2011年8月2日付のエントリにも記したように、部品欠落により正常な機能を有さなくなって保証修理を行った社用車2号機(
フォルクスワーゲン・パサート 2.0)のヘッドライトウォッシャー。
私にとってこの
フォルクスワーゲン・パサート 2.0は初めて所有するドイツ車ですが、装備面で言えばヘッドライトウォッシャーが備わる車に乗るのもこれが初めてのことです。
日本車ではまだまだ普及率は高くない装備ですが、近年は発熱量の少ないHIDやLEDのヘッドライトが増えてきたことから、ウォッシャーを備えるモデルも多く見かけるようになりました。その昔はウォッシャーのみならず、ヘッドライト表面の汚れを落とすためにワイパーを備えた車種もありましたが、やはり部品点数が増えてコストアップにつながることと、小さく特殊なワイパーゆえに補修用品としてのブレードが入手しにくいなどの面があり、現在はウォッシャーのみの装備がほとんどになってきています。
当然、ワイパーのようにレンズ表面を直接的に拭くわけではないですから、汚れや雪を落とすために高圧でウォッシャー液を吹きつけてやる必要が生じます。特に前述のようにHIDやLEDは発熱量が少なく、降雪時にはレンズ面に雪が付着してライト機能を著しく損なう可能性も高いため、雪を吹き飛ばすことまでを想定して最近のヘッドライトウォッシャーはかなり高圧で噴射されるようになってきています。
しかしながら、この装備の使用には十分な注意が必要とされるようになってきました。
写真は
フォルクスワーゲン・パサート 2.0でヘッドライトウォッシャーを使用した直後の状態。ボンネット一面はもちろん、フロントウィンドゥはおろか、ルーフ前端にまでウォッシャー液が飛び散っています。なかなか自分の車のヘッドライトウォッシャーが作動している場面を見る機会というのもありませんが、改めて確認するとその噴射が予想を超える勢いであることに誰もが驚くことでしょう。
これだけの噴射ですから、自分の車のみならず周囲にも相当飛び散ってしまうことになります。そうすると、どういう事態が想定されるか。
走行中、なんとなく窓の汚れやぶつかった虫などを取り去るために、ワイパーとともにウォッシャーを利用するという機会は少なくありません。これが町中の場合、意外とありそうなのが信号待ちの最中です。停止状態ですから心理的にも余裕がありますし、ワイパーやウォッシャーの作動で視界を一寸奪われたとしても危険性が無いため、停車中に窓の汚れが気になってワイパーとウォッシャーを作動させたことがある、というドライバーはとても多いのではないでしょうか。
しかし、世に出ているほとんどのヘッドライトウォッシャーは、フロントウィンドゥウォッシャーに連動して作動するようになっています。
例えば
フォルクスワーゲン・パサート 2.0の場合、取扱説明書を見ると「フロントウィンドゥウォッシャーの作動時にヘッドライトウォッシャーが同時作動、その後はフロントウィンドゥウォッシャー作動5回ごとにヘッドライトウォッシャーが1回作動」とありました。もちろんこの仕組みはエンジンオフでリセットとなりますので、結果的にエンジンをかけて最初にフロントウィンドゥウォッシャーを作動させた際には、もれなくヘッドライトウォッシャーも作動するということになります。
ヘッドライトウォッシャーを単体で作動させたり、作動そのものをキャンセルするスイッチはないので、ドライバーが意図しようがしまいが連動してしまうわけです。
そして写真にもある高圧での噴射。信号待ちなどで横にバイクが並んでいたり、狭い道で歩行者との距離が近かったとしたら、思わぬ迷惑を及ぼしてしまうどころか、相手が悪ければ厄介なトラブルにも発展しかねません。
日本の、特に東京が少々特殊な環境なのかもしれませんが、こうした事態を考えるとヘッドライトウォッシャーには単独作動スイッチか、作動そのものをキャンセル出来るスイッチを設けて、ドライバーが意図した時にだけ効果を生むようにしてほしいと思うのは私だけでしょうか。
ちょっとした知識があるユーザーならば、配線に手を加えて独自にスイッチを設けることは本来難しくないでしょう。ただ、最近の自動車は電子制御化が進んでいるので、電気配線にユーザー独自の改造を施すと、何らかの不具合が生じる可能性も高いのです。
つまりはメーカーの設計生産段階で検討してもらいたい内容なのですが、果たして日本車の場合は何らかの対応がなされていたりするのでしょうか?
Posted at 2011/08/26 20:37:39 | |
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フォルクスワーゲンパサート | 日記