
カレンダーはお盆休みに入っていますが、全国的に猛暑が続いていることが連日のようにニュースで伝えられている日本列島。
東京のデータを見ても、8月に入ってから9日(火)を除いて最高気温が30度を超える真夏日が続いており、夜も最低気温が25度を下回らない熱帯夜が同様に9日(火)以外の全てで記録されています。
気象庁のデータを見ても、8月の平均気温は長期的な変化傾向として平年差が年々上昇する傾向を見せています。100年あたりにすると約0.88度の割合で上昇を続けているそうで、その背景には地球温暖化やヒートアイランド現象などの影響があるものと想像されるところです。
こうも暑さが続くと注意しなければならないのは水の事故。
海水浴などに出かける方が増えるのに比例して、全国で痛ましい事故が多発してしまっているようです。
●猛暑のお盆、水の事故相次ぐ 茨城・千葉・新潟など
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asahi.com(朝日新聞) 2010年8月15日 22時38分
こうした水の事故に対しては一人一人が充分に注意することが必要なのは言うまでもありませんが、万が一の際に頼もしい存在となってくれているのが
海上保安庁。警察や消防も水難事故への即応態勢を整えてはいますが、やはり海の事故ではプロフェッショナル集団である
海上保安庁の機動力と対応力が多くの人命をこれまでにも救ってきています。
国土交通省の外局という位置づけになる
海上保安庁、その任務は海難救助や海上交通の安全確保・監視、さらには四方を海に囲まれた島国である日本における領海・国境警備まで幅広いものです。
近年は密入国や不審船への対応、領海侵犯事案への対応などで活動がクローズアップされてきました。これらは漫画、そして映画化もされた「
海猿」シリーズで広く知られるところになっています。
海上保安庁は全国を11のブロックに分割し、それぞれの管区保安本部が担当領域の海の安全を守っています。
船艇442隻、航空機75機を保有、およそ13,000人の職員が従事しており、年間の予算総額は約1,850億円(平成20年度)。決して小さな規模の組織ではありませんが、予算は潤沢というほどでも無いようです。特に船艇や航空機を含めた資機材の維持管理には費用を要しており、高速化や装備の充実化が近年になって急速に求められているなかで対応に苦慮している面もあるようです。
例えば巡視船で25年、巡視艇で20年、航空機では30年とされている耐用年数ですが、平成20年12月現在の資料によると巡視船の47%、巡視艇の21%、中型以上の航空機の35%がこれらの年数を超えて使われています。こうした問題は自衛隊の装備でもなかなか解決されていない点ですが、国民の安全を守る分野の予算はある程度充実させてほしいものです。
この夏休みも、水難事故に備えて羽田基地の特殊救難隊を筆頭に全国の海上保安庁職員が活動・待機しています。彼らは国家公務員であり、例え命懸けの救難作業に当たったとしても決して高額な給与を得られるわけではありません。
平成19年の人事院の資料などを参考にすると、海上保安官(公安職俸給表(二))で平均年収は688.2万円。平均給与月額は41.7万円、期末・勤勉手当が187.7万円。平均年齢は41.8歳となっています。
ちなみに人事院規則では国家公務員の特殊勤務手当が定められていますが、一例をご紹介すると次のようなものがあります。
水上等作業手当 第六条 三
停船命令に従わず逃走する動力船の捜査等を行うために当該動力船に飛び移る作業
工作船を含めた不審船や日本の領海内で違法操業をしている外国船などが逃走した場合、巡視艇(巡視船)を横付けして対象船に飛び移るという作業。単に動いている船同士を飛び移るだけでも危険なのは言うまでもありませんが、対象船から何らかの攻撃を受ける可能性もありまさに命懸けの作業です。
この作業に対する特殊勤務手当は1回につき3,900円(日没から日出までの時間帯は100分の50を加算)と定められています。
犯罪取締等手当 第二十八条の五 十
海上保安庁に所属する職員のうち人事院の定める職員が我が国周辺の海域を航行する船舶であつて重大かつ凶悪な犯罪に関与している外国船舶であると疑われる不審なものに対する海上保安庁法 (昭和二十三年法律第二十八号)規定に基づく検査等又は停船に係る業務で次に掲げるものに従事したとき。
(1) 強制的な検査等に係る業務
(2) (1)に掲げる業務以外の検査等に係る業務
(3) 強制的な停船に係る業務
前述の飛び移りとは別に、このような手当も設けられてはいます。この場合、相手の船舶は工作船や密輸船など重大な犯罪行為を犯している可能性も高く、そうなると武装集団が相手となっている場合もあり得ます。
こうした海上犯罪摘発、国家としての治安維持の最前線業務に対して支払われる手当は1回につき2,000円です。
海上保安庁のサイトには
動画配信コーナーがあり、海難救助の様子を撮影した映像を見ることが出来ます。私たちの安全な生活を守ってくれている海上保安官の仕事ぶり、一度は見ておいていただきたいと思います。
Posted at 2010/08/18 13:40:58 | |
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