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2010年02月15日 イイね!

長い休日に最適なBGV

長い休日に最適なBGVこのブログでも時々記していますが、私がやってみたいことのひとつに「寝台列車での旅行」があります。
近年の日本では航空網や都市間バスの発達などによって夜行列車の衰退が続いています。長い伝統を誇った夜行列車であっても利用減に歯止めはかからず、車両の老朽化もあって次々に廃止されているのが現状です。

そして、僅かな生き残り組となったのは豪華さを売りにした"乗ることそのものに目的を見いだせる"列車が中心。
東京と北海道を結ぶ「北斗星」や「カシオペア」、大阪と北海道をつなぐ「トワイライトエクスプレス」などの上級個室は、いまもプレミアムチケットとして入手が困難な状況にあります。

現実的には東京から北海道や九州などの遠隔地に行く場合は、真っ先に思いつく交通機関と言えば飛行機。最近は競争の激化で割引運賃も増えましたし、何より速さでこれに勝るものはありません。
次に新幹線。この先開業を迎えることになる北海道新幹線を含め、さすがに東京から北海道や九州まで乗り続けるというのは少数派になるかもしれません。しかし車両の進化などによる高速化や快適性の向上は確実に固定客を増やしており、東京~広島間でも航空機との利用比率は50%近くで拮抗しているそうです。
リーズナブルさを追求するなら高速バスという選択肢もあります。ここ数年は激しい価格競争が繰り広げられており、東京から青森までで5,000円程度、福岡まででも8,000円程度で利用出来る料金が設定されています。

こうした交通機関に対して、夜行寝台列車やフェリーは押され気味。
しかし、両者に共通しているのは"高い非日常性"であり、時間を贅沢に使えるという旅ならではの楽しみが秘められています。

そのようは魅力は承知していても、実際にはなかなか時間の都合がつかなかったり懐事情が許さなかったりで、夜行寝台特急の旅が憧れの存在のままという方は実際には多いのではないでしょうか。

そんな方にちょっとお知らせしたいニュースが。

●シベリア鉄道 : 車窓の風景を動画で公開、計150時間分
毎日jp(毎日新聞)  2010年2月15日 10時20分

ロシアの首都・モスクワとウラジオストク間を結んでいる「シベリア鉄道」。全線を走破する列車は隔日運転されており、その走行距離は実に9,258km。例えばモスクワを21時25分に出発する第2列車は、3日目の22時06分にシベリアの中心都市であるノボシビルスクに到着。5日目の早朝6時14分にはバイカル湖の西側にあるイルクーツクに着きます。さらにそれから2日後の出発から7日目夕方、17時40分には人口約60万人を抱える極東の都市・ハバロフスクに到着。ちなみにハバロフスクとモスクワの間には、7時間もの時差が存在しています。
ここまで来て、終点までの残距離は735km。日本で言えば東京~青森間くらいの長さになります。この距離を最後の一踏ん張りで駆け抜けて、シベリア鉄道の終点となるウラジオストクに到着するのは出発から8日目の6時23分。
なお、前述の通り広大なロシアは国内で時差がありますので、表記はすべて現地時間となります。

とにかく日本では想像つかないほどの壮大な列車の旅。
気になる料金は出発日によって変動があるそうですが、1等車の食事無しで8万円~20万円くらいとのことです。思ったより安い気もしますが、実際にはこれに約一週間分の食事が必要ですし、何より日本からの往復旅費も加わります。

なによりも乗車するだけで一週間を要するわけですから、相当な時間の余裕が必要です。
そこでせめて自宅に居ながらにして気分を味わいましょうという方にお薦めなのが、前述のニュースでも紹介された車窓動画。なんと全部で150時間分をウェブ上で楽しむことが出来ます。
150時間・・・、単純な割り算で6.25日分。さすがに真っ暗な深夜の車窓風景は少ないでしょうが、このスケールの違いが「シベリア鉄道」らしくて面白いと思います。
こんな車窓風景をBGVにして、ノンビリ過ごす休日というのも面白いかもしれません。

もっとも、それでもやはり長めの休みが必要ではありますが・・・。
休みといえば、こんなニュースも。

●地域でGWが1週間ずれる?大型連休分散に法改正検討
MSN産経ニュース(産経新聞)  2010年2月14日 1時00分

これって、何のメリットがあるのでしょうか?
果たして国民はこんなことを求めていましたか?
もう、馬鹿馬鹿しくて呆れるしかありません。
 
Posted at 2010/02/17 18:13:34 | コメント(0) | トラックバック(0) | 航空・鉄道・海運 | 日記
2010年02月13日 イイね!

愚策の被害者

愚策の被害者2010年2月3日付のエントリでも記したように、昨年来「高速道路の通行料金」が何かと注目を集めています。

そもそもは現在の与党である民主党が政権に就く以前、昨年夏の衆議院選挙を睨んで将来的な高速道路の無料化を謳いはじめたあたりに原点があるかと思います。
それまでも小泉政権時代にはシンボリックな改革のひとつとして日本道路公団の民営化が行われましたが、現実には本来やるべき改革の全てを完了するには至らず、なんとも中途半端な感じで終わってしまっていました。

ところが突如として高速道路の無料化が話題を集めはじめると、当時の政権与党も対抗策として大幅な割引政策を実行に移しました。これが2009年3月下旬から施行された「ETC休日特別割引」。
曜日限定、かつETC搭載車に限るという点で不公平感が否めない上、週末や連休には高速道路の渋滞が悪化して、物流や都市間バスなどの公共交通機関にも影響を与えました。そもそも割引の原資は税金の投入であり、高速道路に関する問題点を根本的に解決したわけではないことが最大の問題点と言えるでしょう。

しかしETCの普及が急速に進み、一時期は全国的な品不足が問題化するに至りました。また観光地によっては週末の集客効果に大きく寄与した面もあるようで、それなりの経済刺激効果はあったという論評も存在しています。

昨年夏の政権交代を経て、新しい政権党は「高速道路無料化」を訴えていただけに対応に注目が集まりました。しかし世論も冷静なもので、単純な税金投入による無料化が愚策であることを見抜いており、環境問題的な側面からもこの政策には否定的な声が多く聞こえています。
そして先の発表。全国の高速道路網の中で利用率の低い路線だけを抽出しての無料化実験を行うことになるようです。また、「ETC休日特別割引」などは廃止され、新たに決済方法を問わず乗用車は上限を2,000円、大型車も5,000円程度とする上限料金体制が施行される模様です。

ところが所詮はこの無料化や割引料金の原資も税金の投入。要するに、どの政党でも首相でも大臣でも、ごく簡単に何も考えず実行できる"バラマキ政策"に過ぎません。

この"バラマキ政策"の大きな弊害として、公共交通機関に与えるダメージが懸念されることは、このブログでも何度もお伝えしてきました。
そしてまた、重要な公共交通機関が廃止されてしまうことが発表となりました。

●「宇高航路」3月で廃止 高速値下げが経営直撃
中國新聞  2010年2月13日

旧・国鉄の宇高連絡船にルーツを見いだせる、瀬戸内海を挟んだ岡山県香川県を結ぶ航路が廃止されることになりました。

●「影響計り知れず」関係自治体衝撃/宇高航路廃止
SHIKOKU NEWS (四国新聞社)  2010年2月13日 9時46分

両県ともに貴重な航路が無くなってしまうことに対して、戸惑いの声が出されています。

このフェリー航路とほぼ同じルートでは、本四高速瀬戸中央自動車道(瀬戸大橋)が1988年から供用開始となっています。
現在、本州と四国の間には3つの架橋ルートが存在していますが、ちょうど真ん中にあたる瀬戸中央自動車道(瀬戸大橋)は上層部が自動車専用道路、下層部に鉄道路線という構成になっています。

今回のフェリー廃止に対して、既に橋の開通から20年以上を経てフェリーの役割は終わったと評する声もあるようです。
しかし、果たしてそれで良いのでしょうか。

何らかの補助金がフェリーに対して出されていたのではないかと想像もされますが、それでも20年以上に渡って共存してきた橋とフェリーは、大衆迎合政治による愚策によってアッサリと廃止されてしまう事態に至りました。
民間企業同士の競合など、自然な市場原理に基づく競争で破れたのではなく、絶対に太刀打ちできない"国策"の餌食となってしまったのです。

ちなみにほぼ同じタイミングで、こんな真反対のニュースも入ってきました。

●青函フェリーの共栄運輸が新造船 高速値下げで利用増
Doshin web (北海道新聞)  2010年2月10日 8時08分

津軽海峡を結ぶフェリーは高速道路の料金引き下げに伴って利用客が増えているようです。

これはこれで大きな経済効果をあげているわけですが、純粋に増えた利用客の100%が新規利用ではないでしょう。当然それまでは航空機や鉄道などを利用していたものが、国策によって引き下げられた高速道路料金に魅力を感じて、フェリー利用に移ったケースも多いはずです。つまり航空会社や鉄道会社、レンタカー会社などが割を食っている可能性があるわけです。


高速道路については改革・改善すべき構造的な課題が多々あると思われます。そして、それらを解決していけば何らかの利用者メリットにつながる部分が必ず生じてくるはずなのです。
しかしそういった事をすべて先送りして、税金を投入しての割引政策。自由主義競争原理を崩壊させ、地域交通網のバランスを狂わせ、着々と公共交通機関にダメージを与え始めています。

この愚策、果たしていつまで続けるつもりなのでしょう。
何もしない政権というのは困ったものですが、何の将来的なビジョンも描かずに、その場しのぎの愚策を連発する政権は国民生活の基盤を崩壊させかねない危険な存在としか言いようがありません。
 
Posted at 2010/02/15 02:14:59 | コメント(1) | トラックバック(0) | 航空・鉄道・海運 | 日記
2010年02月07日 イイね!

納得できるような、できないような

納得できるような、できないような航空業界の話題では2010年1月19日付のエントリにも記しましたが、昨年末から年明けにかけて「JAL(日本航空)」にまつわることが多く見聞きされてきました。

しかし、経営状態が厳しいのは同社に限らず、旧来からある航空会社は全世界的に逆風の真っ只中という感じです。
背景には世界的な景気低迷、これに伴う企業活動の停滞などがありますが、低運賃を売りにしたLCC(ロー・コスト・キャリア)だけが元気さを見せているという風潮が強くなってきています。

日本国内に限れば航空業界は全体的な低迷に苦しんでいる状況が続いており、コスト削減の嵐が吹き荒れています。
そんな中で伝えられたこんな発表。

●選べる有料サービス「ANA My Choice」を拡充します
全日空・プレスリリース  2010年1月29日

ANA(全日空)」が発表した、この4月からのサービス体制についてのリリース。
有料サービスの拡充を謳う一方、国内線普通席については4月1日以降のドリンク無料サービスを飲料水と日本茶のみとするとなっています。

国内線・国際線のいずれにおいても、日本の航空会社では座席クラスを問わずソフトドリンクの無料サービスが当たり前の存在でした。それも必ず数種類の中から自由に選ぶことが出来るのが一般的。温かいコーヒーや紅茶、お茶などはもちろん、冷たいオレンジジュースや航空会社オリジナルのジュースなどが用意されており、機内では水平飛行に移った段階でCA(キャビンアテンダント)から供されてきました。

しかし、こうした常識は過去のものになるようです。好みのドリンクを欲する場合は、予め空港の出発待合ロビーにある売店や自動販売機で乗客おのおのが購入して機内に持ち込む必要が出てきそうです。

これもやはりコスト削減の一環なのでしょう。また、重量物であるドリンクや紙コップの機内積込量を減らせるので、燃費向上効果も期待されているかもしれません。

ここ最近、航空各社は涙ぐましいコスト削減アイディアを実行に移しています。燃料消費量の削減に直結する搭載物重量削減にあたっては、ワインボトルを瓶からペットボトルに切り替えたり、機内食用の食器類を軽量な物に差し替えたり。
しかし、まだこれらは直接的なサービス低下にならないだけマシな方であると言えるでしょう。

今回の国内線普通席における無料ドリンクサービス縮小は、知らずに搭乗すると明らかにサービス低下と思われる可能性があります。さらに「ANA(全日空)」では1月4日から国内線普通席の新聞サービスも廃止しています。こちらもこれまでの感覚では『あって当然』のサービスだっただけに、サービス中止を知って驚いた方も多いのではないでしょうか。

そしてひとつのキーワードと言えるのが乗客の利用運賃による明確なサービス差別化。
無料ドリンクサービスの縮小も、新聞サービスの廃止も、これらは普通席に限ったことであり、上級クラスとなる「プレミアムクラス」では従来通り継続されていく模様です。

より安い運賃を提供する代わりにサービスを縮小。一方では高額な運賃に見合うだけのサービスを提供。これらはユーザーが求めるニーズに的確に対応している結果であるとも見えます。
しかし、ならば普通席の運賃は複雑な割引体系を最安値に一本化するくらいの明確さが必要。普通運賃と早期購入割引では価格に倍程度の違いがありますが、あくまでも同じ普通席という括りでサービスは縮小されてしまいます。ならば普通運賃をもっと値下げして欲しくなるのが乗客としては当たり前の感覚に思えます。

4月以降は機内の雰囲気もちょっと変わりそうな今回のサービス内容変更。知らずに乗って違和感を覚える乗客の方が続出するのではないかと予想しますが・・・。
 
Posted at 2010/02/09 22:03:17 | コメント(1) | トラックバック(0) | 航空・鉄道・海運 | 日記
2010年01月25日 イイね!

3年半ぶりの体験

3年半ぶりの体験今日は午前中から所用で外出。
用事そのものはそれほど難しいものでもないのですが、私にとっては非常に"珍しい体験"をする予定になっていました。

往路は事務所から車で。
そして問題は帰り道、電車に乗って都内から事務所まで帰って来たのです。

このブログをご覧いただいても分かるように、私は住所的に東京都民でありながら、滅多に電車に乗る機会がありません。"通勤"というものには無縁の生活ですし、年間数多くある出張もほとんどは車を使っています。もちろん都内に所用で出かける機会もありますが、最近では車を使ってばかりで電車というものは縁遠い存在です。

今日は京浜東北線と横浜線を使いましたが、もともとサラリーマンをしていた頃にも京浜東北線はあまり乗った経験がなく。なんとなく通勤でその昔使っていた東急田園都市線に久しぶりに乗ってみようかとも思いましたが、少々遠回りになってしまうのでJRを乗り継ぐルートを選択。
それこそ2001年までサラリーマンをしていた当時は、基本的に毎日が電車通勤。朝はやや一般的な基準よりも遅めの出社だったので混雑も酷くありませんでしたが、帰りはタイミングが悪いとギュウギュウ詰め。それでも人間慣れてしまうもので、なんとなく車両の中で居心地のよい空間を見つけ出してしまうものです。

私が電車通勤していた頃と大きく変わったのは、電車賃の支払い方法。
昔は現金で切符を買うか、定期券を使うかくらいの選択肢でしたが、今では「Suica」や「PASMO」といった電子マネー決済が当たり前。
それもカードのみならず、携帯電話を用いても、自動改札機に「ピピッ」とするだけで乗れてしまうのですから、本当に便利になったものです。

ところが、何しろ日頃は電車に乗らない身ゆえに、こうした電子マネー決済を出来るカードを持ち合わせていません。
前夜に調べてみると、「モバイルSuica」は簡単な手続きで利用できそうでしたが、使う使わないに関わらず1,000円の年会費が必要とのこと。
数年に一度しか電車を利用しない身としては、さすがに1,000円とはいってもこの年会費が無駄に思えてならないので、結局は古典的に駅の券売機で現金を用いて切符を買っての乗車と相成りました。

そして、このエントリを書くにあたって気になったのが、「果たして自分が最後に電車に乗ったのはいつ?」ということ。
海外では昨年、中国を訪れた時に上海のリニアモーターカーに乗車しました。

では日本ではいつが最後だったのかブログを振り返ってみると、直近では2008年9月に和歌山電鐵を利用していました。しかしこれはメディアでもお馴染みの"たま駅長"に会いに行くための乗車で、観光要素の強いもの。
続けて振り返るとその前は2007年8月、今度は富山ライトレール富山地方鉄道で、いずれも路面電車でした。こちらもメディアで何かと話題になっていた路面電車を活用した街づくりの現場を見たくての乗車、いずれも「電車に乗るための乗車」だったのです。

では純粋に移動手段として最後に乗ったのは・・・。
更に一年遡った2006年の6月、購入した三菱ランサーエボリューションVII GT-Aを引き取りにいった時に電車を利用したのが最後でした。

ということで、今日は約3年半ぶりに近所での電車利用となった一日だったのです。
 
Posted at 2010/01/26 20:47:10 | コメント(1) | トラックバック(0) | 航空・鉄道・海運 | 日記
2010年01月19日 イイね!

これが正しい税金の使い道?

これが正しい税金の使い道?昨年から何かと伝えられてきた「JAL(日本航空)」の経営危機。

同社と金融機関、そして所轄官庁である国土交通省が協議を進めてきていましたが、ついに"Xデー"がやってきました。

●日航、会社更生法を申請 再生機構が支援を決定
asahi.com (朝日新聞)  2010年1月19日 20時34分

日本航空、日本航空インターナショナル、ジャルキャピタルという三社が更生法を申請、合計の負債総額はおよそ2兆3221億8100万円。バブル経済崩壊の影響によって破綻した金融関連を除く一般企業としては、戦後最大規模の倒産劇となりました。

ここ数年は世界的に航空会社の再編が進んでいます。
特に航空自由化が早い段階で行われたアメリカでは、2002年にユナイテッド航空、2005年にはデルタ航空が破綻。両社ともに経営再建を行い、デルタ航空については既に再建を完了しています。
欧州に目を移しても、フランスを代表するエールフランスと、オランダのナショナルフラッグシップキャリアであるKLMオランダ航空が2004年に経営統合を実現。
世界的な競争の激化に加えて、米同時多発テロなどによる航空需要の急減、原油価格の高騰といった世界の航空業界に対する逆風は、まだ止んでいないようです。

そして今回の「JAL(日本航空)」の破綻劇。
その過程にについては色々な意見があるでしょうが、個人的には"会社の体質に大きな要因がある"と思っています。

JAL(日本航空)」の誕生は1951年。第二次世界大戦で敗戦国となった日本が、サンフランシスコ講和条約の発効などによりようやく自前の航空会社を持てるようになり、日本航空株式会社法を根拠法とした特殊会社として発足しました。

以降、名実ともに日本のフラッグシップキャリアとして国際線を中心にネットワークを拡充。国の運輸行政方針として日本航空は国際線を中心に国内主要幹線の一部まで、全日空は国内主要幹線を中心にローカル線の一部まで、東亜国内航空はローカル線を中心に国内主要幹線の一部までという、航空三社の棲み分けがなされてきました。これが俗に言う「45/47体制」であり、過当競争をある程度抑制することで国内航空産業の健全な発展を促すというものでした。

しかし、こうした行政の介入は弊害も招くことに。
さらに1982年2月の羽田沖、3年後の1985年8月には群馬山中へのジャンボ機と大きな犠牲を伴う墜落事故を「JAL(日本航空)」はおこしてしまいます。これら事故の要因を調べる過程では複雑な労使関係など会社の体質にも問題があることが公になり、これも背景に「45/47体制」は見直されることとなりました。

この"自由化第一弾"により、国内では複数の航空会社が路線を運航する"ダブルトラッキング"や"トリプルトラッキング"が増え、幹線を中心に航空運賃の引き下げやサービスレベルの向上につながりました。
ただし一方で、バブル景気などの影響もあり、地方にも空港が"雨後の筍"の如く造られ、採算性が疑問視される路線にも航空各社は路線開設をしてきました。

その後、近年になって"自由化第二弾"の波が到来、新興航空会社が産声をあげて特に主要幹線の競争はますます激しさを増しました。対抗措置としてはマイレージサービスなどによる顧客囲い込みを行うなど、1987年に特殊会社から民営化された「JAL(日本航空)」も競争の荒波に揉まれていきます。
また、財務体質が厳しかった日本エアシステムを合併、新生・日本航空が誕生。持ち株会社の下に運航コストを低減させたグループ会社を持つなどして市場競争力を確保しようとしましたが、結果的には破綻という事態を迎えました。


長々と私なりにこれまでの経緯を解説してみましたが、やはり私見として今回の破綻は「なるべくしてなった結果」という感じがします。
事実、日本航空の経営悪化がささやかれるようになったのは決して最近のことではありません。何度も再建計画を作ってきましたが、それが実効性に欠けていたからこの日を迎えてしまったわけです。

実は最も根底にある問題こそが、それこそ十年以上前から言われている「親方日の丸体質」にあるのではないでしょうか。
一人のユーザーとして見たとき、私は元々「日本エアシステム(旧・東亜国内航空)」を頻繁に使っていました。これは当時住んでいた北海道・帯広に唯一就航していた航空会社だったからなのですが、独占路線であっても垢抜けた雰囲気はないもののサービスの良さがとても気に入っていました。
当時も稀に日本航空や全日空に乗る機会はありましたが、なにかこうしっくりこない感じがしたものです。

それから年月を経て、仕事などで頻繁に飛行機を利用するようになると日本エアシステムが日本航空に合併されたことから、日本航空ユーザーになりました。
しかし、同じカラーリングでも明らかに路線によるサービスの差がありました。要するに旧・エアシステムの乗員と、プロパーの日本航空の乗員との差です。更に時間が経つに連れてエアシステムの良さは薄らいでいき、飛行機の中に限らずグランドサービスを含めて、なんとも利用客の立場を無視した対応が目につくようになりました。

なんだかんだあって今は全日空ユーザーに変わった私ですが、今後もお金を払って日本航空を利用することはないでしょう。
例えどれだけの税金を投入しても、腐ったものは元に戻りません。数千億円の公的資金を一民間企業に投入するという政策は愚の骨頂としか思えないですし、はっきり言えば無駄金に過ぎないと思います。
現・社長が記者会見で「最後のチャンス」と言ったそうですが、今までさんざんチャンスを無駄にしてきた、チャンスを得ようと努力してこなかった企業に明日はありません。
 
なぜ、全国・全世界をネットワークしている航空会社とはいえ、ここまでひとつの民間企業が手厚く保護されるのか理解に苦しみます。
1991年、アメリカのパン・アメリカン航空が破産しました。世界中に路線を開設、"パンナム"はアメリカの代名詞的な存在であり、国民にとっての存在感は日本におけるJAL以上のものがあったのではないかと思います。
そんなパンナムも、複雑な労使関係が破綻の背景にあったといいます。日本航空に"延命剤"として税金が投入されましたが、労働組合の面々はどのように思っているのでしょうか。
 
Posted at 2010/01/20 23:16:29 | コメント(0) | トラックバック(0) | 航空・鉄道・海運 | 日記

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各種取材やウェブサイトを中心とした制作業務を行なっています。 主なテリトリーは自動車/モータースポーツ、飛行機などの交通関係。 自動車は乗用車からトラッ...
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