
今日は、私が今年最も楽しみにしていたモータースポーツ競技会の決勝日。
「
第54回 マカオグランプリ」。
1954年に産声をあげたこの大会は、今やアジアで最も長い歴史を誇るレース。ポルトガルから1999年に中華人民共和国に返還されたマカオは、日本人観光客にもお馴染みの香港から高速船で一時間ほどのロケーションにある半島と島で構成されるエリア。
レースは香港とを結ぶフェリー乗り場の近くにパドックやピットガレージ、コントロールタワーが設けられ、一般公道を封鎖した特設コースで競われます。
トップスピードをマークする幅の広い海側区間、そしてカジノでも有名なリスボアコーナーを右に入り、更にその先で右ターンをすると狭く路面のウネリも大きい山側区間に入ります。
公道レースですからエスケイプゾーンは皆無。小さなミスも命取りになる過酷なレースであり、時に大番狂わせも見られる一戦です。
大会中は四輪/二輪合わせていくつかのレースが行なわれますが、メインはフォーミュラ3(F3)と
WTCC(FIA世界ツーリングカー選手権)。
F3は各国のシリーズで上位の戦績をおさめたドライバーが一同に介する"F3世界一決定戦"という感じで、多くのドライバーがここからステップアップしてF1パイロットの座を掴んでもいます。
今年は日本人の若手に期待が集まっていましたが、塚越広大選手が準優勝、大嶋和也選手が3位を獲得して、F3が行なわれるようになって25年目にして初めて表彰台に2人の日本人ドライバーが立ちました。また優勝したオリバージャービス選手は今季の全日本F3選手権でシリーズ3位を獲得した選手であり、チームはTOM'S。
今回のマカオF3では日本のF3が世界的にも高いレベルであることが実証されました。
そして私が最も注目していたのが
WTCCの最終戦。
チャンピオン争いはBMWのアンディ・プリオール選手とセアトのイヴァン・ミューラー選手が同点トップで臨むという面白い展開になっていました。
予選で下位に沈んだプリオール選手に対して、2番手スタートだったミューラー選手。第1レース(シリーズ第21戦)はスタート早々にミューラー選手がトップに立って快走、方やプリオール選手は先行車を抜きあぐねて上位進出ならず。
誰もがミューラー選手に有利と見て初のタイトル獲得すら現実味を帯びたと思っていたことでしょう。
しかし、なんと残り2周を切った8周目に燃料系トラブルがミューラー選手のマシンを襲って万事休す。さらにファイナルラップで接触クラッシュがあり、終わってみればミューラー選手はノーポイント、プリオール選手は8位フィニッシュでポイントを加算したのみならず、第2レース(第22戦・最終戦)のポールポジションを獲得したのでした。
決勝後、短いインターバルがありますが、ミューラー選手のマシンは修復ならず第2レースには姿を見せませんでした。
トップでスタートしたプリオール選手は貫祿の走りで文句無しのポール・トゥ・ウィンを飾って一年を締めくくり、3年連続のドライバーズチャンピオンを獲得。マニュファクチャラーズタイトルも、これまた3年連続でBMWが勝ち取りました。
ちなみにWTCCが発足したのは3年前。すなわちここまでの歴史上、チャンピオンはドライバーはプリオール選手、マニュファクチャラーはBMWのみが唯一の存在となっているのです。
今季も史上最強のツーリングカードライバーという称号を得た両者。
しかし勝ち星ではシボレーのアラン・メニュ選手が最多でしたし、後半戦ではディーゼルターボエンジンを搭載したセアト勢の速さは驚異的なものでした。
またアルファロメオも第5戦/第6戦のバレンシア(スペイン)において、ジェームス・トンプソン選手がリバースグリッドやウェイトハンディが採用されている
WTCCでは難しいといわれる同日開催2レースをともに勝利するなど、2008年もプリオール選手が安泰とは言えない要素が沢山見えています。
既にBMWワークス勢は体制をそのままに2008年シーズンを迎えると発表されていますが、果たしてどのような戦いを見せてくれるのでしょうか。
この
WTCCは2008年10月26日に
岡山国際サーキットにおいて日本初開催されることになっています。
同日、北海道では
Rally JAPANが開催されており、2週前は
富士スピードウェイで
Formula 1(F1)が行なわれるという予定になっており、2008年の10月は日本のモータースポーツファンにとってとても楽しみなものとなりそうです。
同一国でFIA選手権イベントが3つ、同じ月に開催される。
その中でも、日本初上陸の
WTCCは必見の一戦です。日本のレースではまずお目にかかれない超接近戦は、特に
岡山国際サーキットが舞台ということで観客の誰もがその迫力を堪能することになるでしょう。
また、
ADVANレーシングタイヤがワンメイク指定されているので、タイヤにとっても"凱旋レース"という感じになります。
ちなみに私は、既にこのレースウィークの岡山の宿は手配しました・・・。
残念ながら今回の「
マカオグランプリ」に行くことは叶わなかったので、来年の
岡山国際サーキットはどんな事があっても行くつもりです!
Posted at 2007/11/21 04:37:59 | |
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