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2010年11月21日 イイね!

第57回 マカオ・グランプリ

第57回 マカオ・グランプリアジアで最も伝統ある一戦、「マカオ・グランプリ」が今年も盛大に開催されました。
今年で57回目を数えるこのレースは、マカオの市街地にある一般公道をクローズした特設コースで競われるストリート・レース。エスケイプゾーンが事実上皆無というシチュエーションでの激しいバトルは、世界でも屈指のチャレンジングでエキサイティングなレースとして多くのファンを魅了しています。

メインレースは1983年から行われている「Formula3 Intercontinental Cup」と、「WTCC(FIA世界ツーリングカー選手権)」。
前者は世界各地で開催されているF3を勝ち抜いてきた猛者たちが集まる“F3世界一決定戦”という位置づけであり、この大会での活躍を大きなステップとしたF1パイロットも多く輩出しています。ちなみに'83年の第1回ウィナーはアイルトン・セナ選手、2001年に日本人で初めて優勝を飾ったのは佐藤琢磨選手でした。
今年はシグネチャ勢が速さを見せ、中でもエドワルド・モルタラ選手が史上初の大会二連覇を達成。期待された日本勢は残念ながら上位進出はなりませんでした。

一方、お馴染みのWTCCは、発足した2005年から一貫して最終戦の舞台がマカオに設定されてきています。今年は残念ながら大会前に下ったFIA控訴裁判所の採決を受けて、シボレーのイヴァン・ミューラー選手がドライバーズチャンピオンを確定させました。自身にとってセアト時代を含めて2回目の栄冠は、2005年の初年度から参戦を続けてきたシボレーにとって悲願のタイトル獲得。FIA世界選手権でシボレーがタイトルを手中におさめたのは、これが初めてのことです。
そしてレース本番ですが予選からアクシデントが続出して、金曜日の日程は日没によって一部が土曜日に順延されることに。日曜の決勝もマカオらしい波乱の展開となりましたが、第1レースはロブ・ハフ選手が3年連続でマカオを制するとともに、ミューラー選手がこれに続いてシボレー勢がワン・ツー・フィニッシュ。第2レースはリバースグリッドでポールポジションからスタートしたノルベルト・ミケリス選手(セアト)が優勝、2008年に日本でトム・コロネル選手が優勝して以来となる非マニュファクチャラー車両での総合優勝をなし遂げました。

また、「マカオ・グランプリ」では2輪も含めて多彩なサポートレースが開催されます。
その中で注目だったのが「マカオ・ロードスポーツ・チャレンジ」。市販車に近い“チューニングカー”といった感じの車両によるストリート・ファイトは、まるでゲームの世界のことの様です。しかももちろんバーチャルでは無くリアルワールドでのレース、ほんの僅かなミスがガードレールへのクラッシュに繋がる、まさにドッグファイト。
そんな一戦に日産GT-Rで出場したのは織戸 学選手、予選2番手から決勝では見事な逆転で優勝を飾りました。

掲載した写真は、コースの山側区間の一部。場所的にはファラウェイ・ヒルの辺りで2003年に撮影した写真です。
道の片側にズラッと路上駐車が列を作っていますが、道幅の狭さが良くお分かりいただけるかと思います。幅員の狭い場所はレース中も常時追い越し禁止とされるようですが、単独でもこの両側をガードレールに囲まれた狭い道を全開で駆け抜けるのは、かなりの恐怖を感じるはずです。

こんなシチュエーションであることに加え、あくまでも一般公道なので路面状態はクローズド・サーキットの様に良好ではありません。
ミューはやや低いですし、路面はフラットではなく中央から両側の路肩に向かって下りの傾斜がついています(排水性向上のため)。それゆえに広い幅員のところ、例えばスタート後に迎えるマンダリンオリエンタルベンドやクラッシュの名所として知られるリスボアコーナーへのアプローチでも、道幅いっぱいにラインを取るとこの傾斜を乗り越えることになるので、独特のマシンコントロール技術が求められます。

谷口信輝選手によれば、マシンコントロールの“幅”は数センチ単位が求められるとのこと。全開走行でもガードレールのギリギリ数センチのところまでマシンを寄せ、コーナーを次々に駆け抜けていくことがラップタイム向上の条件。ゆえにセッティングの整っていないようなマシンではこの“幅”が広がってしまい、例えば30センチまでしか寄せられないようになると、ラップタイムにも大きく影響を及ぼすことになるのです。

日本での実現は夢のまた夢といった感じもする、公道を封鎖してのストリート・レース。
これこそ地域全体の協力が必要であり、官民一体となって成功に向けた取り組みが求められるモータースポーツ。文化的な側面も強いのですが、日本の土壌には残念ながら馴染まないのかもしれません。
 
Posted at 2010/11/25 22:33:30 | コメント(1) | トラックバック(0) | モータースポーツ | 日記

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