
明日3日は節分。
恐らくはワイドショーで「東京や大阪の寺院や神社で行われる豆まき行事に芸能人の●×さんや、大相撲の▲■関、プロ野球の◆※選手が来ました」などという、「だからどうしたの?」的なニュースをこぞって取り上げるのでしょう。
ところで最近では節分といえば「豆まき」よりも「恵方巻き」の方が習慣として全国的に幅を効かせてきているような感じがしています。
節分を前にするとスーパーマーケットなどでは紙で作られた鬼の面がオマケについている豆が良く売られています。
しかし最近は、コンビニエンスストアを中心に「恵方巻き」を売り込む姿勢が強く感じられます。
いろいろな方のブログにも詳しく記されていますが、改めて「恵方巻き」についておさらいしてみます。
節分の夜、その年の縁起が良いとされる方角(恵方)に向かい、目を閉じて願い事を念じながら太巻きを食べるという習慣。食べている間は決して喋ってはならないそうです。
その歴史や源流には諸説あるようですが、大阪など関西方面が起源であることは間違いないようです。
商人たちが商売繁盛を祈願して始めたとか、花街の風習として生まれた、などの言い伝えがあるようです。
文献などの品としては1932年に大阪の鮓商組合が作ったチラシが残されているそうです。
そこには古くからの花柳界のしきたりであり、幸運を招くと書かれています。
元々のしきたりは別にして、このチラシは明らかに「寿司業界」の宣伝・拡販に「恵方巻き」を活用したことの証となっています。
その後は一時期、特に戦争の後はこの習慣も衰退します。
ところが1974年頃、大阪の海苔業界の組合が海苔の需要拡大を狙った販促活動として「恵方巻き」に注目。
太巻きの早喰い競争などというイベントも積極的に展開したことから、徐々に各地にこの風習が広まり始めました。
そして1989年、広島県の
セブン-イレブンが「恵方巻き」の販売を開始。
翌年以降は西日本各地に販売エリアを拡げ、1998年から全国での販売となりました。
ライバルチェーンも歩調を合わせ、それぞれのチェーンが全国展開を開始、積極的な広告展開や売り込みで「恵方巻き」は全国に知れ渡りました。
1970年代とは情報の伝わるスピードも全く違う2000年代。
全国均一に展開し商品を供給、テレビなどで広告展開を行うコンビニエンスストアチェーンが目をつけたことが「恵方巻き」の運命を決定づけたと言えるでしょう。
ちなみに私は北海道出身なので「恵方巻き」なる習慣には全く馴染みがありません。
うちの社員は山口県出身なので、こちらは「恵方巻き」は節分の習慣として認識しているようです。
では私も「恵方巻き」を食するか、といいますと、全くもって積極的に食してみようという気持ちにならないのが本音。
風習や習慣というのは土地土地で生まれ育まれるもので、商売的な要因で広められているものを「無理強い」されるつもりもありません。
もちろん拒絶するというのではなく、ごく自然に「食べたい」と思ったら店頭で手にとるとは思いますが。
地方の風習や文化も、情報伝達速度の高速化と全国ネットワーク企業の躍進(特に小売り・物流業界)で急速に全国展開する時代になりました。
とは言っても、まだまだその土地ならではの文化というものも根強く残っています。
特に信仰や宗教的な要素が入ったものは、全国にそうそう拡がるものでもないでしょう。
例えば北海道の場合、結婚式は「会費制」が当たり前。
最近、首都圏でも一部で会費制の結婚式を行うケースもあるようですが、まだまだ少数派。知人の結婚式があると「御祝儀はいくら包もうか」と頭を悩ませることが多いようです。
その点、北海道の「会費制」は、文字通り「会費」を払えばOK。出席する側も余計な精神的負担がないので、これになれると「御祝儀制度」は非常に厄介なものに感じてしまいます。
そしてもうひとつ、葬儀の香典について北海道では「領収証」をもらえます。
葬儀社が用意するのですが、受取人が「●×家」という名義の領収証があり、会社の代表などで参列した場合は領収証をもらって帰ります。
全国各地から人が集まって開拓された北海道、ゆえに一人一人の風習や習慣を尊重すると何も出来なくなってしまう事態に陥ったのでしょう。
そこで合理的な手法が編み出され、独自の風習・習慣として根付いているのだと思います。
個人的には結婚式は「会費制」がベストだと思うのですが・・・。
御祝儀の方が絶対的に金額が張りますし、女性の場合はさらに出席するにあたって衣装や美容院などなど、多額の出費が伴うでしょうから。
これが下手に「ジューンブライド」とか言って、一カ月に知り合いが2人も3人も結婚したら・・・。
※ちなみに写真は、私が育った北海道の帯広駅前です。
Posted at 2007/02/03 00:54:02 | |
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