
私は出身地の北海道から東京に移ってきて、12年が経とうとしています。
今でも仕事で年に何回かは北海道を訪れる機会がありますが、その際には北海道ならではの味を口にするのがひとつの楽しみになっています。
長く住んでいた十勝地方では、欠かせないのが「
カレーショップ インデアン」。このブログでも何度かご紹介していますが、昨今北海道で主流となっているスープカレーとは異なり、昔ながらのトロリとしたコクのあるカレーは今でも十勝を訪れたら必ず口にする一品。
それこそ子供の頃から食べてきた"ソウルフード"なので、今でも全国区のカレーショップチェーンにあまり足を運ぶ気になれないのは、この「
カレーショップ インデアン」の美味しさが私自身の基準になっているからであろうと思います。
もうひとつ、最近は北海道を訪れる度に必ず一度は口にしているのが「
松尾ジンギスカン」。こちらは
滝川市に本店を構える北海道を代表するジンギスカン専門店であり、熟成されたラム肉を秘伝のタレに漬けた"味付けジンギスカン"の美味しさが絶品です。
ジンギスカンというとビール園に代表される"生ジンギスカン"を思い浮かべるという方も多いでしょうが、個人的には"味付けジンギスカン"の方がお薦め。ラム肉のジューシーさや、コクのあるタレの風味から、食がとても進む美味しさです。
首都圏でも5年ほど前にジンギスカンがブームになりました。今となっては何がキッカケだったのか知る由もありませんが、当時はBSE問題で牛肉の需要が激減していた時期。そこで牛肉よりもヘルシーなラム肉に注目が集まったということなのでしょうが、とにかく渋谷や新宿など都内のあちこちにジンギスカン専門店を謳う店が雨後の筍のようにオープンしていました。
しかしブームが過熱すると、本来は手軽に楽しめる庶民的な存在だったはずのジンギスカンが妙に高級化してみたり、北海道ではおよそお目にかかったことの無いようなアレンジを受けたメニューが登場したりと、本来の姿からかけ離れたメニューを並べる店も現れたようです。
結果的にブームは一過性のものだったようで、今では都内のジンギスカン専門店も激減。一説では最盛期の3分の1にまで減少しているとのことです。
しかし、このブームを冷静に見ていた「
松尾ジンギスカン」が、ここにきて東京に初めて進出することを決定しました。
●松尾ジンギスカン、銀座進出へ 直営店は道外初
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Doshin web(北海道新聞) 2010年8月12日 6時30分
ブームが落ち着き、ジンギスカン食文化が首都圏でも認知度を高めて定着したこのタイミングでの出店決定。なかなか巧みな営業戦略に見えますが、このニュースを聞いて喜んでいるのは私だけではないと思います。
銀座に店を構えるとのことですが、北海道の直営店同様にリーズナブルで美味しいジンギスカンを楽しめる環境を作ってくれるものと大いに期待しています。
ところでジンギスカンを"焼き肉"と混同される方も多いようですが、私の考えとしては"ジンギスカン"はあくまでも鍋料理の一種。「
松尾ジンギスカン」でもおなじみ、独特の形状をしたジンギスカン鍋を用いて調理することからも、そのように表現して間違っていないと思います。
一般的に網などで調理する"焼き肉"は、あくまでも肉を食べることが主体。ここに、付帯的に野菜や魚介も加わるといったイメージです。
対してジンギスカンの場合は、肉だけでは料理として成立しません。ジンギスカン鍋の場合、盛り上がっている部分で肉を"焼きます"が、外周の部分では野菜を"煮る"という行為が同時進行して初めて成立します。
つまり、"焼き肉"では実質的に捨てている状態の肉汁を、ジンギスカンでは残さず活用して野菜に旨味を与える存在としています。これによって肉からは余計な油を無くし、野菜には旨味を加えるという合理的な料理として確立している訳です。
屋外のバーベキューなどで焼き肉をするときに、数種類の肉にジンギスカンが混ざっていることがあります。しかし、やはり正直なところジンギスカンは網で焼くよりも専用の鍋で調理した方が圧倒的に美味しい。
私の周りでは最近、北海道を訪れたらホームセンターなどで売られている"使い捨てジンギスカン鍋"を購入してくるという人も多いのですが、これを使ってみるとやはり圧倒的に網焼きよりも美味しかった、という方がほとんどです。
滝川市|松尾ジンギスカン 滝川本店
滝川市|松尾ジンギスカン 新千歳空港店
Posted at 2010/08/15 19:17:49 | |
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