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2011年05月15日 イイね!

プロフェッショナル・モータースポーツ

プロフェッショナル・モータースポーツ今日は出張の無い日曜日。しかし世界各地でモータースポーツの競技会は開催されており、特に私が仕事上深く関わっているカテゴリーが、この日曜日は海外で目白押し状態となっています。
ということで、自分自身は東京に居るものの、心は“ここにあらず”といった状態の一日になりました。時差の関係もありますが、朝から深夜、というか月曜日の夕方過ぎまで徹夜状態で、各国で開催されている競技会の進展をチェックしつつ、国内で行われているイベントの状況にもインターネットなどを通じて目を光らせていきます。

その上で必要な情報を収集しつつ、関係者の方に電話などで詳細を聞き、それを制作作業へと反映させていきます。なにしろ最初に書いたように“目白押し”の状況ゆえ、ある意味でリアルな出張取材業務よりも、今回のような“バーチャル出張”の方がヘビーな仕事内容になってしまいます。

情報を収集していたカテゴリーのうち、もっとも興味深かったのは「WTCC(FIA世界ツーリングカー選手権)」のイタリア大会でした。モンツァ・サーキットを舞台に開催された第3大会(第5戦&第6戦)は、車種間の性能を調整するための補正(カンペンセイト)ウェイトが今季初めて導入されました。これまでの4戦で3勝を挙げているシボレー・クルーズ1.6Tはプラス40kgという措置が取られたため、少なからず影響はあるのかと予想していました。

ところがふたを開けてみると、シボレーの強さが本物であることを改めて思い知らされる結果になりました。
予選2回目では3台のシボレー・マニュファクチャラー勢がトップ3を独占、中でもロブ・ハフ選手は開幕戦から3大会連続でQ2のトップタイムをマーク。全車が出走するQ1の上位10台によるQ2の結果は第1レースのスターティンググリッドに反映されますが、このポールポジションを指定席にしつつあるのです。

そして決勝レースでも上昇気流に乗っている勢いは全く留まるところを知りませんでした。
第1レース(第5戦)はハフ選手が文句無しのポール・トゥ・ウィン。ただ、終盤まで表彰台独占かと思われていたシボレーでしたが、ファイナルラップで2番手のアラン・メニュ選手と3番手のイヴァン・ミューラー選手が接触して、メニュ選手が同士討ちの結果リタイアを喫するという予想外の展開になりました。

続く第2レース(第6戦)は、Q1の上位10台をリバースグリッドで配置してスタートを迎えます。
こちらでも2番手グリッドに陣取っていたハフ選手(Q1の9番手)が、スタートからポールポジションのティアゴ・モンテイロ選手(セアト)をかわしてトップを奪うと、そのまま逃げきりを果たして堂々の1大会2レース連勝を実現。「WTCC」ではリバースグリッドの採用などで、同一大会2レースを連勝することはとても難しく、2005年の発足からこれまでには2回しか前例がありません。つまり史上3人目の快挙を達成したということになります。

WTCC」は2006年からADVANがワンメイクタイヤサプライヤーをつとめていることもあり、日本でもファンが増えつつあります。日本大会も2008年から開催されるようになり、今年は鈴鹿サーキットで10月22日(土)から23日(日)にかけて行われる予定です。

“サーキットの格闘技”などと称される「WTCC」は絶対的なスピードやタイムは決して速くありませんが、とにかくドライバーの妙技に魅了されるカテゴリー。単なるケンカではなく、経験豊富な上位陣は本当にテクニックの応酬で緊張感のある戦いぶりを見せてくれています。
その上で「Eurosport」が運営していることもあり、エンターテイメント性も優れているという特徴があります。その点はドライバーも意識も高いようで、テレビカメラへのアピールやサービスに積極的ですし、現場ではファンへの対応も世界選手権という敷居の高さを感じさせないものがあります。

これこそプロフェッショナル・スポーツという印象を私は抱いています。なんというかここ数年はレースやラリーについて海外の競技会に触れる機会も多いのですが、知れば知るほど日本のモータースポーツが物足りなく感じてしまいます。
現在、エンターテイメント性を含めてプロフェッショナルと呼べるのは、SUPER GTフォーミュラ・ニッポンのふたつだけ。しかし現実的には後者は観客の入りも芳しくなく、メディア露出という点では満足出来る状態とは言えず、一般社会的な認知度も低いままと言わざるを得ません。前者は国内で唯一、興行としても成り立っているモータースポーツカテゴリーですが、自動車メーカーへの依存度が少々高い感もあり、どこか危うさも感じてしまいます。ただ、プロモーションという点では組織的に行われているため、功罪ありますが成功している唯一の事例と言っても良いのではないでしょうか。

これ以外のカテゴリーは、エンターテイメント性やプロモーションという面において満足出来るものはありません。もっと言えば、しっかりプロモーションや観客サービスをしようという考えすら持ち合わせていないとも言えそうな気がします。
純然たるアマチュアスポーツであれば、それで問題はないでしょう。好きな人は見に行けば良いし、社会メセナ活動的な意味合いで企業はスポンサーをすれば良いのです。しかし、それではモータースポーツという業界を成立させるのは困難です。純粋な参加型カテゴリーは良いとして、例えばサーキットレースならスーパー耐久、ラリーであれば全日本ラリー選手権といった一定レベル以上の全国転戦カテゴリーは、衰退の一途をたどるしかなくなってしまうような気がします。

たまたまこの2つのカテゴリーは私が実際に現場へと足を運ぶ機会が多いのですが、なんとも危機感を覚えずにはいられません。ますます日本ではモータースポーツを取り巻く環境が厳しさを増していこうという中で、今のままでは世間に認知されることもなく、ごくひっそりと続けていくことしか出来ないでしょうし、それでは数年後には破綻を来してしまいそうにも思えます。
 
Posted at 2011/05/19 20:10:38 | コメント(0) | トラックバック(0) | モータースポーツ | 日記

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