
先日エンジンオイル交換をした話題のエントリを記したときにも触れましたが、ウチの社用車1号機(
日産フーガ 350XV)は間もなくオドメーターに12万kmを刻もうとしています。
2004年式ということで現行のY50型がデビューした当初のモデル。
2007年の夏に当方がユーズドカーとして購入した段階ではオドメーターはまだ3万kmに達していませんでしたが、ウチにやってきてこき使われており、およそ2年の間に9万kmほどを走りました。
そしてこの秋は新規登録から2回目となる継続検査(車検)を迎えます。
先日ディーラーを訪れた際には車検費用の概算見積もりもしていただきましたが、時を同じくして二代目となるフーガの全貌も明らかになってきました。
走行距離を考えれば代替してもおかしくないところですが、まず私としては次期型についてスペック面で少々不満があります。
それはボディサイズの拡大。次期モデルのプロフィールは全長4945mm(+115mm)×全幅1845mm(+50mm)×全高1500mm(-10mm)、ホイールベースは2900mm(±0mm)と公表されています。
カッコ内は私が所有している2004年型・350XVとの比較ですが、高さは若干低められたものの、長さと幅はひとまわり以上拡大されました。長さは4900mm、幅は遂に1800mmの壁をそれぞれ突破してしまったのです。
ちなみに同格の現行型・トヨタクラウンは全長4870mm×全幅1795mm×全高1470mm。サイズスペックだけ見ればフーガの方が"格上"という印象を持たれる方もいらっしゃるかもしれません。
またエンジンについても次期型フーガは大方の予想通り排気量をアップ、3,700ccのV型エンジンを搭載することになりました。これに組み合わされるトランスミッションは7速オートマチックであるとされています。
これらのプロフィールを見て、唯一好感を抱いたのはオートマチックの7速化。多段化すれば良いというものではないとは思っていますが、やはり現行の5速では特に燃費性能面でのハンディが大きいように感じています。
しかしこれ以外の変更については、すっかり私としては購入意欲を削がれるものばかりでした。
ボディサイズの拡大は北米市場重視の現れであり、かつシーマとの統合を睨んだモデルラインナップ戦略の具体化によるものでしょう。しかし、北米はもちろん日本のユーザーもボディの大型化をそんなに望んでいるものなのでしょうか?
日本は特に長く"5ナンバー枠"が駐車場などのインフラに大きな影響を与えてきました。最近になって大型車対応の進んでいるタワーパーキングも増えつつはありますが、入庫を断念せざるを得ないところも少なくないですし、平面駐車場でも"お隣との間隔"が気になるケースは多いものです。
こうした点についてフーガは現行型もそうですが、北米のインフィニティチャンネルで販売されるモデルを優先して開発されている感があります。さらにガッカリしたのは50mmという全幅の拡大について、安全性の向上を大きく謳うのかと思いきや、どうやらデザイン要件から決定された数値であるという話があるのです。
確かに北米市場で激戦区となるLクラスセダンでは、ブランドアイデンティティが重視され、結果として一目で他車と差別化出来るデザインを追求する傾向が見られます。
しかし、お膝元の日本市場においては実質的に使いにくさが目立つばかりで、無用な幅の拡大はユーザーメリットに決してつながっていません。
その点、海外市場でのセールスも徐々に重視されはじめているとは言え、トヨタクラウンは1800mmの壁を13代目でも守り抜きました。これは伝統的なユーザーの声が反映された結果でもあると思いますが、初めて購入を検討するユーザーにとっても実用面で考えれば武器になり得るポイントです。
果たして自動車メーカーはサイズ拡大をどこまで続けるつもりなのでしょうか。
特に全幅については、今や日本市場では軽自動車の上にあたる普通車ではエントリークラスの小排気量モデルでさえも"5ナンバー枠いっぱい"という状況になっています。
恐竜の絶滅理由には自らの身体の肥大化が一説として挙げられますが、こと日本の自動車市場を見る限りは何か危ういものを感じざるを得ないような気がします。
関連エントリ >> 「マーケティング」 (2008年12月18日)
関連エントリ >> 「コンパクトカー」 (2007年1月19日)
Posted at 2009/10/16 22:31:57 | |
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