2011年1月24日付のエントリで記しましたが、ここに来て改めてハマっている食べ物のひとつが“うどん”です。このエントリを記した時も、無性に食べたくなって「
丸亀製麺」に足を運んだのですが、その後も再び外出のついでに同じ店に立ち寄って、お昼ご飯に釜玉うどんを食べてきました。
それが掲載した写真ですが、トッピングに選んだのは“鶏ササミ天”と“ちくわ天”。前回は“いか天”と“ちくわ天”でしたから、“ちくわ天”については再びのチョイスということになりました。
なんとなく、うどんのトッピングとしては相性が抜群に良いと感じられるのが“ちくわ天”。持ち帰りの弁当では、のり弁のおかずとしてもメジャーな存在ですが、この具材のように油で揚げただけのもののみならず、青海苔をまぶした“磯辺揚げ”も食欲をそそる一品です。また変わったところでは、北海道などでは“ちくわパン”が密かな人気を集めています。
魚肉練り物製品の中では独特のポジションを有している竹輪(ちくわ)。
その発祥は明確ではないそうですが、熊本県の名産品である「日奈久ちくわ」を製造している
株式会社岩崎水産加工のウェブサイトを見ると、その歴史が解説されています。
同社サイトによると、竹輪は平安時代には既に食べられたという話もあるようです。蒲鉾という言葉の由来が「鉾の先に魚肉を潰して塗り付けたものを焼いて食べた」ことに由来しているそうですから、ある意味で竹輪は現在の蒲鉾を中心とした魚肉練り物食品のルーツと言えるのかもしれません。
室町時代になると書物に記述が見られるようになりますが、位置づけ的には高級品で庶民の口に入ることはあまり無かったようです。そのため、庶民は武士や大名に気兼ねして真ん中に穴の空いた練り物製品を切り口が竹に煮ていることから“竹輪”と呼ぶようになったそうです。これはあくまでも庶民の間での隠語だったそうですが、いつしかこれが広まって現在に至ったのだとか。対して板につけて蒸した板付蒲鉾が“蒲鉾”と呼ばれるようになったということです。
竹輪は天ぷらのほか、おでんやサラダの具材になったり、きゅうりやチーズを穴の部分にいれたおつまみとしてなど、広く愛されている食品。比較的価格が安価であることから、前述のようにのり弁ではメイン級のおかずとして重宝されています。
しかし竹輪に限らず、魚肉練り物製品の国内市場は減少傾向が続いています。
農林水産省の発表によると、1975(昭和50)年に1,034,262トンだった水産練り製品の生産量は、2009(平成21)年には439,827トンと半分以下にまで減少しています。これをより細かく見ると、1975(昭和50)年の生産量は、焼ちくわが258,882トン、蒲鉾が362,469トン、あげ蒲鉾が327,068トン。対して2009(平成21)年は、焼ちくわが90,911トン、蒲鉾が92,087トン、あげ蒲鉾が171,288トン。
それぞれの減少率を見ると、1975(昭和50)年と比較して2009(平成21)年の生産量は、焼ちくわが35%、蒲鉾が25%、あげ蒲鉾は52%にまで減少。水産練り製品全体では約42.5%にまで生産量が落ち込んでいるのです。
品目別では、蒲鉾の減少率が大きいことに気がつきます。これは私が思うに、食生活の多様化と変化が理由ではないかと想像します。特に蒲鉾はお節料理に代表される季節商品であり、かつ祝い事の席で使われることの多い食品でした。しかし核家族化や食生活の変化などによって、こうした伝統的な料理は食べる機会も少なくなり、必然的にその需要は減少しているというのが現状のように思えます。
もう少しデータを紐解くと、水産練り製品に対する一世帯あたりの支出金額は、2008(平成20)年で年間9,305円。内訳は、あげものが2,675円、竹輪が1,804円、蒲鉾は3,313円、その他が1,606円となっています。スーパーマーケットでの竹輪の販売価格は変動こそありますが、4本程度が入って130円程度の実売ではないでしょうか。単純に割り算すると一世帯あたりの竹輪の年間購入量は13パック、52本程度ということが言えるかと思います。
最後に地域別の消費傾向について。
総務省が調べた、都道府県庁所在地の魚肉練り物食品に対する支出額ランキング(平成18年~平成20年平均)を見てみましょう。
全国のトップは
仙台市。さすがは笹蒲鉾で有名な地、年間支出総額16,133円のうち実に12,177円を蒲鉾に支出しています。続く2位は
長崎市の15,871円で、こちらは蒲鉾への支出額が全国2位の7,531円ですが、トップの
仙台市とは大きな開きがあります。そして3位が
松山市で13,666円。こちらは、あげ蒲鉾と竹輪でそれぞれ全国3位の支出額となっています。
面白いのは品目別の支出ランキングで、あげ蒲鉾の全国1位は
鹿児島市。2位の
高松市(5,002円)を大きく引き離す7,401円を年間に支出しているあたり、さすがは“さつま揚げ”の本場といった感じです。そして竹輪の全国1位は
鳥取市で4,745円。2位が
徳島市の3,358円、3位は
松山市の2,534円となっています。四国2県がベスト3に名を連ねているのは、うどんのトッピングとして竹輪が好まれていることの証ではないでしょうか。
さらに、その他という品目分類の全国1位は
静岡市で年間支出額は3,119円。2,474円で2位の
名古屋市を大きく引き離していますが、静岡といえば“ナルト”や“黒はんぺん”が特産品。ゆえにこの順位も納得という感じです。
ちなみに支出総額の全国最下位は
沖縄市。これは前回の調査でも同様の結果だったそうで、やはりこちらも独特の食文化が根付いていることを証明した結果になりました。
Posted at 2011/02/05 22:00:28 | |
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