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2009年01月10日 イイね!

【試乗インプレッション】 ホンダ・エリシオン プレステージ

【試乗インプレッション】 ホンダ・エリシオン プレステージ本日は早朝から夕方まで取材に明け暮れた一日。
そんな中で移動&撮影機材車として使った「ホンダエリシオン プレステージ」をご紹介しましょう。

今やミニバン系車種が販売の中心となっているホンダ。その代表格はなんといってもオデッセィですが、更に上級のラージボックスミニバンが「エリシオン プレステージ」です。

ご承知の方も多いと思いますが、同社初のラージボックスミニバンである「エリシオン」の上級車種という位置づけを与えられたのが「エリシオン プレステージ」。

2004年8月にデビューした「エリシオン」は大柄なミニバンでありながら低重心設計を採用したことで高いハンドリング性能を実現。
室内もフラッグシップミニバンらしく8人乗りでも余裕の空間を確保しつつ、低床設計により全体の車高を抑えることにも成功しています。

またライバルよりもプレーンなフロントフェイスは独自の存在感を主張。
しかし、よくも悪くもこの顔つきが販売面では大きな影響を与えることとなりました。

ラージミニバンはエルグランドに端を発する"デカ顔"が主流。
分かりやすい豪華さや威圧感に乏しい「エリシオン」は営業的に苦戦。さらに2400ccエンジンのみという設定を不満とする客層もあったことから、更に上級の「エリシオン プレステージ」を2006年12月に追加設定しました。

そして去る2008年12月には両シリーズともにマイナーチェンジを受け、「エリシオン」についてもメッキで飾った大型のフロントグリルが標準設定とされました。

今回乗ったのはこのマイナーチェンジを受けた最新型の「エリシオン プレステージ」。同シリーズはエンジン設定がV6・3,500ccと直4・2,400ccの2種類ありますが、後者のFF(前輪駆動)・5速オートマチックを組み合わせる「S HDD NAVI Special Package」です。

まず動力性能面ですが、1,840kgという車両重量を118kw(160ps)/5,500rpmの最高出力を有するエンジンでも充分な余裕を持って走らせてくれます。
今回は大人4人乗車+撮影機材搭載という条件で高速道路を主に移動したのですが、追い越し性能や登坂性能を含めて全く不足を感じる場面はありませんでした。

そして生憎横風の強い中を走ることになったのですが、こうした場面では低床・低重心設計の恩恵を実感します。
なによりも高速走行安定性が高い。ラージミニバンですからワインディング路を攻めるようなシチュエーションは滅多にあり得ないでしょうが、高速道路の長距離移動はどんなユーザーでも体験する可能性の高い場面。こうした時にも低重心設計がユーザーメリットを生んでくれるのです。

実際に周囲を走る他社のライバル車種は、横風を受けてフラフラと走る姿を見せる車を何台も見かけました。
しかし「エリシオン プレステージ」は横風の影響を感じることは少なく、安全・快適なクルージングを終始提供してくれたのです。

快適性と言えば室内空間は低めの全高ながら、低床設計のおかげで充分な広さが用意されています。
そして乗り心地については、オデッセィのように過度に締め上げるようなことをしていない足回りのおかげで、プレステージミニバンに相応しいしなやかなものとなっており、この点には好感を持ちました。
更に言えばテストした2,400ccエンジン搭載モデルは215/60R17サイズのタイヤを標準装備、225/50R18サイズを装着する3,500ccエンジン車よりもエアボリュームが大きいので、路面のショックや"粗さ"を上手く吸収してくれているのではないかと思います。

さて、一方でやはりちょっと気になる部分というのもあります。

その筆頭が室内への騒音の侵入。運転席、助手席の両方に乗った今回は残念ながら2/3列目席の状況を確認するに至りませんでしたが、少なくとも1列目席については少々外部からの騒音が耳につくように感じます。
今回、強風という厳しい条件下ではありましたが、そのことを考慮に入れても車格的にはもう一歩の静粛性向上を望むところです。

二つ目に気になるのはオートマチック。
5速オートマチックそのものは変速ショックなども少なく快適なものですが、インパネシフトでレイアウトされたセレクターレバーはストレート式で、マニュアル操作ゲートやパドルシフトの設定はありません。
実際にはマニュアルモードを備えるオートマチック車においても、ユーザーの活用度合いは決して高くないということを承知の上で記しますが、出来れば手動セレクター操作を考慮した設定を望むところ。ジグザグのスタッガード式ゲートでも良いのです。

なぜなら車両重量の大きいラージミニバンの場合は、減速時にエンジンブレーキを効率的に使う運転をしたいと個人的には思うから。
適切な手動変速の活用は、ブレーキの負担や消耗の減少、燃費の向上などに効果を産むからです。
ミニバンに限らずオートマチックのマニュアル操作モード(パドルシフトを含め)は、決して多くの自動車雑誌やジャーナリストが扱うような"スポーツドライビングのためのオモチャ"に留まるものではないと思っています。

室内ではホンダ自慢のナビゲーションコントローラー「プログレッシブコマンダー」が目立ちますが、実際の操作感はいま一つ。
操作感、というよりは、ナビ画面に表示されるメニューの表示や階層設定などが、私にとっては直感的にしっくり来なかったという印象なので、これはオーナーになれば慣れで解決できる部分でしょう。

最後に、これはデザイン要素の内容なのであくまでも私見ですが、やはり大柄なギラギラのメッキグリルをはじめとした過剰装飾的なエクステリアはちょっと残念なところ。
初代レジェンドの失敗を繰り返したようにも思える"プレーン路線からの転換劇"ですが、市場がそれを求めているから仕方無いといえばそれまででもありますが・・・。


今回テストした「エリシオン プレステージ」の「S HDD NAVI Special Package」ですが、FFは3,360,000円、4WDは3,675,000円というメーカー希望小売価格が設定されています。
ライバル車種の筆頭はトヨタアルファードヴェルファイア

アルファードのベースグレードであるFFの240G(8人乗り)はメーカー希望小売価格が3,560,000円と若干高めのプライスになっています。

ただしアルファードは燃費性能などに優れるCVTミッションを採用、マニュアルモードゲージも採用されています。
またエアバッグ類や横滑り防止装置もアルファードが充実しているため、価格差は充分に納得のいくものです。

直接対決させた場合、正直に言って「エリシオン プレステージ」を強く推す理由は余りありません。
唯一、私にとっては低重心・低床設計による走行安定性の高さが、高速道路やワインディング路を走る機会の多い方に向けてはアピールしたい部分です。

ただし、実際に購入する場合は契約した価格によっては購入をお薦めできる場合もあり得ます。要するに「エリシオン プレステージ」は不人気車種なので、大幅な値引きを獲得出来れば、下取り価格を気にしない"乗り潰し"を前提にお買い得な商品にもなり得る、ということです。

昨年のガソリン高騰以降、ラージサイズミニバンは中古車市場でやや動きが悪くなってきており、下取り価格も下落気味。
そのうえで、「エリシオン」シリーズは人気が低いので、下取り価格は絶望的とも言える状況です。

ちなみにトヨタのサイトではライバル車種との比較参照を出来ますが、アルファードヴェルファイアについては「トヨタのおすすめで比較する」の対象車種に「エリシオン プレステージ」と「エリシオン」の名前はありません・・・。
 
2008年08月05日 イイね!

【試乗インプレッション】 FIAT 500 (2)

【試乗インプレッション】 FIAT 500 (2)■インテリア
ベーシックなコンパクトカーゆえに豪華さとは無縁ですが、センスよくまとめられたインテリア。
インパネにはボディカラーのパネルをあしらいますが、ステアリングやエアコン操作パネルはボディカラー問わず白色が基本。
ということで白いボディの場合は明るいインテリアが生まれることになります。

運転席正面に据えられた一眼メーターは同軸上で速度とエンジン回転を表示、燃料残量や水温はデジタルバーグラフ表示となっています。
そして中央部にはギアポジションや時計、燃費情報などが表示されるマルチインフォメーションディスプレイを装備。
実際には少々ゴチャゴチャした感じで見やすさとしては及第点以下(特に速度計と回転計)なのですが、二代目フィアット500の雰囲気を上手く再現したインテリアの居心地は決して悪くありません。

インパネ中央は上段にオーディオ、中段にステアリングアシストモード切替(1,200ccエンジン車)/ハザード/フォグランプの各スイッチ、そして下段にエアコン操作パネルというベーシックな配置。

ただしラテンの車らしいのはパワーウィンドゥスイッチで、セレクターレバー上の左右に備わり、ドアにはスイッチが装着されません。
運転席側はワンタッチ機能も有して実用的、ここに配することでスイッチの個数を減らせるなどのメリットもあり、イタリアやフランス車ではこうしたレイアウトが珍しくありません。


■ポケッテリア
イタリア車は大小問わず、室内の収納については無頓着な傾向が強いかもしれません。
例えば筆者の経験ではマセラティあたりですと、立派なダンパー付きのセンターコンソールボックスが備わっていたので開いてみると、タバコ一箱がやっとというレベルの収納容量だった、などということもありました。

FIAT 500の運転席まわりにおける収納スペースも必要最小限という印象。
カップホルダーは4つがセンターコンソールに備わりますが、それ以外では助手席前のオープンタイプのトレーと、センターコンソール前端の収納トレーが主なスペースとなります。あとは左右ドアポケットとシートバックポケットという感じでしょうか。
もちろん実際にはこの他にも多くの収納が用意されています。助手席前のトレー内側には下開きのグローブボックスが隠されていますが、日本の一般的な車検証キットを収納できるサイズではありません。
写真はインパネ中央の運転席側に備わるコンソールボックス。位置的には利便性が高いのですが、薄めで奥の深いボックスゆえに入れられるものが限られますし、下手に小さな物を入れると取り出すのに苦労しそうです。
このように辛口評価になってしまいますが、ポケッテリアについては日本車の"お家芸"とも言える領域で、イタリアの場合は細部に及ぶ"おもてなし"よりもインテリアの雰囲気を守ることに重きを置いたと見るべきでしょう。
車の中には色々なものが置いてありますが、本当に必要なものだけを抽出すると、FIAT 500の収納スペースで充分におさまる範囲という方が多いのかもしれません。



■ラゲッジスペース
全長の短いFIAT 500ですが、ラゲッジスペースも考え方によっては充分と思える容量を確保しています。
リアシートを使用した状態では奥行き540mm程度、傾斜したリアゲートの影響で決して大量の荷物を積載することは出来ません。しかしちょっとした買い物程度は充分に呑み込みますし、小さなボディゆえにリアゲートからリアシートへのアクセスが良いので、リアシートが"物置き場"として重宝することになるでしょう。
2人でちょっとした長旅に出るとしたら、リアシートを畳めばなかなか侮りがたい空間が広がります。フロアには少々大きな段差は出来てしまいますが、スーツケースなどの旅行アイテムも問題なく積載することが出来るでしょう。



■サマリー
3日間で約1000kmをともにしたFIAT 500。本来は得意としなさそうな高速道路&ワインディング路主体の長距離移動では、かえってFIAT 500の真の力を見せつけられる結果となりました。
小さい排気量のエンジンながらも侮れない動力性能。デュアロジックも貢献するキビキビした走りを楽しめるキャラクター。小ささを感じさせない存在感とロングツーリングでの快適性は、シートやインテリアの出来ばえが良いことも実証してくれました。
都市部では小さい車体が軽快なシティトランスポーターとして機能。デュアロジックの自動変速モードがややマナーに欠ける点と、短いホイールベースゆえに首都高速道路などで段差が連続するケースでは乗り心地に難点もありましたが、これらをカバーして余りある魅力にあふれた一台であると結論づけられます。

もっとも実用車ですから自動車雑誌などにあるように「楽しいから、買い!」などという無責任なことを言うつもりは毛頭ありません。
私自身、デュアロジックの信頼性については確証を得ている訳ではないので、まずはこのスタイルが気に入った上で、比較的近く(最低100km圏内、出来れば50km圏内)に正規販売会社が存在していれば購入をお薦めしたいと思います。

ところで2008年7月末現在で日本には1200ccエンジンの「Lounge」(225万円)、1400ccエンジンの「Pop」(222万円)と「Lounge」(250万円)という3つのバリエーションが設定されています(価格は消費税含)。
購入アドバイスとしては私は1400ccエンジン車に乗ったことがないので少々無責任になるかもしれませんが、1200ccエンジンで充分であろうと予想します。
その上で首都高速やバイパスなど合流加速を必要としたり、勾配のきつい道を頻繁に走る機会があるという使用環境であれば1400ccエンジンの方がベターかと思います。
この点については、出来ればディーラーで両方のエンジンを試乗出来るような環境を整えてくれることに期待します。

次に1400ccエンジンには「Lounge」と「Pop」が設定されていますが、装備の差としてはベーシックな「Pop」でも充分満足出来ると思います。ただし、ガラスルーフ(サンシェード付)に魅力を感じるのであれば文句無しで「Lounge」に決まり、です。

ちなみに今回の燃費を報告すると、約1000kmを走って17.5km/Liter(満タン法)。高速道路を法定速度レベルで巡航、あとはワインディングロードで高回転を多用したりというシチュエーションの割りには2名乗車+荷物積載+エアコン使用という条件下であるにも関わらず良い数値をマークしたと思います。

最後に今回のテストカーについて。実は今回の車両はレンタカーなのですが、現行の日本正規導入仕様に存在しない内容となっています。
まず1200cc車は本来ガラスルーフを備える「Lounge SS」のみが設定されているのですが、今回のテストカーはガラスルーフを備えていません。またホイールはスチール+ホイールキャップの組み合わせ。
逆に「マニュアルエアコン」であるはずの空調は「フルオートエアコン」であるなど、なんとも不思議な装備内容なのです。
これはもしかすると日本の現地法人が本国に対してオーダーする際にミスをした結果なのかもしれませんし、逆に本国側でミスをしたのかもしれません。こうしたことはイタリア車に限らず、輸入車では実際にはそんなに珍しいことではありません。

しかし個人的にはこの仕様がなかなか気に入っています。
ディーラー純正オプションのカーナビゲーションは少々性能的に劣りますが、小さい筐体で見やすいモニターなので室内の雰囲気を壊すようなことがありません。
そして何といっても重量増につながるガラスルーフを備えないので、今回の個体は車両重量が980kgと1tを切っているのですから!

今回のドライブを経て、元々ラテン系の車が好きな私としては、とても購入意欲をそそられています。
もっとも、もう少し様子を見てみようとは思っていますが、フーガにしてもRX-8にしても、テストドライブした数年後には購入しているんですよね・・・。


>> FIAT 500 (フィアット・グループ・オートモビルズ・ジャパン)
2008年08月04日 イイね!

【試乗インプレッション】 FIAT 500 (1)

【試乗インプレッション】 FIAT 500 (1)■アウトライン
イタリアの自動車メーカー、フィアットを代表する歴史的な名車が「500(チンクエチェント)」。
初代は1936年に登場、そのフロントフェイスがハツカネズミに似ていることから「トポリーノ」という愛称でイタリア国民に親しまれました。

1955年に初代の製造が終了、新たに「FIAT 600」が登場。しかし、より小型で安価な車を求めるマーケットに対応するために1957年に"二代目"となる「FIAT 500」がデビュー、こちらも国民車として高い支持を集めました。

そして2007年夏に大人気を博した二代目の面影を色濃く残しながらも現代の社会に通用する商品力を備えた"三代目"の「500」が登場。
ちなみに「500」の駆動方式は初代がFR(フロントエンジン・リアドライブ)、二代目はRR(リアエンジン・リアドライブ)、そして三代目がFF(フロントエンジン・フロントドライブ)と、その時代に合わせた方式が採用されてきています。

■ディメンション
現代のFIAT 500は衝突安全性の確保など時代の要求に応えるため、二代目に比べると大柄なボディとなっています。
とは言ってもその寸法は「全長3545mm×全幅1625mm×全高1515mm」とコンパクトなもの。全長と全幅についてはトヨタ最小の「パッソ」よりも更に一回り小さなサイズです。
そのためパッケージングとしては完全な2+2の4シーターという趣き。リアにも合法的に2人が乗車出来ますが、後傾しているルーフラインと2300mmという短いホイールベースも影響して、大人は30分程度の乗車に留めるべきという感じ。
ですが前の2席は全く狭さを感じさせることはなく、横方向もちょうどよい間隔が保たれています。筆者は身長184cmと大柄ですが、終始快適なドライブを楽しませてくれる空間が広がっていたという印象です。



■パフォーマンス
FIAT 500の日本仕様には2008年7月末の時点で2種類のエンジンが設定されています。
ともにガソリンの直列4気筒ですが、ひとつは排気量1368ccの16バルブ仕様で最高出力74kW(100ps)/6000rpm、最大トルク131Nm(13.4kg-m)/4250rpmを発揮。
もうひとつは排気量1240ccの8バルブ仕様、最高出力51kW(69ps)/5500rpm、最大トルク102Nm(10.4kg-m)/3000rpmというスペックを誇ります。
ともに使用燃料はハイオク指定でタンク容量は35リットル。

今回テストした車両は1240ccのエンジンを搭載したモデルでしたが、その動力性能は予想していた以上のものでした。
高速道路の巡航は全く周囲に置いて行かれるようなこともなく、市街地走行に至っては何の不満も感じないレベルです。もっとも今回は信州方面を走ったことから勾配のきついワインディングロードもありましたが、さすがにこのようなシチュエーションでは苦しい走りになってしまいます。
もっとも、そんな場面は特殊な領域と言えますから、ここは素直に小さな排気量を感じさせない高い動力性能を誉めたいところです。



■ドライバビリティ
FIAT 500のドライバビリティを語る上では、搭載されているミッションについての説明が必須となるでしょう。
2008年7月末時点で日本に導入されているFIAT 500には全て、2ペダルの5速マニュアル「デュアロジック」が搭載されています。
このミッションは一般的なオートマチック車と比べた場合、トルクコンバータを介さないので「クリープ現象」がありません。よって車庫入れなどの際は繊細なアクセルワークを必要とする場面があります。
また「P」ポジションがなく、駐車する時は「N」に入れてパーキングブレーキを併用します。

インパネ中央から生えるセレクターレバーは「土」の字を左に90度回転させたようなゲートが切られており、右上が「N(ニュートラル)」、右下に「R(後退)」。
左側のゲートは上が「-(シフトダウン)」で下が「+(シフトアップ)」。そして中央左端が「A/M(自動変速と手動変速のモード切り換え)」となっています。

Nからセレクターを左側のゲートに入れると1速に入って発進可能。このとき、メーター内のギア表示脇に「AUTO」とあれば自動変速モード、そのままアクセル操作のみでオートマチック車のように走行できます。
「A/M」ポジションにレバーを入れるたびに自動/手動変速が切り替わり、メーター内の「AUTO」表示が合わせて点灯/消灯します。
手動変速モードは完全にドライバー主体となり、セレクターレバーの操作によってのみギアチェンジします(停止時の1速へのシフトダウンを除く)。ワインディングロードなどではこのモードがオススメ。
対して自動変速モードでは前述したように完全にクルマ任せで走ることが出来るのに加え、セレクターレバーの操作によるシフトアップ/ダウンも可能。エンジンブレーキを使いたい場面で重宝します。この場合は「AUTO」である限り、次は自動的にシフトアップ/ダウンしてくれるので便利です。

なお、このデュアロジックはあくまでも"マニュアル"がベース。自動変速はデビューした当時のアルファ156に搭載されていたセレスピードに比べればかなりマナーが向上したと言えますが、それでも日本車のオートマチックを相手にすると洗練度では二歩譲る印象。
もっとも、こうした"クセ"はオーナーになれば掴むことが出来るでしょうから、大きな問題にはならないかと思います。

むしろ自動変速で市街地や高速道路は安楽な移動が出来て、ちょっと走りを楽しみたいときにはダイレクトな変速でマニュアルそのものの走りを楽しめるデュアロジックは、とても魅力的なミッションであると言えるでしょう。



>> FIAT 500 (フィアット・グループ・オートモビルズ・ジャパン)
2008年02月04日 イイね!

【試乗インプレッション】 マツダプレマシー

【試乗インプレッション】 マツダプレマシー久しぶりのインプレッション記事を書いてみようと思います。

今回ご紹介するのはマツダの「プレマシー」。
1999年春にデビューした初代は5ナンバーサイズで特に短めの全長に三列シートをレイアウトしたコンパクトなミニバン(言葉としては変な感じですが・・・)の先駆けとなりました。

2005年春、6年の歳月を経て現行型となる二代目にスイッチ。ボディサイズは一回り大きくなり、全幅が1.7mを超えたことから"3ナンバーボディ"になりました。またエンジンラインナップは初代の排気量2000cc/1800ccに対して、二代目は排気量2300cc/2000ccとされ、走行性能の向上を図っています。
またリアドアはそれまでのヒンジ式からスライド式に変更されたのも大きなポイントです。

2007年1月には一部モデルに直噴ガソリンエンジン(DISI)と5速オートマチックを搭載。同年9月にはマイナーチェンジを施し、5速オートマチックは2輪駆動の全モデルに設定を拡大しました。

まず全体的な印象としては、似たようなクラス(サイズ、三列シート、スライドドア)になるトヨタ自動車の「アイシス」や日産自動車の「ラフェスタ」と比べると、やや"大味"な印象を受ける部分もありますが、総じて良い出来ばえにあると言える商品力を誇っています。

走りについてはパワーに余裕のある2300ccエンジンはもちろんですが、日常的な使い方と高速道路を淡々と走るような一般的なシチュエーションにおいては2000ccエンジンでも不足を感じることは無いでしょう。
ここには5速オートマチックの採用が効果を発揮している面も大きいようです。この点は走行性能のみならず燃費性能にも差が生じる部分ですから、中古車も含めて購入を検討する際は、年式によってオートマチックが4速のものもあるわけですから気をつける必要があるでしょう。

ちなみにライバル勢はCVTを採用しています。CVTの方が燃費性能では絶対的に有利ですが、どうしてもコストは高くなってしまいがち。装備の差もあるにせよ、若干「プレマシー」の方が安価なプライスタグという印象です。
なお「プレマシー」の4輪駆動モデルは4速オートマチックとなりますので、4輪駆動についてはCVTを採用しているライバル勢の方が価格差を考えても走行/燃費の両性能面からお薦めとなってしまいます。

室内は拡がり感のあるデザインですが、遊び心や華やかさはあまりありません。この「プレマシー」はヨーロッパ市場も"主戦場"となっていますが、特にドイツで評判の良いマツダだけに、善くも悪くもドイツ車の風味も感じられます。

使い勝手で気になるのはポケッテリア。
運転席まわりにちょっとした小物を収納するスペースが不足している感じもあります。例えば財布や携帯電話など、日常的に持ち歩くものについては、すんなり収まるスペースというのが欲しくなるものです。

キャビン全体の使い勝手はなかなか高い実力を見せてくれます。
今回は朝から夜まで300kmほどを走りましたが、ドライバーズシートは長時間乗車でも疲れ知らず。
リアは二列目席は2人乗りに割り切った感じで、中央席は"補助席"という位置づけです。これによって4人の大人が前後左右全ての席で快適に移動できる点は大きな特徴になります。
三列目席はさすがにエマージェンシーの域ですが、それでも以外に全長が短い割りにはライバル勢と同等かそれ以上の空間が用意されています。
もし5~6人乗車するのならば、二列目の中央席を使うよりは三列目席を使った方が快適ではないかと思います。

プレマシー」の特徴のひとつに全長の"短さ"がありますが、この点は三列目席後ろのカーゴスペースにしわ寄せがきています。つまり、三列目を使用している場合のカーゴスペースは奥行きが短く積載能力は決して高くありません。

こうした条件を考えると、基本的には通常は三列目席を収納してステーションワゴン的に使うユーザーさんにお薦めです。実際にはこのクラスのミニバンユーザーの大半がそうしているのではないかと思いますが。

その上で先に記したように一列目&二列目の居住性はなかなか高いので日常ユースでの本質的な快適性を求める向きには打って付け。
さらに言えばスライドドアの開口面積が広いので、実は二列目席はもとより三列目席へのアクセス性能も非常に高いものがあることも隠れたポイントでしょう。

一般的に考えた場合、夫婦+子ども二人の家族にとって日常ユースではまず不満が出ることはないでしょう。その上で子どもがチャイルドシートを使うような年齢であれば別ですが、小中学生クラスであれば夫婦の両親を乗せるような場合でも、子どもたちを三列目、両親を二列目に乗せて食事などに出かけるような使い方にも充分に対応してくれるでしょう。こうした場面で三列目席への出入りや、高齢者の二列目席への乗降において広いドア開口面積は便利(ただし、若干サイドシルが高めですが)。
また、子どもがチャイルドシートを使うような年齢であったとしたら、広い開口部はお母さんが子どもを乗り降りさせる際にも有用でしょう。

ライバル比較で言えば、開口面積の広さだけでいえば左側センターピラーレスの「アイシス」が圧勝。しかし私自身残念ながら検証するに至っていないのですが、このボディ形式は長年使っていく上での経年劣化について不安もあるのではないかと思います。
ラフェスタ」はCVTミッションながら安価なプライスが魅力。ただしスタイリングについては途中のマイナーチェンジで大がかりな"整形"を受けたりして、少々完成度が低いような感じも受けてしまいます。

結果的には二代目で"3ナンバー"になりましたが、まだ都心部でも日常ユースの許容範囲にあるボディサイズといえる(全高のみタワーパーキングには対応しませんが)、このクラスのミニバンモデル。
"zoom zoom"を標榜するクルマ造りも浸透、デザインの統一感も全社的に整ってきたマツダの「プレマシー」は、今改めて注目に値するクルマであると認識しました。

ただ、個人的に私の周りだけなのかもしれませんが、ディーラーの販売力が弱いのはライバルメーカーに対して未だに一歩遅れているところ。
値引き重視の販売姿勢にあるお店やセールスマンも多く、結果的にリセールバリューも高くないのはマツダの全車に共通する弱点ゆえ、メーカーとして一層のブランド力向上と販売教育の徹底が望まれるところです。
2007年12月23日 イイね!

クリスマスの賑わいと2ドアクーペ =前編=

クリスマスの賑わいと2ドアクーペ =前編=2007年もあと一週間ほどで暮れようとしています。
クリスマスを迎えて街はイルミネーションに彩られ、多くの皆さんのブログを拝見しても、お友達や彼氏・彼女、ご家族などと楽しいひとときを過ごすという話題が増えてきました。

私はといえばここ数年はテレビを見なくなっているせいか、元々そんなに遊びに外出する方ではないせいか、世間の賑わいからは少々取り残された感のある日々。

そんな中、ちょっとノスタルジックな想いを抱くに至ったのです。


1989年・冬。
一般に1985年のプラザ合意に端を発すると言われる好景気、いわゆる「バブル景気」が日本列島を包み頂点を究めていました。
同年12月29日の日経平均株価は終値で38,915円の史上最高値をつけ、好景気はピークを迎えたのです。

もちろんこの好景気には負の側面も多く、その後に「バブル景気」が崩壊すると「失われた十年」を迎えることになります。
しかし日本はそれを乗り越え、日本経済は2002年から景気拡大を続けてきており、拡大持続期間は「バブル」を超えたといわれていますが、なかなか実感が沸きません。

確かに一時の景気の底は打ち上昇傾向にあるとは思いますが、あの「バブル」のような華やかさをいま一つ感じられないのです。
確かに「バブル」は「狂宴」という側面もあり、日本人が賢くなったのかもしれません。不用意な散財を避け、堅実な生活を守っているからこそ無意味な華やかさは影を潜めていると言えるでしょう。

1989年の冬に着目したのは、この年にJR東海が「クリスマス・エクスプレス」をキャッチフレーズとした新幹線の広告プロモーションを本格的に開始したのです。
山下達郎さんの「クリスマス・イブ」は今でもこの時期の定番ですが、この曲をバックに創られたドラマ性の高いコマーシャルは今でも記憶に残っているという方が多いのではないでしょうか。

「バブル」を語るキーワードは色々と思い浮かびます。
リゾート開発、土地の高騰。
空前の就職売り手市場、株式投資熱の高まり。当時、ファミリーコンピューターでも株式投資や企業経営をシミュレーションするゲームソフトが多数リリースされたものです。

ジャパン・マネーは海外を席巻。海外の不動産買収や有名な絵画・骨董の多くは日本人や日本企業によって買い漁られました。

そして大規模なディスコが次々に登場し、東京では六本木や赤坂などの都心部、そして天王洲などウォーターフロントと呼ばれた湾岸再開発エリアは、最新のスポットとして毎夜賑わいを見せていました。

当時、クリスマスは今以上の一年を通じた最大の"イベント"として一部では位置づけられていました。
東京都心の某ホテルは、12月24日の予約が前年の12月25日でいっぱいに埋まるという"伝説"まで生まれたほど。

今思えば空虚な感じもしますが、"遊ぶ"ことに注ぐパワーが凄まじいものであった時代と言えるような気もします。

しかし、こうして創られたものは、しょせんは「砂上の楼閣」に過ぎなかったのかもしれません。
当時、バブル紳士・淑女と呼ばれた皆さん、今はどうしていらっしゃるのでしょうか。

ただ、単なる懐古主義になってしまうかもしれませんが、少なくともより多くの人がパワフルでエネルギッシュな時代だったように感じます。
今は"格差社会"という言葉がはびこり、なんでも"格差"で片づけようとする風潮すら見て取れますが、当時も"格差"はあったでしょうが、それでも多種多彩な人々が好景気の恩恵を受け、一時的な"夢"だったのかもしれませんが楽しい日々を過ごしていたのではないでしょうか。

もちろんバブルが持つ負の側面を無視したり否定することは出来ません。
狂宴は経済構造の一部崩壊を招き、土地神話は巨額の負債や悲劇を生んだのです。
こうしてバブルが弾けた後は、厳しい日々が日本の社会に待っていたのですから。

「アリとキリギリス」ではありませんが、バブル当時の日本人はキリギリスに過ぎなかったのかもしれません。

=後編へ続く=

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各種取材やウェブサイトを中心とした制作業務を行なっています。 主なテリトリーは自動車/モータースポーツ、飛行機などの交通関係。 自動車は乗用車からトラッ...
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