
残念ながら2007年のスーパー耐久シリーズを締めくくる最終戦は、開幕戦と同様に悪天候の下で開催されました。
朝のフリー走行では雨こそ止んでいたものの、まだ濡れている路面にコースオープンと同時にコースインした「ゼルス・コラントッテEVOワゴン」がメインストレート入口でコンクリートウォールに激突してクラッシュ。
ドライバーに怪我が無かったのは幸いでしたが、いくら4WDと言えど全クラスを通じて唯一のスリックタイヤでのコースインは少々無謀だったことが結果に出た形となりました。
その後、雨は本格的に降り始めます。
ウェットコンディションの下で12時に500kmのレースがスタート。
スタート直後に2番手スタートの「黒豆リボイスGT3」がトップに立ってレースリーダーに。
ライバル勢も追い上げを図ってきますが、雨足が強くなるたびに都合3回のセーフティカー導入となった波乱の展開、最後のセーフティカーランを味方につけることにも成功して、第4戦・富士以来の今季2勝目を飾りました。
個人的には清水康弘選手の安定感がとても高くなっていることを感じます。富士で優勝した際にはコンビを組む竹内浩典選手が「先生がいいからだよ!」とコメントされましたが、確かに良好な師弟関係が清水選手の成長には大きな効果を産んでいるようです。
ST-2クラス勢は開幕戦仙台の再来、つまり総合優勝の可能性も一時は囁かれたものの、さすがに今回は総合4番手がクラス最上位。
そのポジションを獲得したのは「オーリンズ・ランサーEVO・MR」、遂に総合優勝で幕を開けた2007年を全勝、完全制覇のチャンピオンという称号を獲得しました。
とは言っても、安楽なレース展開ではありませんでした。序盤こそトップに立つも「RSオガワADVANランサー」との接触もあって後退、4番手までポジションをドロップ。
トップに立ったオガワランサーは接触時に破損したリアバンパーの修復を命じるオレンジディスク旗が提示されましたが、逆にこのピットインで合わせてルーティン作業を行なってコースへ復帰。
その後、2回目のセーフティカー導入で詰まった差をレース再開直後にオーリンズランサーが一気に逆転、木下隆之選手の2スティントから最後は中谷明彦選手へとリレーして堂々の完全制覇をなし遂げました。
ST-3クラスは優勝が「SABOTAGE Z」。
しかしこのレースを最も興奮させてくれたのは「FINA GSX ADVAN M3」の小林且雄選手でした。ランキング2位のM3は逆転タイトルを目指して雨中の力走。
ランキングリーダーの「カルラレーシング☆ings北海Z」が予選で後方グリッドに沈んだこともあり両者の戦いぶりが注目を集めます。
終盤、カルラは5位を走行。対するM3は優勝すれば逆転チャンピオンという状況になり、小林選手が猛追を披露。
最後は約3.25秒届かず2位でチェッカー、惜しくも逆転チャンピオンは成らなかったものの小林選手の好走は記憶に残るものでした。
ST-4クラスは、もてぎを2年連続で制覇している松本玲二選手がAドライバーをつとめる「TUBE FOUR TRUST GOCHI」が終始安定した走りを見せてウィニングチェッカー。松本選手は三年連続のもてぎ制覇となり、来年以降の記録更新に早くも期待が集まるところ。
そしてチャンピオン争いは「Honda Access ADVAN CIVIC」が得意の雨のレースで3位表彰台を獲得してタイトルを確定。デビューイヤーで堂々のシリーズチャンピオン獲得に、玉本秀幸選手/小林正吾選手/古橋譲選手も満面の笑顔を見せてくれました。
いろいろあった一年でしたが、こうして2007年のスーパー耐久シリーズも無事に閉幕。
個人的に振り返ってみると、複数台が絡む大きなクラッシュが目立った一年という印象もあり、安全性の確保とレーシングマナーの普及、参加ドライバーの一定以上のドライビングスキルを一層求める必要性を感じました。
また今年に限りませんが、やはり観客動員数の少なさが気がかり。また本来は多くの参加者がいるべきST-4クラスが衰退傾向にあることも気がかりなところですが、これらは別の機会に改めて触れてみたいと思います。
決勝終了後はホテルでシリーズ表彰式が開催されていましたが、今年は出席せずにサーキットを後にすることに。
夕食に立ち寄った
友部サービスエリアではなんとも変なレイアウトの席に社員嬢ともども案内されて、やや落ち着かない気分での食事。
その後も雨でしたが快調に移動して、例年よりも早い時間に東京に戻ってきて出張が終了しました。
Posted at 2007/11/14 14:49:22 | |
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