
"不思議体験シリーズ"の第三弾。
第一弾でご紹介した高校時代の不思議体験、その続編とも言える第二弾の"ちょっとマヌケな話"に続いては北海道・十勝在住中、就職してからの体験について書いてみます。
それは蒸し暑い夏の夜。
たまたま、自分が所有しているものとは別の車を数日間に渡って預かり、自由に使えるという機会がありました。
車種はLクラスの国産4ドアセダン、当時デビュー間もないニューモデル。この機会をみすみす放っておく筈は無く、仕事が休みの前夜にちょっとした"夜のドライブ"に出かけることにしました。
私と、友人のカップル1組、合計3人で19時くらいからドライブがスタート。
車を淡々と東方向、具体的には釧路方向へと走ります。国道38号を走って十勝管内を抜けて釧路地域へ。外はすっかり暗くなっていますが、北海道の夏にしては珍しい蒸し暑く寝苦しい夜といった感じ。もっとも車内はエアコンが効いているので快適そのもの、後席に座っている男友達の希望でプロ野球を生中継しているラジオをかけています。
そして、ある交差点で赤信号にひっかかってストップ。
実はどこまで行って引き返えそうかを考えていたのですが、なかなかタイミングを掴めないままにこの交差点までやってきていました。
そこで単純にUターンするのもつまらないので、この信号から内陸方面に移動してみることに。
この当時もまだカーナビゲーションは普及が始まった"創世記"と言える時期で、まだまだ一般的な装備ではありませんでした。
乗っていたのは国産Lクラスセダン、今では当然のようにカーナビが装着されていて然るべき車種なのですが、この時の車には装備がありませんでした。
そんな背景もあり、実は私はこの交差点を別の交差点と勘違いしていたのです。内陸側に入って、来た道とは別のルートも使って帰ろうとしたのですが、曲がるべきポイントはここではありませんでした。
そのことは国道を逸れて数分で気づきました。しかし、この先がどうなっているのかも気になったのでそのまま前進することに。
すると、国道から5kmほど走ったところで、進行方向を横切る"何か"が。その正体は"黒猫"だったのですが、周りに人家はなくちょっとその存在自体が唐突な感じ。
さらに進むと小さな集落が。既に22時近くということもあり、商店や郵便局などの灯も消えていて寂しい雰囲気です。
その集落を抜けようとしたとき、突然バケツをひっくり返したかのような豪雨が。
ワイパーを動かしますがLOモードでは追いつかず、HIモードで動作させたほどのスコールでした。
1kmも走ったでしょうか、先程までの雨は嘘のようにピタリ止み、集落は終わって人気のない一本道が再び続きます。
そして集落から3~4km進んだあたりでしょうか、道路は舗装から砂利へと変化。砂利道に入ってさすがにこの先の様子に不安も出てきたので車を一旦止めることに。
ふと見上げると高圧電線が宙を走っており、開いた窓からは水の流れる音が聞こえています。
川が近いということなのでしょうが、私がその昔に見たローカル情報番組の心霊コーナーでは「幽体は高圧電線や水のあるところに集まりやすい」と言っていたのを思い出しました。
「・・・、ここって幽霊が集まる条件にピッタリだな~。」
テレビの話を同乗していた2人に言うと、助手席の彼女は「止めてくださいよ~」とまだまだ余裕の笑顔でしたが、後席の彼氏はこの手の話が苦手なようで「帰りましょうよ・・・」とつぶやいています。
すると、それまで野球中継が聞こえてきていたラジオのノイズが突然激しくなり、中継が全く聞こえなくなってしまいました。
余りに突然の出来事、しばし言葉を失いましたが、なんとなくいやな空気が流れはじめています。
「帰ろうか。」
この私の一言に、後席の彼氏はもちろん、助手席の彼女も安堵した様子。
再び舗装路に戻り、やって来た一本道を引き返します。
件のラジオは道が舗装になるとノイズが消え去って野球中継がクリアに聞こえるようになりました。
小さな集落を超え、今度は黒猫に横切られることもなく、国道との交差点に到着。行きの車内では話しっぱなしだったのですが、なんとなく嫌な空気を感じたせいでしょうか、国道の交差点までほとんど車内は無言の状態でした。
「あ~、良かった。」
国道の交差点で信号待ちのために止まると、後席の彼氏が本音を漏らしました。
しかし、私はこの瞬間、あることに気づいてしまったのです。
私 : 「さっき、雨が降ったよね。」
彼氏 : 「ビックリしましたよ、あのスコール。」
彼女 : 「なんか、南の島みたいでしたね~。」
二人とも、雨が降ったことは覚えていました。
私 : 「でもさ、帰り道は全く濡れていなかったね。」
こう答えると、二人は"ハッ"とした表情を見せて無言に。
そう、ワイパーをHIモードにするほどの大雨が降り、その場所を再び通ったのはせいぜい15分~20分後のこと。
どんなに排水性の良い舗装や地盤であっても、とても完全なドライコンディションに戻れるとは思えません。
まして、フロントウィンドゥにはクッキリとワイパーが作動した跡が残っているのですから。
不思議な空気に包まれたエリアに迷い込もうとしていた私たちに対して、あの雨や黒猫は"警告"を発していたということなのでしょうか・・・。
Posted at 2009/08/21 02:40:33 | |
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