲得を記念してファビアvRSの特別仕様車を発売
RALLY PLUS.NET  2010年11月23日

シュコダは東欧・チェコの自動車メーカー。自転車やオートバイの製造にはじまり、財閥系の一員となった1925年からは自動車の生産を始めたという歴史あるメーカーです。
東欧圏ということで米ソ冷戦時代などは、生産規模や車種ごとの具体的なスペックなどの情報が少なかったりもしましたが、冷戦終結後に国家体制そのものが変化して会社も一気にグローバル化。1991年からはフォルクスワーゲンの傘下となり、WRC(FIA世界ラリー選手権)をはじめとした国際ラリーシリーズへの参戦でブランドネームを高めています。

そんなシュコダ、日本ではまずお目にかかる機会がありません。ラリーファンの中には、2005年の「Rally JAPAN」に参戦した2台のワークスマシン、ボディサイドに大きくカタカナで「シュコダ」と書かれていたのを覚えている方も多いのではないでしょうか。

私はシュコダについてはインドや中国などで実際の車をじっくり見る機会がありました。
写真は中国で開催されたラリー競技会に参戦していた車両ですが、この他にも一般市販車が多数街中を走っており、サービスパークなどで間近にじっくりと観察することも出来ました。

個人的には4ドアセダン好きとして「オクタビア」が気になる存在。デザインテイストは一昔、いや二昔前の雰囲気も強いですが、とてもシックな感じで落ち着いた良い佇まいを見せているように感じます。

同じフォルクスワーゲン・グループではもう一社、スペインのセアトも気になる存在。
ご存じ、WTCC(FIA世界ツーリングカー選手権)で活躍を見せている同社ですが、レースにも参戦している「レオン」はルックスもなかなか洗練された感じ。

もし万一、この両社が日本でも購入出来るとしたら、個人的にはフォルクスワーゲン・パサートよりもシュコダオクタビアフォルクスワーゲンゴルフよりもセアトレオンに食指を動かすことになるかと思います。

もっとも、フォルクスワーゲンが圧倒的な支持を集めている日本市場に、わざわざ同門でより安価なブランドを展開することは絶対にあり得ないとは思いますが・・・。
 
2010年08月29日 イイね!

ロータス・エヴォーラ (ザ・ワンメイクレース祭 夏の陣)

ロータス・エヴォーラ (ザ・ワンメイクレース祭 夏の陣)8月はすっかり"引き籠もり"で過ごしてしまいましたが、ようやく一月ぶりにモータースポーツ競技会の取材。向かった先は富士スピードウェイ。昨日から開催されている「ザ・ワンメイクレース祭 夏の陣」を取材します。

単一の車種で競われるのが"ワンメイクレース"。自動車メーカーやインポーターが主体となって開催されているものが多く、若手にとってはステップアップへの登竜門であったり、純粋に世代を問わず"真剣な大人の遊び"としてクラブマンレーサーたちがしのぎを削りあったりしています。
同じクルマで競い合うわけですから、ドライバーの腕が勝敗を大きく左右する要素となります。車両はイコールコンディションを保つ規則となっているものが多く、一部のカテゴリーを除いてはアソシエーション機能もしっかりしていて、安心して参加出来るレースが多いことも特徴でしょう。

今回の「ワンメイクレース祭」は、その名の通りいろいろなワンメイクレースが催される競技会。ポルシェからヴィッツまで幅広い顔ぶれ、さらには土曜日のみながらSuper-FJやFJ1600というフォーミュラ・レースも開催されて、サーキットはなかなかの賑わいを見せていました。

朝から快晴に恵まれた日曜日、私は渋滞を嫌って未明のうちに東名高速道路の鮎沢PAまで移動して仮眠。眩しい太陽に起こされるような感じで日曜日がスタート、やはり富士スピードウェイは朝から厳しい暑さに包まれていました。

取材の方はコースサイドでの撮影や参加者へのインタビューなど、滞りなく進行。
なぜか(?)取材の合間には、ロータスエヴォーラを場内道路で体験する機会にも恵まれました。このクルマ、4シーター(実質は2+2、2シーター仕様もあり)ということで、ピュア・スポーツというキャラクターのエリーゼなどとは異なり、グランドツーリング志向のキャラクター。
ミッドシップに搭載するのは排気量3,456ccのV6エンジン、型式は2GR-FE。そう、エスティマなどに搭載されているトヨタ製の定評あるエンジンです。ちなみにクラウンやマークXに搭載されているのは直噴仕様の2GR-FSE。2GR-FEはポート噴射のみという仕様です。

トヨタ製ということで信頼性は抜群、ではロータスのブランドネームに相応しいポテンシャルがあるのか?
そこが気になるところですが、いざスタートさせてみるとなかなかこのエンジンが隠し持っていた気持ちよいレスポンスを体験することが叶いました。特にこのエンジンをマニュアルミッションで味わえるのは、国内ではエヴォーラだけ。大人しく走れば背中にあるエンジンの存在を忘れさせてしまうほどにジェントルですが、ひとたびアクセルを踏み込むとシートバックに身体を押しつけられ鋭いレスポンスを見せてくれます。ただしこの時でも室内に侵入してくる騒音は小さめ。この点が旧来のロータス・ユーザーからは「官能的でない」としてウィークポイントとされているのだそうですが、クルマのキャラクターを考えれば私にとっては今のレベルがとても好ましいように思えます。

足回りのセッティングもガチガチのスポーツカーではなく、ちょっとしたハイスピードコーナーリングでも「頑張ってるぞ」という感じをそれほど伝えずに、サラリと駆け抜けてしまうような感じ。グレーチングの段差も巧くいなしてくれ、想像以上の快適性が心地よいクルマです。
今では残念ながら日本のメーカーにこのようなキャラクターのクルマは存在していません。それだけにプライスは2+2シーターが892.5万円、2シーターで850.5万円と他の欧州高級ブランドと比べるとお買い得感があってお薦めです。ロータスというブランドと拘りのクルマ造り、そして信頼性の高いトヨタ製エンジンの組み合わせは、毎日積極的に安心して乗れるでしょうから、こんなに嬉しいことはありません。

さて、このように期せずして最新のロータスを少し味わうことも出来た富士スピードウェイでの一日。
帰りは日没後になりましたが、高速道路は大渋滞。仕方なくコンビニエンスストアで弁当を調達して、近くにある道の駅で夕食。その後は、駐車場でクルマを並べて諦めモードに入った某カメラマン氏と世間話をしたり、パソコンを開いて制作作業を進めてみたり。

結局は少しの仮眠もとったことから、帰宅は月曜日になってからの午前4時すぎだったのでした。
 
2010年02月17日 イイね!

昔の名前で出てきました

昔の名前で出てきました2月17日、三菱自動車工業は新型となる「RVR」を発表・発売しました。

このネーミングは元々、1991年に同社がデビューさせたモデルで使われていたもの。現代風に言えばスモールミニバンという位置づけであり、リアサイドにスライドドアを配していた点がセールスポイントでした。またバリエーションとしてはターボエンジンを搭載して動力性能を高めものや、オフロード色を濃くした仕様、オープントップ仕様など多彩な内容となっていたことも特徴的。
とても先進的なコンセプトに思えましたが、やや登場するのが早すぎたのかセールス的には決して大成功とは言えず、2002年に二代目モデルの販売を終了して名前そのものが"お蔵入り"となっていました。

そして8年ぶりに復活することとなった「RVR」。最近良く聞く"クロスオーバー"ともいうキャラクターがつけられ、オフロード色の濃いコンパクトハッチバックSUVというポジショニングが与えられました。

ボディサイズは全長4295mm×全幅1770mm×全高1615mm(標準ルーフ車)。同社の「アウトランダー」と比べて全長で-345mm、全幅は-30mm、全高は-65mmとなりますが、ホイールベースはシャーシコンポーネンツを基本的に共用していることもあって同一寸法の2670mm。
基本的に三列シートを備える「アウトランダー」に対して「RVR」は二列シート・5人定員という違いがありますが、その分だけ特に長さ方向の寸法が異なるため街中での使い勝手は高いといえるでしょう。

この使い勝手はエクステリアデザインによる部分もあることをレポートしておきます。
何といっても「ランサーエボリューションⅩ」にも通じる精悍、というか獰猛な顔つきがライバル勢に対する「RVR」の大きな特徴。
"逆スラントノーズ"はシグマのサブネームが初めてつけられた三代目ギャラン(1976年発表)や、フルタイム4WD+ターボのVR-4が鮮烈な印象だった六代目ギャラン(1987年発表)などにルーツを見いだせますが、"ジェットファイターグリル"と相まって三菱ならではの強いアイデンティティを主張しています。
そして同時に三菱が得意としているデザイン手法に"C面カット"というものがあります。要するに角を落とすことなのですが、この手法は「RVR」のフロントまわりでも採用されています。これにより"ジェットファイターグリル"の存在感が引き立つとともに、狭い場所での取りまわし性能を高めることが出来ます。実際に試してみると、縦列駐車状態からの脱出では予想以上に前の車との間隔が狭いところから難なく一発で出られました。
全体的なデザインそのものは好みがあるでしょうから一概に評価は出来ませんが、この強い個性は商品価値として面白いと思います。絶対に受け付けないというユーザーがいる一方、このデザインを気に入った指名買いも期待できるでしょう。

動力性能面を紹介すると、搭載されるエンジンは排気量1798ccのノンターボのみ。最高出力は102kW(139ps)/6000rpm、最大トルクは172N・m(17.5kg-m)/4200rpmで、これに6速マニュアルモード付きのCVTのみが組み合わされます。
エンジンスペック的にはごく一般的なものですが、パフォーマンス的には必要充分なものを満たしているので文句のつけようはないでしょう。そして昨今ユーザーにとって大きな関心事となっている燃費性能はとても優れており、10・15モード数値が2輪駆動で15.2km/Litrer、さらに燃費面で不利な4輪駆動でも15.0km/Literと、全てのグレードで15km/Literの壁を超えています。これにより優遇税制対象となるのはもちろんですが、ランニングコストを抑えられる点は大きなユーザーメリットです。

使い勝手の面では特に際立った個性的な部分は少ないですが、日常的に愛用する"ツール"として満足感を得られる内容が用意されています。
まず好感を持ったのは、運転席のハイトアジャスターとチルト&テレスコピックステアリングが全車に標準装備されていること。またABS(アンチロックブレーキ)や運転席&助手席のエアバッグに加え、運転席はニーエアバッグまでもを全車に標準装備しています。
さらに4輪駆動の場合はASC(アクティブスタビリティコントロール)と坂道発進時の後退を防ぐヒルスタートアシストも標準装備。これらは2輪駆動の場合、グレードを問わず84,000円を支払うことでメーカーオプションとして注文できます。

こうしたグレードを問わない安全装備の充実は素晴らしいことです。メーカーによっては一部上位モデルだけにしか安全装備が標準装備されていなかったり、下位グレードではオプションとしての選択肢すらなかったり、余計なものとのセットオプションだったりすることも珍しくありません。
この点、グレードを問わず「RVR」のユーザーになれば、平等に安全装備の恩恵をいざという時には享受できるというのは心強い限りです。

室内を見るとやや武骨な印象ですが特に"男臭い"わけでもなく、乗る人の年齢や性別は選ばない感じです。変に若い女性に向けた媚びを売っている感じもしないので、かえって女性ユーザーの好感を得られる面もあるのではないかと予想します。
実用車としては前席周辺のポケットが配置、数、容量ともに使いやすいものという印象。またリアシートも含め居住性は良好ですし、カーゴスペースの床形状や容積もなかなかの実力を持っています。
また、元々の着座位置が高いこともありますが、全体的な視界の良さも安全性に直結する美点。フェンダーの先端も比較的視認しやすいので、運転に余り自信が無いという方でも取りまわしに慣れるまでそれほどの時間は要さないかと思います。

ところで一点だけインパネ関係で注文をつけたい部分が。
4輪駆動の場合、センタコンソールのCVTセレクターレバー後方にドライブモードセレクターのダイヤルが備わります。要するに2輪駆動と4輪駆動、さらに4輪駆動デフロックを切り替えるためのダイヤルなのですが、果たしてこの機能はダイヤルとして一等地を操作部が占領する必要があるのでしょうか?
エンジニアさんによれば4輪駆動と2輪駆動の燃費差は極僅かであるとのこと。ならは2輪駆動を積極的に選んで走る必要性もそれほど感じられません。もちろん選択機能はあっても良いと思いますが、それはインパネに設けた小さめのスイッチでも良いのではないでしょうか。こうしてダイヤルを廃して、代わりにこの場所には小物入れでも用意してくれた方が、ユーザービリティは余程向上するのではないかと思います。

さて、この新型「RVR」は三菱自動車工業としては発売後一年間の目標月販台数を1,500台と定めています。メーカー系列のレンタカー会社などを持たない三菱自動車工業、営業車需要もほとんど見込めない車種としては、なかなか積極的な数字を掲げているように思います。

その自信の裏付けとなっているであろうポイントが価格。
メーカー希望小売価格を見ると、最安の2輪駆動・Eが1,785,000円、最も高価な4輪駆動・Gでも2,449,650円です。そして前述の通り高い燃費性能により、全てのグレードが50%軽減エコカー減税対象車です。

装備の充実度に応じて、上からG、M、Eの3グレードが用意され、それぞれに2輪駆動と4輪駆動が設定されている「RVR」。
エンジンは共通、ミッションも全車CVTなので、装備内容と価格のみが購入時の選択要素となります。
個人的には中間のMグレードには余り魅力を感じません。本来は価格的にド真ん中のグレードというのは平均的なお薦めモデルとなりますが、この「RVR」ではEかGを狙うのがお薦めです。

まずEについては、安価ながら基本装備の充実ぶりがお買い得です。前述のように安全装備は最上級モデルと遜色ないですし、8色設定されているボディカラーも全ての中から好きなものを選べます。
上級モデルに対して省かれる装備を見ても、プライバシーガラスやHIDヘッドライト、フロントドアUVカットガラス、ハイコントラストメーター、フルオートエアコン(マニュアルエアコンが標準装備)といった感じで、あとは装飾的な要素の強いものが装備されないだけ。
つまり、「あれば便利だけど、無くてもそんなに困らない」というものが装備されないだけなので、購入時の初期コストを重視する方はこのグレードがお薦めです。さらに言えば2輪駆動と4輪駆動の両方がきちんと用意されているので(価格差は21万円、4輪駆動にはASCとヒルスタートアシストを装備)、お住まいの環境などに応じたチョイスが可能です。
ただし、Eグレードではメーカーオプションのカーナビゲーションを装備することが出来ませんので、この点はディーラーオプション品の中から選ぶことになります。

一方、長く乗ろうという方やファーストカーとして使う方、ダウンサイジングで乗り換えるという方などには、最上級のGグレードがお薦め。
照射角の広いスーパーワイドHIDヘッドライトやフォグランプ、ウインカー内蔵ドアミラー(電動調整、格納、ヒーター付)、ハイコントラストメーター、本革巻ステアリングホイール、フルオートエアコン、鍵を挿さなくてもドアロックやエンジンスタートが可能なエンジンスイッチ+キーレスオペレーション、オートライト、オートワイパー、クルーズコントロール、パドルシフトといった、より上級な車種にも全く引けをとらない豪華装備が用意されています。
これらはMグレードでもオプション設定されていますが、価格的にはまとめて装備されているGグレードの方が圧倒的にお得。さらに希望すればGグレードのみに本革シート&シートヒーターや、パノラマガラスルーフをオプション装備することも可能です。

久しぶりのブランドネーム復活となった「RVR」。
なかなかお買い得なコンパクトSUV、しかも他に似ていない強い個性の持ち主。果たして市場でどのように評価されることとなるのか、興味深い存在です。
 
2009年06月09日 イイね!

【試乗インプレッション】 トヨタiQ (3)

【試乗インプレッション】 トヨタiQ (3)さて、先週の続きでトヨタiQのインプレッション、最終回となる"まとめ"を掲載しようと思うのですが・・・。

ちょっとじっくり試乗記を書いている時間が無いので、今しばらくお待ちくださいm(_ _)m。
週明けに、このエントリを再編集するかたちで掲載しようと思います。
 

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各種取材やウェブサイトを中心とした制作業務を行なっています。 主なテリトリーは自動車/モータースポーツ、飛行機などの交通関係。 自動車は乗用車からトラッ...
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