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2010年12月20日 イイね!

【試乗インプレッション】 ルノーメガーヌ ルノー・スポール (3)

【試乗インプレッション】 ルノーメガーヌ ルノー・スポール (3)ルノーの「新型メガーヌ ルノー・スポール」をご紹介している連載も、今回でひとつの区切りにしようと思います。
最終回は総論的なまとめを、「フランス車とは何なのか?」というところに主眼を置いて記していきましょう。


いきなり“まとめ”的な話になりますが、果たして今の日本で「新型メガーヌ ルノー・スポール」を愛車にするというのは、どういうことなのでしょうか。
スポーツカーの低迷、若者のクルマ離れ、といったキーワードが大手新聞から自動車雑誌までマスコミを賑わしています。
しかし、これらを嘆いているのは一定以上の年齢層がほとんど。現代が求めるクルマの価値観が、この年齢層が若かりし頃とは大きく変わってきていることを理解出来ていないとも言えるのではないでしょうか。

クルマは低く格好よく、スポーツ性能が優れていれば女性からも注目を集められる。カタログを賑わすスペック値、モアパワーと世界初技術のオンパレード。
これらは20年ほど前の日本車が華やかな頃のキーワードでもありました。もちろん技術革新やデザイン力、ドライビング性能がこの時期を境に大きく進化したことも忘れてはなりません。しかし、古典的なクルマに対する価値観へのしがみつきが、メディアを含めた一部の自動車業界を一般消費者から遠い存在にしてしまっているようにも思います。

そして「新型メガーヌ ルノー・スポール」。このクルマは長い歴史を持った名門メーカーが、真面目にしっかり作り込んできたクルマです。しかし残念ながら日本におけるブランドバリューは決して高くなく、スペックについてもクラスで圧倒的に高いという訳ではありません。
ここで賢いユーザーは既に気づいているはずです。

「クルマはスペックや古典的なブランドバリューだけでは語れない」


例えばコクピットに乗り込んだ時、ボディカラーとコーディネートされたシートベルトを締める瞬間。ここで必ずオーナーはドイツやイタリアのブランドとは異なるフランス車のセンスを感じるでしょう。
次にドライバーだけがクルマと直接向き合えるメーターパネル。精悍なブラック基調ですが、その中でレブカウンターだけがイエローとされて、一際光る存在感を見せています。もちろんクルマのキャラクター的にサーキット走行などで瞬時に回転数を読み取る時にも自然と目が向かうでしょうし、なにより厭味にならないこうしたセンスこそフランス車の醍醐味です。

クルマは既にグローバル化された商品であり、例えフランス車と言えどもマーケットの声を無視することは出来ません。特に近年モータリゼーションの進化が著しい中国やアジア諸国に対しては、その市場の嗜好を強く意識したモデルもフランスから登場し始めています。
フランス車は日本では正直なところ、マイナーな存在でしかありません。近年になってプジョーの認知度が多少高まりましたが、やはりドイツ車に比べると「ちょっと変わった選択肢」という位置づけで、どうにも嗜好性だけで選ばれるモノという固定概念が作られてしまっています。
これこそ一部自動車メディアの罪と言えるでしょう。確かに往年のシトロエンなどは技術面もデザインも独創性のカタマリでしたが、これをなぜか「変わり者が乗る車」と日本では解されてしまっています。フランス車、私は残念ながらルノーだけ所有した経験がないのですが、シトロエンもプジョーも独創性の背景には確固たるメーカーの持論や主義がありました。ユーザーメリットと合理性を追求した結果が独創的なクルマ作りに結実していた、それこそがフランスのモノ作りなのかもしれません。


今回の「新型メガーヌ ルノー・スポール」は左ハンドルとマニュアルトランスミッションの組み合わせのみが日本市場に導入されました。
これは前述の通り、コア・ユーザーをまずはガッチリ掴むという戦略によるものですが、現実問題としてはキャラクター的に数が多く売れるモデルではないので、右ハンドル仕様よりも時間を要さずローコストで導入出来るというメリットが売り手側にはあるはずです。
その上で新型メガーヌ全体のイメージを高めるために、まずはハイパフォーマンスモデルを投入。追ってスタンダードは5ドアハッチバックモデルが導入されるのは間違いないでしょうし、個人的にはエレガントな方向性のイメージリーダーとしてクーペ・カブリオレの導入も望みたいところです。


ところで新型メガーヌ陣営の先陣を切って導入された「新型メガーヌ ルノー・スポール」ですが、嬉しいのはボディカラーの選択肢がとても多いこと。
今回ドライブしたイメージカラーのイエロー(ジョン スポール)にはじまり、合計7色ものラインナップが用意されています。キャラクター的にはオーナーの個性を象徴する存在となり得る「新型メガーヌ ルノー・スポール」ですから、好みの色を選べる範囲が広く設定されていることは高く評価すべき。

ルノーの場合、日本市場導入モデルにマニュアルトランスミッションが多く用意されていたり、ボディカラーが多彩であるという特徴があります。これらは売り手からすれば容易に実現できるものではなく、本国のヘッドクォーターが日本市場に対する深い理解と積極性を持っていること、そして日本の窓口が必要性をしっかり踏まえて積極策を展開していることの証であると言えます。
実際、輸入車オーナーの中には「本当の好みの色は設定がなかった」とか、「本国仕様には魅力的な色があるのに・・・」という思いを抱いた方も多いのではないでしょうか。


フランス車は肩肘張らない自然体で付き合えるクルマ。
だからこそオーナーは“クルマに乗せられている”という感覚を抱くことは無く、逆に“クルマをねじ伏せている”という感覚でも無く、まさに“クルマとハーモニーを奏でる”という一体感を味わえるのではないでしょうか。なんとも叙情的で本質を突ききれていないような感が自分でもしてしまいますが、フランス車の“味”を的確に表現するのはとても難しいと、今回のテストドライブを通じて改めて思った次第。

その上で私見を最後に言うと、あまりスポーツドライビング系の車種を嗜好するタイプでは無い私が、「あ、これなら良い感じで付き合っていけるかも」という思いを抱いた、そんなクルマが「新型メガーヌ ルノー・スポール」なのです。
 

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各種取材やウェブサイトを中心とした制作業務を行なっています。 主なテリトリーは自動車/モータースポーツ、飛行機などの交通関係。 自動車は乗用車からトラッ...
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