
勤労感謝の日となる11月23日は、この秋最後の三連休の最終日。紅葉狩りなどに出かけた行楽客で賑わった観光地も多かったようです。
ところで今年は、麻生前政権によって3月から実施されている「
ETC休日特別割引」の影響で、行楽の足に自家用車を選ぶ方が増えています。
この政策についての是非は別にして、単純に"自家用車による行楽需要の刺激"には効果的なようで、人気の観光地には県外ナンバーをつけた車が大挙して押し寄せたというところも少なくないようです。
もちろん行楽に限らず、大型連休や夏休みの帰省にも割安感のある自家用車での移動を選んだ人が多く、この期間中は全国の高速道路で近年稀に見るような激しい渋滞が頻発しました。この流れは当然、この年末年始の帰省ラッシュでも同様の展開が見込まれていますが、ちょっと注意が必要な部分もあります。
●年末年始の高速道路料金の割引について
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国土交通省・報道発表 2009年10月26日
原則的に土曜・日曜・祝祭日が対象とされてきた割引ですが、年末については交通集中による物流への悪影響を避けるために、適用カレンダーが変更されることになりそうです。
現時点で検討されているのは年内最後の週末となる12月26日(土)・27日(日)を適用除外日として年末の物流に配慮しつつ、年明けは元日の1月1日(金)・2日(土)・3日(日)に加えて、4日(月)と5日(火)も割引適用日とすることで交通の分散化を図ろうという内容です。
これによって一般的な休みのパターンで言えば、帰省ラッシュは割引適用外、Uターンラッシュは割引適用日の幅が拡がったということになります。もっとも26日に帰省して年明け3日にUターンを考えていた方にしてみれば、往路の割引が無くなることで交通費が増えてしまいます。しかし、一家揃っての帰省ともなれば、少なくとも復路のUターンで割引適用が受けられるのであれば、トータルでは鉄道や航空機よりも安価に交通費を抑えられるでしょうから、やはり自家用車を利用した年末年始の規制は例年以上に増えそうな気がします。
そこでひとつ気をつけていただきたいことが。
●交通事故 : スリップ事故で男性はねられ重傷-盛岡/岩手
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毎日jp(毎日新聞) 2009年11月19日・地方版
●凍結スリップ事故マップ : 事故防止へ北杜署が初作製/山梨
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毎日jp(毎日新聞) 2009年11月6日・地方版
既に北国からは雪の便りも届いていますが、それと合わせて残念ながら冬型交通事故のニュースも伝えられるようになってきました。
降雪時はもちろんですが、冬になると一見ただ濡れているだけのような黒い路面が実は凍結しているという「ブラックアイスバーン」などの現象も発生します。また道路の下を風が通って冷やされる橋梁部分や、日陰など局所的な路面凍結の危険性も高まります。
こうした状況に夏タイヤで乗り入れるのは自殺行為に等しいもの。
北国では冬になったら常識なのが"スタッドレスタイヤの装着"ですが、私の印象として特に首都圏の方は呆れるほど冬道の怖さを知らないのか軽視しているのか、平気で夏タイヤやオールシーズンタイヤのままで多少の降雪時でも車を運転しています。
数年に一度の首都圏での降雪時には、夏タイヤで身動き出来なくなったり事故を起こした車をあちこちで見かけます。長く北国で雪道を運転してきた身にしてみると、冬の降雪時や凍結の可能性がある路面に夏タイヤで赴くなどという行為そのものが無謀としか言いようがありません。
そして私が懸念しているのが、この年末年始休暇。
首都圏などから自家用車で帰省や行楽に出かけるという人の、果たして何割がスタッドレスタイヤを装着したり、タイヤチェーンなどの滑り止め装置を持参しているのでしょうか。
私の経験上、高速道路は除雪・融雪対応が非常に早いですが、それでも名神高速で雪の名所として知られる関が原周辺をはじめ、各地で降雪の可能性があります。
以前は中国道でチェーン規制がかかった道を走ったこともありますし、今年の正月明けには九州や関門橋周辺で降雪に出くわしたりもしました。こうした時でさえ、いかにも夏タイヤのままという車たちがフラフラと走っているのを見て怖さを覚えたものです。
東北や北陸・上信越などの降雪地域はもちろんですが、九州や四国、中国地方などでも充分に降雪や路面凍結の可能性はありますので、帰省や行楽で年末年始に運転されるという方は必ずスタッドレスタイヤの装着か、タイヤチェーンなどの携行をお願いしたいものです。
また、スタッドレスタイヤに交換したという方は、タイヤのコンディションチェックをお薦めします。傷の有無や摩耗状態の確認に加え、もし購入から4シーズン以上経っているようでしたら新品への買い換えた方がベター。溝が残っていてもゴムは径年劣化で硬化しますので性能低下は免れません。
チェーンなどを持参するという方は、お出かけの前に一度、実際に装着してみて装着方法などの確認をしておいた方が良いでしょう。そして実際に出かけた際に降雪の可能性がある場合は、早めの装着をお薦めします。夏タイヤの車がフラフラ走っているような高速道路上の路肩などで装着作業をするのは如何に危険なことか想像するのは簡単です。
ミニバンで家族揃って割安な帰省も良いですが、車両重量があり慣性の大きい車は滑り易い路面での挙動にとても神経を使います。そして、ひとつ間違えれば楽しい帰省や行楽が大惨事になりかねません。
デフレ社会の日本ですが、安心を買うコストまでケチるのは避けていただきたいと思います。
日産フーガ|スタッドレスタイヤ装着
日産フーガ|横浜ゴム ice GUARD BLACK iG20
Posted at 2009/11/26 03:27:39 | |
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