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7月に「北海道洞爺湖サミット」が開催されたことや、石油製品の価格上昇などを背景に、"エコロジー"への注目が一段と高まっています。

企業活動においては全社的な取り組みとして展開しているところも多く、多方面からのアプローチが試みられています。

製造業であれば製造過程における廃棄物の削減や省エネルギー化、環境汚染物質の排除など。製品そのものもエコロジーを前面にアピールするものが増えてきており、特に自動車関連産業においては車体そのものはもちろん、周辺部品・用品も多くがエコロジーを謳うようになりました。

また企業の取り組みとしては例えばエアコンの温度設定や照明機材の配置見直しなどによる省電力化などもエコロジーな取り組みとして紹介されています。もっともこちらについてはコスト削減効果が主な目的ではないかとも思われていますが。

動機はどうあれ、地球環境保護を考えて活動することは大切なことであり、特に企業体がそのような活動をすることは効果も大きなものを期待できます。

そして企業はこうした環境貢献活動を自社のイメージ向上のために広報宣伝活動にも利用していきます。

しかし、その中には少々首を傾けたくなるような内容も少なくありません。

例えば写真の飛行機。JAL(日本航空)が6月から就航させている特別塗装の"JALエコジェット"です。ご覧のように通常は赤で彩られる尾翼が緑の特別仕様になっています。

この機材は4月に同社が行なった「JAL 空のエコ 宣言」の一環。
ですが、その内容は特に真新しいものは無いという印象で、JR東海が展開している新幹線での「エコ出張キャンペーン」に対抗する苦肉の策、という印象も抱いてしまいました。

いっそのこと中途半端な特別塗装にするくらいなら、重量軽減による燃費向上効果や塗料を使わないことのメリットがある"無塗装仕様"のエコジェットを作った方が良かったような気もします。

とは言っても、このJAL(日本航空)のエコ訴求などは、別に"嫌悪感"を抱くほどの内容ではないのでまだ良い方。

巷でも密かに(？)話題の、トヨタ自動車の「エコ替え」キャンペーンは、近年稀に見る失策という感じがしています。

元々、エアコンや冷蔵庫といった家電業界では省エネルギー効果の大きい新型への買い換えを謳うキャンペーンは珍しいことではありませんでした。こうした家電業界の取り組みには消費者側も特に強い不快感を覚えることはなかったと思います。
なぜなら消費者側に電気代節約効果が分かりやすく、かつ十年以上は使うことになる耐久消費財であることから、消費者にとってもメリットを得やすいというものでした。

しかし価格が桁違いになる自動車の場合は･･･。
さらに今回の展開は、どうにも"企業エゴ"を感じるもので、消費者に好意的に迎えられたようには思えません。
こんなキャンペーンをやるくらいなら、エコドライブの普及啓蒙活動にでも力を入れた方が企業イメージの向上につながったような気がするのですが･･･。

おそらくは大手広告代理店の発案なのでしょうが、今回の件はマーケティングの失敗例に数えてもいいような気がします。