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2011年09月20日 イイね!

キャスティング

キャスティングテレビでも映画でも演劇でも、キャスティングというのは作品の成功を握るひとつの大きな要素になっています。
適材適所の人選が求められるのは当然として、ドラマなどでは俳優のもつキャラクターを基本として、演技力やネームバリューなど色々な背景を深く考慮して最終的なキャスティングが決められる流れになっているでしょう。その中で、例えば意外性のあるキャスティング、具体的には大御所の広く親しまれている俳優が悪役を演じてみたり、逆に悪役として名の通った方が善良な役を見事に演じきるなどの面白さがあると、これもひとつの大きな話題性になるわけです。

こうしたキャスティングというのはドラマなどに限った話ではなく、如何なる内容であっても人が出演する限りは重要な要素であり続けます。近年では報道番組のバラエティ化が進んでしまっていますが、キャスターや進行役というのは番組そのものの信頼性にも関わってくるものです。

私自身は既にテレビの無い生活を長く続けていますが、たまたまこの火曜日に放送された番組の内容を見て唖然とさせられることがありました。
それはフジテレビでゴールデンタイムに放送された「カスペ!」という2時間番組について。多岐な内容を紹介する単発番組の特別番組で、バラエティから音楽、ドキュメンタリーと幅広い内容を毎週放送している枠なのだそうです。

この火曜日に放送された番組のタイトルは「消えた犯人逮捕の決定的瞬間」。いわゆる“警察24時もの”とでも言いましょうか、全国の警察本部に密着取材を行って、犯罪の発生から犯人逮捕までに至る警察官の活躍を紹介する内容だったそうです。
こうした警察の活動を紹介する番組は一定の視聴率も得られるようで、長年に渡って必ず各放送局が制作・放送する内容のひとつ。特に春と秋の番組改編期に放送されることも多く、また取材で得られた素材を短めに編集したものは、報道番組内の特集企画などでも展開されています。

ただ、ひとつ驚いたのは、今回の放送でキャスティングされた案内役について。
国民的人気アイドルと称されるグループを構成するメンバーの一人がその役についていたのですが、いまを去ること10年ほど前に世間を騒がせる警察沙汰の主役となったことを多くの方々が覚えているタレントだったのです。その時には道路交通法違反、ならびに公務執行妨害で現行犯逮捕され、センセーショナルなニュースとして報道番組でも名前が連日流されました。もっとも、その過程において呼称について聞き慣れない“○×メンバー”という表現が使われたことも、記憶に深く残る理由のひとつになったかと思います。

この件については報道と事実に相違があるという話も出ているようですが、結果的には道路交通法違反と公務執行妨害について起訴猶予という処分が下されています。実刑や執行猶予のついた有罪判決ではありませんが、逆に言えば無罪判決でも嫌疑不十分による不起訴処分でもありません。起訴猶予はあくまでも犯罪行為そのものについては認めた上で、情状や犯罪の内容を総合的に判断した結果として検察官が裁判所への起訴を見送ったに過ぎません。
つまり、最終的な司法判断の場である裁判に持ち込まれる前の段階なので無罪なのか有罪なのかが曖昧に見える面もありますが、法務省訓令では「被疑事実が明白な場合において」のみ不起訴の裁定を下せると明記されています。前科にはなりませんが、前歴としては法務・警察などの行政機関に資料として残ります。
あくまでも検察官の判断として「被疑事実が明白」だったということですから推定無罪の原則に照らせば判断は難しいところですが、ひとつ言えることはこの被疑者は社会的な影響力のとても大きい、著名人であったということ。警察も検察も全くなにも無いところから、わざわざ社会的な認知度の高いタレントを犯罪者として捏造することはそうそうないでしょうから、法律違反を問われる行為を行ったのは事実であったと思われても致し方ないかと思います。

こうした社会的にも影響の大きい騒動の主役だった人間を、よりによって警察の活躍を紹介する番組の進行役にキャスティングするとは……。番組を見て違和感を覚えた人も全国に多かったのではないかと思います。
確かに騒動からは既に10年が過ぎており、本人も芸能活動の自粛などを経て、記者会見では謝罪も行っているので、問題が無いという見方もあるかもしれません。しかし、仮に番組の内容で「駐車違反などの道路交通法違反」や「公務執行妨害」を犯した被疑者を追う警察官の活動が紹介されたりしたら……。それこそブラックジョークとしか言いようがありません。

そもそも、仮に私が警察側の広報担当者であったとしたら、このキャスティングには異を唱えたくなってしまいます。
テレビ劣化が叫ばれるようになって久しいですが、やはりテレビを見なくなった私にとっても昨今のテレビ局や制作会社が考えていることというのは、理解しかねることが多いというのが正直な感想です。
 
Posted at 2011/09/25 01:19:37 | コメント(0) | トラックバック(0) | その他 | 日記

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