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2010年01月19日 イイね!

これが正しい税金の使い道?

これが正しい税金の使い道?昨年から何かと伝えられてきた「JAL(日本航空)」の経営危機。

同社と金融機関、そして所轄官庁である国土交通省が協議を進めてきていましたが、ついに"Xデー"がやってきました。

●日航、会社更生法を申請 再生機構が支援を決定
asahi.com (朝日新聞)  2010年1月19日 20時34分

日本航空、日本航空インターナショナル、ジャルキャピタルという三社が更生法を申請、合計の負債総額はおよそ2兆3221億8100万円。バブル経済崩壊の影響によって破綻した金融関連を除く一般企業としては、戦後最大規模の倒産劇となりました。

ここ数年は世界的に航空会社の再編が進んでいます。
特に航空自由化が早い段階で行われたアメリカでは、2002年にユナイテッド航空、2005年にはデルタ航空が破綻。両社ともに経営再建を行い、デルタ航空については既に再建を完了しています。
欧州に目を移しても、フランスを代表するエールフランスと、オランダのナショナルフラッグシップキャリアであるKLMオランダ航空が2004年に経営統合を実現。
世界的な競争の激化に加えて、米同時多発テロなどによる航空需要の急減、原油価格の高騰といった世界の航空業界に対する逆風は、まだ止んでいないようです。

そして今回の「JAL(日本航空)」の破綻劇。
その過程にについては色々な意見があるでしょうが、個人的には"会社の体質に大きな要因がある"と思っています。

JAL(日本航空)」の誕生は1951年。第二次世界大戦で敗戦国となった日本が、サンフランシスコ講和条約の発効などによりようやく自前の航空会社を持てるようになり、日本航空株式会社法を根拠法とした特殊会社として発足しました。

以降、名実ともに日本のフラッグシップキャリアとして国際線を中心にネットワークを拡充。国の運輸行政方針として日本航空は国際線を中心に国内主要幹線の一部まで、全日空は国内主要幹線を中心にローカル線の一部まで、東亜国内航空はローカル線を中心に国内主要幹線の一部までという、航空三社の棲み分けがなされてきました。これが俗に言う「45/47体制」であり、過当競争をある程度抑制することで国内航空産業の健全な発展を促すというものでした。

しかし、こうした行政の介入は弊害も招くことに。
さらに1982年2月の羽田沖、3年後の1985年8月には群馬山中へのジャンボ機と大きな犠牲を伴う墜落事故を「JAL(日本航空)」はおこしてしまいます。これら事故の要因を調べる過程では複雑な労使関係など会社の体質にも問題があることが公になり、これも背景に「45/47体制」は見直されることとなりました。

この"自由化第一弾"により、国内では複数の航空会社が路線を運航する"ダブルトラッキング"や"トリプルトラッキング"が増え、幹線を中心に航空運賃の引き下げやサービスレベルの向上につながりました。
ただし一方で、バブル景気などの影響もあり、地方にも空港が"雨後の筍"の如く造られ、採算性が疑問視される路線にも航空各社は路線開設をしてきました。

その後、近年になって"自由化第二弾"の波が到来、新興航空会社が産声をあげて特に主要幹線の競争はますます激しさを増しました。対抗措置としてはマイレージサービスなどによる顧客囲い込みを行うなど、1987年に特殊会社から民営化された「JAL(日本航空)」も競争の荒波に揉まれていきます。
また、財務体質が厳しかった日本エアシステムを合併、新生・日本航空が誕生。持ち株会社の下に運航コストを低減させたグループ会社を持つなどして市場競争力を確保しようとしましたが、結果的には破綻という事態を迎えました。


長々と私なりにこれまでの経緯を解説してみましたが、やはり私見として今回の破綻は「なるべくしてなった結果」という感じがします。
事実、日本航空の経営悪化がささやかれるようになったのは決して最近のことではありません。何度も再建計画を作ってきましたが、それが実効性に欠けていたからこの日を迎えてしまったわけです。

実は最も根底にある問題こそが、それこそ十年以上前から言われている「親方日の丸体質」にあるのではないでしょうか。
一人のユーザーとして見たとき、私は元々「日本エアシステム(旧・東亜国内航空)」を頻繁に使っていました。これは当時住んでいた北海道・帯広に唯一就航していた航空会社だったからなのですが、独占路線であっても垢抜けた雰囲気はないもののサービスの良さがとても気に入っていました。
当時も稀に日本航空や全日空に乗る機会はありましたが、なにかこうしっくりこない感じがしたものです。

それから年月を経て、仕事などで頻繁に飛行機を利用するようになると日本エアシステムが日本航空に合併されたことから、日本航空ユーザーになりました。
しかし、同じカラーリングでも明らかに路線によるサービスの差がありました。要するに旧・エアシステムの乗員と、プロパーの日本航空の乗員との差です。更に時間が経つに連れてエアシステムの良さは薄らいでいき、飛行機の中に限らずグランドサービスを含めて、なんとも利用客の立場を無視した対応が目につくようになりました。

なんだかんだあって今は全日空ユーザーに変わった私ですが、今後もお金を払って日本航空を利用することはないでしょう。
例えどれだけの税金を投入しても、腐ったものは元に戻りません。数千億円の公的資金を一民間企業に投入するという政策は愚の骨頂としか思えないですし、はっきり言えば無駄金に過ぎないと思います。
現・社長が記者会見で「最後のチャンス」と言ったそうですが、今までさんざんチャンスを無駄にしてきた、チャンスを得ようと努力してこなかった企業に明日はありません。
 
なぜ、全国・全世界をネットワークしている航空会社とはいえ、ここまでひとつの民間企業が手厚く保護されるのか理解に苦しみます。
1991年、アメリカのパン・アメリカン航空が破産しました。世界中に路線を開設、"パンナム"はアメリカの代名詞的な存在であり、国民にとっての存在感は日本におけるJAL以上のものがあったのではないかと思います。
そんなパンナムも、複雑な労使関係が破綻の背景にあったといいます。日本航空に"延命剤"として税金が投入されましたが、労働組合の面々はどのように思っているのでしょうか。
 
Posted at 2010/01/20 23:16:29 | コメント(0) | トラックバック(0) | 航空・鉄道・海運 | 日記

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