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2011年01月27日 イイね!

“服従”するのではなく“活用”したい

“服従”するのではなく“活用”したい中古車業界で未だに使われている言葉に「フル装備」というのがあります。これは当初は「エアコン」「パワーステアリング」「パワーウィンドゥ」、後に「カセットデッキ(カーオーディオ)」が加わって合計4点が全て備わっていることを示しています。もっとも近年はこれらの装備については新車時点での標準化が進み、逆に非フル装備の個体を見つけることの方が難しいかもしれません。

さて、自動車の装備で近年普及が進んだものと言えば、「カーナビゲーション」が挙げられるでしょう。
日本での歴史をたどると1980年代に遡り、1987年に登場した8代目(130系)トヨタ・クラウンに設定されたエレクトロ・マルチビジョンが普及の先駆けになったと思います。ただしこれは自立航法式で、現在のようなGPS衛星を利用したタイプは自動車メーカーの純正装備としては1990年のユーノス・コスモが初の事例となりました。

現在ではハードディスク式の普及が進み、情報量や処理速度、グラフィックなどは黎明期のものと比べ物にならない程の進化を遂げています。一方ではコンパクトで安価なPNDと呼ばれるジャンルの商品も人気を集めており、こちらは手軽さと安さで支持されているようです。
最近ではボディ形状を問わず、ミドルクラス以上ではなんらかのカーナビゲーションを装備している車が多く、コンパクトカーや軽自動車でも装着率は間違いなく向上しています。
その普及率を調べてみると、トヨタ自動車が2007年3月に作成した資料では4輪車の全体普及率が2004年の時点で約15%。この年の新車普及率は約52%となっていました。また総務省の資料ではカーナビゲーションの世帯普及率は平成21年度末の時点で51.4%。調査対象には自動車を保有していない世帯も含まれているので、その中で50%以上の普及率というのは思っていた以上に高い数値という印象があります。ちなみに同じ調査の結果によればFAXが57.1%、ETC車載器が49.5%、ワンセグ対応携帯電話が48.0%、パソコンなどからコンテンツを自動録音できる携帯プレイヤーが27.3%となっています。

このように普及が進んでいるカーナビゲーションですが、使い方によって安全運転に大きく貢献してくれる装備でもあります。
道順を案内してくれるということは、不慣れな土地などでは絶対的に安全性が向上します。走りながら地図に目をやるような必要もなくなり運転に集中する環境を構築出来るのですから。また、進む先の道路線型を把握することが出来ますので、カーブの前で事前に減速したり、カーブの向きに合わせて適切な走行ラインを走れるように工夫するなど、法定・制限速度の中でも安全性は高められますし、乗員にとって快適な運転を実現させることも出来ます。
更に車種によってはカーナビゲーションのデータを車両制御に活用している事例も多く、オーバースピードでのコーナー進入に対してスロットルを絞ったりする「ナビゲーション協調制御トラクションコントロール」などが存在しています。

しかし、カーナビゲーションにばかり頼ると、思わぬ危険に遭遇するケースもあります。

●世界の雑記帳:英の老夫婦が旅行中、ナビを信じてドイツの教会に衝突
毎日jp(毎日新聞)  2011年1月25日 12時02分

記事はドイツでの出来事について伝えていますが、カーナビゲーションの誤った誘導を鵜呑みにして運転した結果、教会の建物に激突して老夫婦が軽傷を負ったという内容です。
このニュースを見て多くの人が「そんなこと、自分では絶対にしない」と思われたでしょうし、中には「老夫婦だったから、このような事故が起きたのでは」と考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ですが、現実の交通社会においてはカーナビゲーションのルート誘導を鵜呑みにした挙げ句、一方通行を逆走したり、右左折や直進などを禁ずる道路標識を完全に見落として走行するような事例も多く見うけられます。これらの当事者は警察に摘発されると一様に「カーナビゲーションの案内に従っただけ」とか「間違った案内をするカーナビゲーションが悪い」などと言い訳するようですが、それでも交通事故にならなかっただけ良かったと思うべき。
自動車の運転はあくまでも運転者の責任において行なうべき。例えばオートパイロット装置を有する航空機でも、操縦士は操縦装置から手こそ離しているものの、常に動作が正しいかどうかの確認をしています。その上で当然、機械の異常やルート逸脱などがあれば、オートパイロット装置を解除してマニュアルで操縦しています。

例えば街中で、交差点の200mくらい手前から車線変更をする車が増えました。これは一般道路における交差点の右左折案内などを音声で行なうのが200m手前からというカーナビゲーションが多いことによるものでしょう。ところが多くのカーナビゲーションでは次の右左折までの距離や方向をかなり手前から案内表示するものが多いので、予めこの表示を確認しておけば余裕を持って最適なところで車線を変えられる筈です。ところが音声案内に頼りきっているのか、進みたい車線が渋滞していたとしても何とか入ろうとする車も多く、このために渋滞が生じたりすることも珍しくありません。
こうした場合は、逆にカーナビゲーションが装着されているのだから、無理に車線変更などをせずに一旦は案内された内容を無視して周囲に流れに乗って進み、その上で再検索された案内内容に従うなど、臨機応変な対応が必要ではないかと思います。

どうにも最近は周囲の状況を全く見ていないのか、独善的な動きをして渋滞などの原因になっている車が増えているように思えてなりません。
カーナビゲーションに“服従”するのではなく、上手く活用することが真の安全運転につながるということを多くの皆さんに理解していただきたいと思います。
 
※写真はイメージで、記事の内容は特定の機種について述べたものではありません。
Posted at 2011/01/30 05:53:51 | コメント(0) | トラックバック(0) | 自動車全般 | 日記

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