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すっかり2010年のお盆休みも終わって、世の中は平常通りの動きに戻っています。
しかし、ウチの事務所は今日から社員嬢が夏休み入り。比較的時間の自由も利かせられる仕事ですから、無理に世間に休みを合わせる必要もなく。あえて一週間ほどずらすだけで、社員嬢は帰省のための交通費も安く済み、かつ混雑にも巻き込まれないで済むという具合です。

そこで今日は、お昼発の便で故郷へと旅立つ社員嬢を東京国際空港まで見送り。
無事に空港まで送り届けた後は、友人のメカニック氏と合流。天気も良いし、せっかく都内まで出てきたので、ちょっとした"社会見学"におつきあいしていただくことにしました。

向かった先はお台場にある「船の科学館」。日本海事科学振興財団が運営、日本財団が全面的にバックアップしている、海や船舶にまつわる総合的な展示がされている博物科学館です。
開館は1974(昭和49)年と古いものですが、私もご一緒したメカニック氏も、ともに初めて訪れたのが今日でした。仕事上、例えばこのすぐ近くにある"潮風公園"などは自動車撮影でお馴染みの場所だったりもしますし、道を挟んだ向こう側にある土地はD1グランプリが開催されたりもしています。

初めてやってきた「船の科学館」、入館料は大人700円。ウェブサイト上には優待券も用意されていて、これをプリントアウトして持参すると、大人600円で入館可能です(5名まで)。

特徴的な船の形をした建物、中に一歩入ってみるとその充実した展示ぶりに驚かされました。
古代から現代までの船舶の歴史はもちろん、船舶の構造や製造工程について、色々な船舶の種類についてなどが、数多くのパネルや複製、縮尺模型などで説明されています。一枚目の写真は大型船舶用エンジンのカットモデル、その巨大さには圧倒されそうですが、なかなか興味深く見学してきました。

こちらは港湾で大型船舶の出入りを補助する「タグボート」の紹介。精密な模型と操縦台は連動しているので、実際に操縦桿を操作するとどのように動くのかを体験することができます。こうしたシミュレーター的なものも多くあり、ラジコン船を100円で操縦することも可能。
さらに面白いのは海洋開発や海洋資源などにまつわる展示、さらには海上防衛や国境警備の展示説明、海洋物流の紹介など、とにかく展示の幅が広いことが印象的。最初に記したように、まさしく"海や船舶にまつわる総合的な博物科学館"なのです。

さらに実船は初代の南極観測船「宗谷」と、青函連絡船として活躍した「羊蹄丸」が展示されています。もちろん入館料にはこれらの内部見学も含まれています。

「宗谷」は現役で活躍していた当時の様子がそのままに保存されているようです。思ったよりも小柄な船体、そしてスペース的にギリギリの中で効率的にレイアウトされている各船室が特徴的。船内の通路や扉には高さ方向の余裕がほとんどなく、私もそうですが身長180cm級の大人では頭をぶつけないように注意が必要です。

一方の「羊蹄丸」は残念ながら往年の面影はほとんどありません。
青函連絡船は函館や青森にも実船の展示がありますが、ここ東京の「羊蹄丸」は内装に相当な手が加えられており、イベントホールや昭和30年頃をイメージした青森駅の再現展示などに充てられています。この青森駅の展示コーナーにはDE10型ディーゼル機関車などもあり、等身大の人形が多くレイアウトされて冬の青森駅の様子を再現しています。
唯一、往年の様子を残しているのがブリッジ。ここだけは函館に展示されている「摩周丸」とほぼ同じ光景が残されていました。

実船展示を含め、2時間半ほどの見学滞在時間となった「船の科学館」。
今回は比較的駆け足での見学で、仕事上必要な資料写真を何点か撮影してきましたが、もっとじっくり見学するなら4時間くらいは必要、それくらい充実した展示内容でした。