
カレンダーもいよいよお盆休みに入ることを告げ始めている8月最初の週末。
今年はETC休日特別割引の適用日が土曜と日曜のみとされたことから、全国各地の高速道路で激しい渋滞の発生が予想されています。しかしながら無料化された区間もあることですし、今年もマイカーで帰省や行楽に出かけるという方が多いことでしょう。
ところでこの時期、気をつけたいことといえば交通事故。
一瞬の不注意が大惨事を招く交通事故、例え小さな事故であっても当事者になってしまうと、せっかくの楽しい夏休みも台無しになってしまいます。
昨今はカーナビゲーションの普及に伴って全国どこでも安心してドライブ出来るようになりましたが、やはり不慣れな地に赴く機会の多いこの時期は、交通事故を起こさない・巻き込まれないように細心の注意を払いたいものです。
そんな中で気になるニュース。
●道内の車両単独、正面衝突事故 4割が居眠り運転 道警が初の調査
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Doshin web(北海道新聞) 2010年8月6日 16時01分
北海道警察が調べたところによると、過去3年に発生した車両単独や車両同士の正面衝突による死亡交通事故について、実にその4割は居眠り運転が原因だったというのです。
北海道は幅が広く交通量も少ない、いわゆる"走りやすい道"が大半。これが逆に注意力が散漫となる状態を引き起こしたり、最終的には居眠りへと繋がってしまうケースもあるということのようです。
発表内容を詳しくみると、都市間を結ぶ幹線道路の郊外区間で比較的直線主体の単調な路線で居眠りによる死亡事故が多発しています。
また発生時刻は13時から15時という昼下がりが圧倒的に多いのも特徴的。"寝る間を惜しんで深夜に走り、睡魔と戦った結果に居眠りをした"という事例よりも、"ごく普通に日中走り、お昼ご飯を食べてお腹も満たされたあとに、ついウトウトしてしまった"というケースの方が多いようです。
また、個人的には居眠り運転といってもドライバーが完全に眠ってしまったケースだけではなく、覚低状態に陥って事故に至ったケースも多いように思えます。
覚低状態とは目は覚めているものの脳の働きが低下して判断力や反応が鈍ってしまっている状態。単調な道でただアクセルを踏んで進んでいるような場合、視線の動きが少なくなることなどから覚低状態へと陥ってしまうと言われています。
北海道では、全く障害となるようなものが無さそうな見通しの良い直線道路での正面衝突や、十字路での出会い頭の衝突事故がとても多いという特徴があります。
この多くは、あまりにも走行しやすい環境に起因して、ドライバーの注意力や判断力が低下してしまったことによるものではないかと、私自身は思っているところです。
そもそも自動車の運転というのは、例えば鉄道や航空機と比較してみると個々の運転手に与えられた自由度が格段に大きいという特徴があります。交通法規にさえ従っていれば、好きな時に、好きな経路で、好きな場所へと、思いつくまま・気の向くままに走ることが出来ます。
そして運転中の操作や判断なども全ては個々の運転手に任されています。この自由度こそ自動車の魅力につながる部分ですが、これは逆に大きな責任が個々の運転者に求められるところでもあるのです。
私自身は航空機の操縦を多少かじった経験もありますが、鉄道や航空機の世界から自動車の運転に応用できることもあると考えています。
例えばこれらは公共交通機関ゆえに当たり前ですが、安全運行のために運行開始前と運行終了後に徹底した点検・確認が行われます。もちろん自動車でも事業用車両ではされていることですが、本来は自家用車も含めて全ての車に"運行前点検"が義務づけられています。しかしその実、果たしてどれだけのドライバーが愛車の運行前点検を行っているのでしょうか。
次に運転中、例えば鉄道では指さし確認や声を上げての確認などを信号機や標識がある度に行っています。これは客との距離が近い通勤電車に限らず、それこそ運転士一人だけが乗車している機関車でも当たり前に行われていることです。
これこそ、私が自動車の運転にも応用出来ると思う部分であり、時々私自身も実践していることです。
信号機の色などを、大げさに感じられるかもしれませんが声をあげたりして確認することで、覚低状態に自分自身が陥ってしまうことを防ぐ効果はあると思いますし、注意力散漫になるようなこともありません。
そもそも自動車の運転は、運転者が五感を総動員して外部の情報を集め、それを瞬間瞬間に判断して行動することが求められます。例え直線道路が続いていても、前方の一点のみを注視していれば良いはずはなく、視線は前方のいろいろな場所はもちろん、サイドミラーやルームミラー越しに後方にも向けられる必要があります。
時速40km/hと聞くと、自動車の走行スピードとしては"遅い"と思われる方がほとんどでしょう。しかし、人間はどんなに身体を鍛え上げても40km/hの速度で走ることは出来ません。
人間という生き物が本来自分の力で出し得ない速度で走れる自動車の運転、つまりは本来の能力を遥かに超えた次元の速度で移動するわけですから、自動車の運転というものはッ決して安易な気持ちで行うべきでないということがお分かりいただけるかと思います。
そしてなにより、運転中に少しでも眠気を感じたら早々に休憩を取り、場合によっては仮眠をすること。また、ドライブそのものの計画を時間にゆとりを持った内容にすることが、居眠り運転防止の基本であることを忘れてはなりません。
Posted at 2010/08/08 19:23:22 | |
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