
去る10月1日から税額の大幅な引き上げによって、タバコの販売価格が値上がりしました。
税額が1本あたり3.5円引き上げられ、さらにメーカーの値上げ分も積み上げられた結果、広く知られている銘柄では「マイルドセブン」が300円から410円に、「セブンスター」は300円から440円に、「キャスター」は290円から410円へと、それぞれ価格が改訂されています。
値上げ率は銘柄によって差がありますが、1.3~1.45倍程度という前例のない大幅な値上げ。
もっとも税収不足を補うために、タバコ税というのは以前から最も手軽にターゲットとされやすい存在でしたし、近年の健康志向や喫煙率の低下がより増税しやすい環境を作っていると言えるでしょう。
私自身はいまだに喫煙者。何故かモータースポーツ業界には喫煙者が多いような気がしますが、今回の値上げに特に反対ではありません。
かといって、この値上げをきっかけに禁煙することもなく。ここ数年はそれまでよりも喫煙数がかなり減っていますが、それでも仕事のちょっとした合間とか、長距離を運転する時などは、私にとってタバコは欠かせない存在であるのが実際のところです。
ところでタバコにまるわる次のようなニュースもありました。
●取調室:禁煙、来春全国で実施へ
-
毎日jp(毎日新聞) 2010年11月11日 東京朝刊
2011年の春から、全国の警察署の取調室が全面禁煙化される見込みになったという話題です。
考えてみればもっともな話で、
厚生労働省の発表では2008(平成20)年の平均喫煙率は男性36.8%/女性9.1%。これが20年を遡った1989(平成元)年ですと男性55.3%/女性9.4%となっていましたから、特に男性の喫煙率低下が大きいことを見て取れます。
こうした時代ですから健康増進法の施行などもあって、公空間と位置づけられる取調室が全面禁煙になるというのも、ごく自然な流れだろうと感じます。
しかし、思えば昭和の刑事ドラマではタバコという小道具は絶対に欠かせないアイテムでした。
それこそ取調室はタバコの煙が充満している場面も多く、タバコを自白させる切り札にしたり、逆に自白した犯人に「一本吸うか?」と薦めてみたり。張り込みの場面などでも刑事がタバコを吸って時間を過ごす場面は多く、時にその吸殻の数で経過時間を表現していることもありました。
タバコが小道具として重視されていたのは刑事ドラマに限らず、普通の恋愛ものでも当たり前に喫煙シーンがありました。先日、久しぶりに1988年に放送された連続ドラマ「恋人も濡れる街角 -URBAN LOVE STORY-」をビデオで見たのですが、主演の中村雅俊さんと紺野美沙子さんがバーラウンジでごく普通にタバコを吸っている場面が。当時のお二人のキャラクターは清純系と広く認知されていたでしょうから、今では絶対にありえない感じの場面です。
自動車の世界で言えば、近年は灰皿が標準装備から外されている車も増えてきました。
元々は大型セダンから軽自動車、商用車までどんな車でも必ず装備されていた灰皿ですが、今ではサイズが小型化されたり、ディーラーオプションとされていたり。従来から非喫煙者のために灰皿を内部植毛された小物入れにするオプションは設定が多くされていましたが、今では小物入れをしっかりレイアウトしつつ、灰皿は廃止しているケースが増えています。
記憶をたどってみると1988年11月にデビューした「マツダ・ペルソナ」が、灰皿非標準化の先駆けだったように思います。
背の低い4ドアが全盛の当時、ペルソナは大女優として知られる“イングリッド・バーグマンに似合う車”という壮大なコンセプトで開発された車。機構的にはカペラなどの実用セダンと共用している部分が多かったのですが、独特のエクステリアはもちろん、凝りに凝ったインテリアが何といっても特徴でした。
このクラスでは珍しい本革シートを採用、その形状はまるで応接間のソファーのようなもの。インテリア全体に包み込まれる感覚を実現するためにドアの内貼りをラウンド形状とした結果、特にリアドア開口部の厚みは常識外のものになりました。
インパネもシンプルながらデザイン優先。その過程において灰皿は不要と判断されて、シガーライターとともにオプション設定とされたのです。これは当時としては非常に珍しいことで、この「灰皿&ライターのオプション化」だけでも大いに話題を集めたものです。
Posted at 2010/11/18 01:22:39 | |
トラックバック(0) |
自動車全般 | 日記