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2009年03月11日 イイね!

"モータースポーツ文化"の舞台

"モータースポーツ文化"の舞台昨日、モータースポーツ業界をひとつのニュースが駆けめぐりました。

こんなご時世ですから決して明るい話題ではなかったのが残念ですが・・・。

●モーターパーク自己破産へ 負債100億円超 管内最大
WEB TOKACHI (十勝毎日新聞)  2008年3月10日 13時18分

北海道唯一の国際格式サーキット「十勝インターナショナルスピードウェイ」を所有する"十勝モーターパーク株式会社"が、自己破産による会社整理の方針を固めたという第一報です。

日本で唯一の24時間耐久レース「十勝24時間レース」を開催していることで知られる同サーキットは、1993年5月5日にグランドオープン。


このニュースは翌日以降も続報が伝えられています。

●会社整理へ調査 モーターパーク 取締役会当面の事業未定
WEB TOKACHI (十勝毎日新聞)  2008年3月11日 18時23分

●更別・十勝モーターパーク 負債105億円、整理へ
北海道新聞  2008年3月12日 8時14分

こうした情報が伝えられたことで、一部には"サーキットが閉鎖される"とか"十勝24時間レースが開催されない"などという憶測も流れているようです。


同コースは私自身がグランドオープン当時から職員として勤めたところでもあるので、とても気になるところ。
あまり不用意なことを書くことは出来ませんが、報道にもある内容で重要な部分が関係者の皆さんには余り伝わっていないようなので、あえて記すことにします。


まず現状、同サーキットはコース所有者と運営者が別々の会社です。
今回の報道で"会社整理"を伝えられているのは所有者側。要するに"大家さん"の経営が厳しくなったということであり、"店子"である運営者側は健全経営が続いています。

要するに莫大な費用をかけて施設を建設した際の負債が積もり積もって、経営を難しくしたというのが現時点での状況。

会社整理については第一報では"破産法"の適用と伝えられましたが、翌日の報道では他の方法も含めて検討が進められるということになったとされています。


サーキット運営側としては"大家さん"の問題なので、今のところは静観している模様。運営側は経営状態が健全なので、夏期コースオープンに向けて粛々と準備を進めているとのことです。

今後の展開によっては最悪の自体も考えられるわけですが、あくまでも個人的な推測としては早々にサーキットが閉鎖されるような事態にはならないのではないかと思います。

これまでにもバブル崩壊以降、国内のサーキットではいくつかの運営形態転換事例が存在しています。

「オートポリス」は開設当初の運営会社が破産。地元自治体の尽力によって第三セクターを設立して運営を継続、その後は川崎重工業が買収して現在も存続しています。

「TIサーキット・英田」は親会社が民事再生を申請、後に会社更生に申請を切り換えて適用され、ユニマットホールディングスが経営支援に名乗りをあげました。
その結果、名称を「岡山国際サーキット」と改めて現在もグループ傘下として施設は存続、日本で初めてWTCC(FIA世界ツーリングカー選手権)を開催するなど活況を見せています。

「仙台ハイランドレースウェイ」は親会社が民事再生手続きを申請して自主再建を進めることになりましたが、サーキット施設は新たに設立された運営会社に委ねられて現在も存続しています。

唯一、消滅してしまったのが「MINEサーキット」。やはり親会社が民事再生手続きを申請して事実上倒産。
コースは大手玩具メーカーの系列会社に譲渡されて運営を継続しましたが、後に不採算部門整理の対象とされて自動車メーカーに売却され、テストコースになりました。このためサーキット場としての営業は終了してしまいました。


このように厳しい状況を生き延びたサーキットコースが多くあり、どれもが努力を重ねて現在も営業を続け、地元のモータースポーツ振興に大きく貢献しています。

もちろん世界的な経済情勢の悪化を見る限り、前途が多難であろうことは容易に想像がつきます。

しかし「十勝インターナショナルスピードウェイ」については公認レースのほかにも、今や全国のサーキットなどで開催されるようになった"ママチャリ耐久レース"を生み出したり、"草レースイベント"が活性化しているなど、明るい材料も少なくないように思えます。

そして何より、シンボリックな存在でもある「十勝24時間レース」。
現状、国内のサーキットで24時間耐久レースを開催できるのは当地だけではないかと思います。
そしてモータースポーツ全体を見たときに、"文化"としての存在価値が高いのは、すっかり商業主義&政治的駆け引きが色濃くなったF1でもWRCでもなく、地域一帯となって開催される"市街地レース"と、丸一昼夜を戦い抜くという"戦いの原点"とも言える"24時間耐久レース"ではないかと思います。

少なからずその歴史の一部に携わり、ここをキッカケにしてモータースポーツの世界で現在も仕事をしている私にとっては、是が非でも施設が継続されて、より"24時間レース"が定着していくことを願ってやみません。
 
Posted at 2009/03/13 06:44:33 | コメント(1) | トラックバック(0) | モータースポーツ | 日記

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各種取材やウェブサイトを中心とした制作業務を行なっています。 主なテリトリーは自動車/モータースポーツ、飛行機などの交通関係。 自動車は乗用車からトラッ...
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