
去る1月18日、
メルセデス-ベンツは新型となるCクラス(W204)の情報をリリースしました。
Cクラスは近年の系譜をたどると、1982年に誕生した
190シリーズ(W201)を源流としています。
W201は当時の
メルセデス-ベンツラインナップにおいてボトムレンジを担う位置づけとして登場。
日本流に言えば「5ナンバーサイズ」のボディで、価格的にも上級クラスよりも買い求めやすかったことと、小さく比較的安価ながらも上級シリーズに通じる設計哲学に基づいた品質や安全性の高さ、佇まいなどから人気を博しました。
この
W201は4ドアサルーンボディのみのラインナップでしたが、エンジンはいくつかのバリエーションがあり、日本でもガソリンエンジンに加えディーゼルエンジンも販売されました。
また、コスワースが手がけたDOHC・2500ccエンジンを搭載する高性能版やAMG仕様、モータースポーツ参戦のために設定された「エボリューションモデル」といったホットな仕様の存在も話題を集めました。
1993年に初めて「Cクラス」を名乗る
初代モデル(W202/S202)が登場。
ボディサイズは若干拡大されて日本では全車が「3ナンバー」となりましたが、まだ全幅は1720mmに留められていたので都市部での使い勝手もそれほどは悪化しなかったのではないでしょうか。
欧州車らしくモデルイヤーごとに改良を重ね、ミッションが5速化されるなど年を追うごとに完成度を高めていきます。
また、ステーションワゴンボディも追加され、その実用性の高さとセンスの良さから特に都市部のユーザーから好評を博しました。
2000年には
2代目モデル(W203/S203/CS203)にバトンタッチ。
瓢箪のようなヘッドライトを持つ独特の顔つきはデビュー当初に賛否両論が渦巻いたと記憶しています。
エンジンは初代同様に直列4気筒とV型6気筒をラインナップしていましたが、スーパーチャージャーを組み合わせたエンジンもラインナップ。
更に駆動方式もFRに加えてフルタイム4WD(4MATIC)が加えられました。
ボディ形状も4ドアセダン/ステーションワゴンのみならず、スポーツクーペも追加。
ディーゼルエンジンこそ日本への導入はありませんでしたが、全体的にラインナップが拡大されてユーザーの幅も拡がりました。
しかし、この頃から
メルセデス-ベンツは拡大路線を展開、Cクラスは最小セダンではあったものの、更に下のポジションにAクラスが誕生したことなどで、微妙にそのキャラクターにも変化が見られました。
長く、
メルセデス-ベンツを愛用していたユーザーの一部からは、大衆迎合的な出来ばえを批判する声も挙げられるようになります。
そして2007年、3代目となるCクラス(W204)が発表されました。
正式には3月に開催される「
ジュネーブモーターショー」でワールドプレミアが行われる予定とのことです。
現在発表されている内容では、ボディサイズは(L)4581mm×(W)1770mmで、W202/S202と比べて全長で55mm/全幅は42mm拡大されました。
ホイールベースは2760mmで、こちらは45mmの拡大。
最近何かと触れている全幅については初代Cクラスが1720mm、2代目が1730mmでしたから、やや思い切って拡げてきたという印象です。
全幅の闇雲な拡大は好ましくありませんが、ライバルにあたる「
BMW 3シリーズ」は1815mmという無駄と言われても仕方のない拡幅をしていますので、それよりはマシなのかもしれません。
見た目の第一印象は、W202/S202のヌルリとした感じのデザインから、直線基調のカッチリしたシェイプになったという感じ。
フェンダーの張り出しなどは控えめですが、後ろ上がりのショルダーラインなどを含めて
Sクラスとの共通性も感じられるデザインです。
エンジンは直列4気筒スーパーチャージャーが2種類と、V型6気筒3種類をラインナップ。
足回りにはアジリティコントロールサスペンションという、自動可変ダンパーが標準装備されるようです。
またステアリングギア比をアップさせ、スポーティなハンドリング性能を高めているとか。
日本仕様に関する詳細などはまだ明らかになっていませんが、時期的にはワールドプレミアから約半年遅れて、10月下旬に開幕する「
東京モーターショー」で日本でのお披露目が行われ、発売に至るのではないかと予想します。
果たして新しいCクラスはこのクラスのセダン造りにおける模範や先駆者であるのか、実際に触れる機会が来る日が楽しみですね。
ところで個人的にこのクラスの
メルセデス-ベンツというと、
190シリーズ(W201)に設定されていた「190E 2.3-16」に乗ったときのことを思い出します。
排気量2300ccの4気筒DOHCエンジンを搭載、コスワースの手が加えられて175psを発生するホットバージョンでした。
たまたま知り合いの車を数日お借りして運転したのですが、当時の国産1800cc~2000ccクラスの車とは全く異なる剛性感やハンドリングに驚いたものです。動力性能やハンドリングについては高性能エンジンの分を差し引いて考えても、やはり車の基本的な造り込みが良いことによる安心感や安定性が際立っていました。
ふと距離計を見ると既に10万キロに達していました。しかしボディは至ってシャキッとしていました。
返却するときに「10万キロとは思えないですね」と感想を伝えると、「マメにメンテすれば長持ちするよ。ゴムや足回りとかも色々交換しているし。でもね、実はメーターは7万km戻っているけど」。
・・・・・。
ということは17万km!
そうは思えないあのフィーリング、まさに「目からウロコ」としか言いようがありませんでした。
Posted at 2007/02/05 00:01:29 | |
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