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昨日まで三日間滞在した北海道・函館市。
10年前まで"道民"だった自分にとっては初めて訪れた地というわけではありませんが、今回滞在して改めて発見できたことがありました。

それは、観光客として訪ねた者を受け入れてくれる「おもてなしの心」に溢れている地であるということ。

なにかと全国各地を訪れている身として、函館市の観光客受け入れ体制はハード／ソフトの両面ともに高いレベルにあるという印象を受けました。

まず訪れる前のリサーチ段階から、その姿勢を感じることが出来ます。
今の時代はインターネットを活用して訪問先の情報を得ることが当たり前のようになっていますが、この点で函館市の情報発信は高いレベルにあると感じます。

市の観光案内や観光協会などの公的団体が、多数ある観光スポットについて詳しい情報を発信しています。
さらにモデルコースがいくつも提案されていたりして、初めての訪問でも事前にしっかりとしたリサーチが出来るでしょう。

さらに観光でも便利に使える地元の足、路面電車についても交通局のウェブサイトが充実しています。体裁こそ手作り感満点のサイトですが、掲載されている情報はとてもしっかりしたものです。路線図や料金、停留所近辺のスポット、乗り換え方法を含めた乗車の仕方など、欲しい情報が的確に見つかります。
観光ガイド的な路線マップをダウンロードしてプリント出来るのも良いですね。

こうした外に対する情報発信は、地域によって温度差があります。
私としては、貿易などが盛んだった港町や、昔からお遍路さんなどが多数訪れてきた四国のような、地元以外からの来訪者が多かった歴史のある地域ほど充実しているという印象があります。


さらに今回宿泊したホテルにも「おもてなし」を感じることが。
ハードウェアは文句無しのホテルなのですが、昨年夏に宿泊した時よりもフロントの応対が格段にスピーディかつレベルアップしていました。

そして発見したのが部屋の備品に見る「おもてなし」。
このホテルは天然温泉大浴場があるのですが、そこを使う際には部屋に備え付けのタオルを持参するように案内されています。

これは浴場を備えるホテルでは当然の対応ですが、部屋で使う分とは別に、浴場に持っていくためのバスタオルとフェイスタオルが一式用意されています。
これだけでも親切な方ですが、さらになんとタオルや着替え、洗面用具などを持っていける様にお洒落なバスケットまで用意されているのです。
こうした"ちょっとした気遣い"は、とても嬉しいところですね。


こうして見ていくうちに、同じ北海道ということで私が生まれ育った十勝地方と無意識のうちに比較していました。
そうすると、なんとも十勝地方の「おもてなしの心の無さ」にガッカリします。

対外的な情報発信が非常に少ない。これは観光協会などのサイトを比較すれば一目瞭然です。
旅先の足についても十勝は圧倒的な車社会という背景がありますが、例えばバスでちょっと近郊を巡ろうとしても欲しい情報が不足しています。
せっかくの観光資源を活かしきれていないとしか言いようがありません。

更にホテルにしても、地元資本のホテルは一部を除いてサービスレベルが非常に低いといわざるを得ません。
私自身、帯広市内の地場系ホテルで"あり得ない応対"をされて憤慨した経験があります。

交通インフラの発達に加えて、情報伝達もインターネットの普及によって"速く・広く"なりました。

街の魅力というのは一歩外に出て客観的に見て再検討する必要性があるものだと
強く感じるに至った次第です。