
仕事で一緒になる機会も多いカメラマンの友人と電話していたときのこと。子どものころから筋金入りの“鉄ちゃん”である彼との会話は自然と鉄道関連の話題になったのですが、その中で3月17日のダイヤ改正で廃止されることが決まっている「
日本海」の写真撮影について盛り上がりました。
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日本海」は大阪と青森を結ぶ寝台特急で、1968(昭和43)年に登場。その名の通り日本海に沿って往復してきましたが、寝台特急に対する需要の減少には勝てずに、この春に廃止されることが決定しています。
ゆえに、廃止前に最後の勇姿をカメラにおさめておきたいと思うのは、鉄道ファンであれば当然の想い。
近年は廃止直前の列車を撮影するために、マナーやルールを無視して社会問題化している“葬式鉄”と呼ばれる輩も現れるようになりましたが、こうした連中の勝手な振る舞いが自らの趣味の世界について自分自身で首を絞めることになっているのが、どうして理解出来ないのかは甚だ疑問です。
閑話休題。
カメラマンの友人は廃止前に撮影のために東北を訪れることを決めているようで、私としてもその“撮影紀行”には興味を持つところです。それこそ青森あたりで合流させてもらうことも考えてみたのですが、クルマは友人のものがあるから良いとして、青森までどのように移動するかもシミュレートしてみました。
手段として思いついたのは航空機と新幹線。もちろん高速バスという選択肢もありますが、さすがに青森まで700km以上をバスで旅するというのは、安さの魅力は理解した上でもちょっと遠慮したいのが本音です。
そして、ちょっと気になるのは新幹線の方です。昨年、青森までの開業を果たした東北新幹線ですが、中でも「はやぶさ」や一部の「はやて」「やまびこ」に投入されている最新の
E5系列車、さらにその中でも充実したサービスが提供される上級の「
グランクラス」には、とても興味を惹かれるところです。
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グランクラス」は一列車にわずか18席が用意される上級クラス。新青森方の先頭車に配され、他の客室とは隔離された静かで上質な空間には、
RECARO製のゆったりとした多機能シートが備えられています。
従来のグリーン車よりも空間的な余裕は圧倒的に大きく、さらに専任キャビンアテンダントが乗車しており、フリードリンクやミールサービスも供されます。
要するに航空機に例えれば、一般席=エコノミークラス、グリーン車=ビジネスクラス、そしてこの
グランクラスについてはファーストクラスという位置づけになると言えます。
気になる料金は東京~新青森の
JAL(日本航空)で見ると、指定席利用の場合は16,670円、グリーン席利用の場合は21,360円ですが、
グランクラス利用の場合の加算額は26,369円となり、一般指定席利用よりも約1万円のアップとなります。
対して航空機と比較してみると、東京(羽田)から青森空港までの普通運賃は30,100円。しかし、近年は普通運賃で航空機を利用するという機会も少なく、何らかの割引運賃を用いるのが一般的です。そこで割引運賃を見ていくと、往復割引で26,900円、搭乗の前日まで予約可能な特便割引1は18,000円~22,100円、搭乗28日前までの予約となる先得割引タイプAが16,000円、搭乗45日前までの予約となる先得割引タイプBなら15,000円。そして最安となるスーパー先得になると、14,000円という運賃設定になっています。
料金的には早い段階で予定が決まっているのなら航空機が有利ですが、やはり旅の移動そのものを楽しむことも目的としているのであれば、充実したサービスを誇る東北新幹線の「
グランクラス」がとても魅力的に映ります。
しかし、残念なのは新幹線に限った話ではありませんが、とにかくJRのウェブサイトが各航空会社のものに比べて使いにくいこと。運賃や時刻表ひとつ調べるのも、航空会社のサイトよりも手間がかかりますし、操作性や表示内容もわかりにくい。さらに予約や決済も航空会社のほうが圧倒的に利便性が高いという印象を拭えません。
これが私自身がなかなか鉄道を利用しない最大の理由。
いまやビジネスの出張に限らず、旅の手配はホテルやレンタカーなども含めてインターネットで全てを行うのが一般的になってきています。しかし、どうにも鉄道会社、特にJRは“一見さんお断り”という感じも強く、結果的には予約を入れる前の段階で挫けてしまうことが多いのです。
Posted at 2012/01/28 02:30:26 | |
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