
昨日からプレスディがスタートしている「
第41回 東京モーターショー 2009」ですが、私はプレスディ2日目の今日になって初めて会場を訪れてみることにしました。
9時には既に開場していましたが、到着したのは11時頃。そして何より驚いたのは人の少なさでした。
テレビ局やインターネット媒体など特に速報性を求められるメディアを中心に、2日間のプレスディは初日の方が人出が多いことは容易に想像できました。しかしいくらなんでもここまで閑散としているとは予想以上です。
逆に言えば取材するには好都合。
空いているので会場内の移動も楽ですし、写真撮影もスムーズに出来ます。気になった展示についてはじっくりお話しをお聞きすることも出来ますし。
例えば写真は
三菱自動車工業が出展した「
Concept PX-MiEV」。
アウトランダー級のSUVボディには、プラグインハイブリッドシステムが組み合わされています。高い環境性能を謳う展示が多い今回のショーですが、この車で言えばブレーキにはブレンボが奢られていたり、駆動系には歴代ランサー・エボリューションで培われた技術もフィードバックされています。
いつもレースの現場でお世話になっている方から会場で直接お話しをお聞きできたのですが、こうした興味深い内容も各社ブースでは見て取ることが出来ます。
なお同社のブースには現行型アウトランダーの北米仕様フェイスをまとった右ハンドル車が展示されています。ランサー・エボリューションⅩを彷彿とさせるフロントフェイスは日本市場での導入は見送られるのではないかと言われていますが、もしかしたら市場の反応を探るためにこの顔つきで出展されているのかもしれません。
さて、既に伝えられている様に今回のショーは、自動車メーカーの出展は国内乗用車メーカーと僅か3社の外国メーカーのみ。もはや国際自動車ショーとは言えない有り様、会場を見渡しても前回よりも幕張メッセの使用スペースを減らしているのにも関わらず、まだ場所埋めに苦労したと思われる跡が見て取れます。
例えば特に脈絡を感じない車が並べられた休憩スペース。本来はメインホールの中で大きなブースが出ていそうな場所に、なんとなく各メーカーに「所蔵している車から何か貸して!」と急にお願いして貸し出されたような感じの車たちが並べられ、取り敢えずの休憩スペースが設けられています。
次に子供たちの書いた絵の展示。これは内容そのものはとてもホノボノとしていて良いものですが、従来であればメインホールに陣取るのではなく、渡り廊下などに展示されていた内容ではないかと思います。

また、実車のブースと匹敵する注目を集めていたのが、
タカラトミーの「トミカ&チョロQブース」。
実車のメーカー別に歴代のトミカやチョロQが展示されていますが、私にとっても懐かしいモデルがあったりで、じっくりと見入ってしまいました。
写真は同ブースに設けられた大がかりなジオラマ。市販の製品で造られたジオラマですが、奥に見える大きな庇のあるものはサーキットのグランドスタンド。屋根には
鈴鹿サーキットのロゴが入っていますが、確かにトミカたちが疾走しているコースも
鈴鹿サーキットのコースレイアウトを巧く再現しています。

もう少し「トミカ&チョロQブース」を紹介すると、ここにも実車メーカーのブースと同様に"参考出品車"がありました。
プリウスのパトロールカー仕様は、良く見るとルーフの赤色警光灯が点滅しているのがわかります。
実はこのトミカ、タイヤをまわす=走らせることで、灯がともる仕組みになっているのです。しかも電池は不要とのこと、将来的な市販化も考えられていいる様です。

パトカーのみならず、普通の車のモデルでも、ヘッドライトやテールライトが光る様になることで、なんとなく存在感も高まります。
ちなみに展示は透明のケースに入れられた状態で、車の車輪が接地している部分がゴムベルトになっており、それをケースについたハンドルをまわして動かす仕組みでした。
要するに"シャーシダイナモ"のような状態です。ハンドルはブースのスタッフが操作してくれましたが、なかなか体力を使ったのではないでしょうか(^^;。
こんな面白い展示もある「
第41回 東京モーターショー 2009」ですが、一方ではCOTY(日本カー・オブ・ザ・イヤー)の授賞式などもプレスディでは行なわれていました。
この社会的な価値が何もない、自動車ムラ社会の象徴の様なイベントが、ショー会場の中で大きな顔をしているのは不思議でなりません。
一応はCOTYの30周年とやらで歴代の受賞車が展示されていますから、懐かしい車を見る機会としては面白いかもしれません。しかし裏を返せば今見ても「どうしてこの車がイヤーカー?」と思えるものが少なくないわけで、わざわざ日本の自動車メディア業界の恥をさらしている様なものにも思えます。
また、今回のショーについてメディアの採り上げ方も、スポーツ系モデルを中心にしているのは相変わらず昭和的な感覚。電気自動車などの環境性能は確かに技術的要素が強いために一般向けの記事として造りにくいのかもしれませんが、スポーツ系コンセプトカーを持ち上げて「車の楽しさを若者にも再認識してもらえる」なんていう論調は、時代後れ以外の何ものでもないように思えます。
そんなこんなで今回の「
第41回 東京モーターショー 2009」についての取材は無事に終了。
11時という遅い時間に会場入り、昼食に小一時間を使った上で午後4時頃には取材が終了。それだけ展示台数が少なかったということです。
ちなみに帰り道、初めて
ポルシェの
パナメーラを見かけました。
視界に入ってきた瞬間、それこそショー会場では全く無かった「おおっ!」という驚きを覚えたのでした・・・。
Posted at 2009/10/24 19:04:43 | |
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