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2011年11月06日 イイね!

気になる完成度

気になる完成度1987年の秋に開催された第27回・東京モーターショー。いま振り返ってみると、これが晴海の見本市会場で開催された最後のモーターショーになりました。
その年、空路で東京入りした私は、東京国際空港から東京モノレールに乗って浜松町まで移動。そこから日の出桟橋まで歩き、水上バスに乗って晴海へ移動したことを覚えています。

そして会場内を見て回ったわけですが、当時はスポーツカーが花形でパワーウォーズの幕開けともいえる時代。時代背景的には立て続けの公定歩合引き下げなどもあり、株式や不動産への投機にお金が集中しました。世に言う「バブル景気」は既に東京を中心に始まっており、ゴッホの「ひまわり」を58億円で日本企業が購入したのが'87年のことでした。ちなみに10月にはアメリカで「ブラックマンデー」と呼ばれる株価大暴落が発生しましたが、逆にこの影響を最小限に抑えた日本経済には世界中の信用が集まり、投資先として注目を集める結果にもなりました。
高級品への購買力も高まり、さらに自動車を取り巻くところでは'87年の消費税導入とあわせて自動車物品税が廃止されました。また、この2年後の'89年には自動車税が改正され、大排気量車の税額が引き下げられ、3ナンバー車の市場拡大が始まります。

こうした世相の中、モーターショーの会場で最も私の目を惹いた車が、初代・日産シーマの参考出品車でした。Y31型のセドリック/グロリアをベースに、完全に専用の3ナンバーボディを架装。そのデザインは当時の日本製高級車としては異例なシンプル&クリーンさ、虚飾を配して面の造形を見せるテイストが新鮮に映りました。内装は基本的にY31セドリック/グロリアと共通のイメージでしたが、細かい部分で上質感を演出。エンジンは3,000ccのみの設定で、ノンターボとターボの2種類をラインナップしていました。駆動方式はFR(後輪駆動)のみ、ミッションは全車が4速オートマチックとなっています。

さて、このシーマですが、年が明けて'88年の1月に市販が開始されました。販売系列によって「セドリック・シーマ」と「グロリア・シーマ」がありましたが、両者の差はエンブレム程度であり、同一の車と捉えて何も問題はないでしょう。意外にもショーの会場ではMID4などのスポーツ系コンセプトカーに比べて扱いは地味で、スポーツカー偏重が強い自動車メディアでの露出も小さいものでした。
しかし、私自身はショー会場で実車を目の当たりにして、その斬新なデザインテイストやコンセプトに共感を覚えたものです。ただ、まさか後に「シーマ現象」なる言葉を生むほどの大ヒット商品になろうとは夢にも思いませんでした。なぜなら当時の新車価格、セドリック/グロリアの最高価格グレードであった「4ドアハードトップ・3000V6ターボ・ブロアムVIP」が438.3万円でした。それに対してセドリック/グロリア・シーマの最高価格グレード「3000V6ターボ・タイプIIリミテッド」は510.0万円というプライスタグを掲げていたのですから。

この当時、例えば同じ日産で見ると、マーチの最上級仕様だった「3ドア・1000G」は3速オートマチック車で87.9万円、サニーの普及グレード「4ドアセダン・1500EXサルーン」の3速オートマチック車が115.8万円、"セブンス"と呼ばれていたスカイラインの「4ドアハードトップ・2000GTパサージュ(ノンターボ)」は4速オートマチック車で202.8万円という価格でした。
定価で500万超えというのはトヨタで言えばクラウンやソアラにも無く、唯一センチュリーのみ。日産でもプレジデントとセドリック/グロリアのロイヤルリムジンのみであり、一般ユーザーが購入対象となる乗用車では国産最高価格をつけていたということになるのです。
しかし、輸入高級車よりは割安で、かつアフターサービスネットワークの充実度なども大きなメリットとなり、この初代シーマは飛ぶように売れました。ちなみに今でも当時新車で買った個体を大切に乗り続けている人としては、女優の伊藤かずえさんが広く知られています。

シーマというブランドは1991年と1996年、そして2001年にモデルチェンジを行い、4世代が生産・販売されました。しかし、二代目以降は存在感が薄く、クラウン・マジェスタやセルシオといった強力なライバルに販売の面では惨敗という結果に終わり、2010年の夏に歴史の終止符を打っていました。

●日産シーマ、ハイブリッドで復活…来春にも発売
YOMIURI ONLINE(読売新聞)  2011年11月6日 3時02分

そんなシーマのブランドが、また復活することになるようです。記事にもあるように、フーガ・ハイブリッドをベースとするそうですが、ボディサイズも拡大するとありますから、デザインの共通性がどこまで残されるのかが気になるところ。コスト的にはドアを共用してくるでしょうが、現行のフーガと巧く差別化を図れるのかが注目点となりそうです。

逆に機構的なものは完全に共用となるでしょうから、こちらはそんなに見るべきところは無いかもしれません。もちろん日進月歩のハイブリッド技術ですから、いまよりも多少は燃費性能を上げてくるでしょうし、タイミング的にはフーガフーガ・ハイブリッドのマイナーチェンジに合わせてのデビューとなるのかもしれません。
内装についてもコスト的な制約から完全オリジナルにはならないでしょう。、フーガ・ハイブリッドをベースに、どのように変化をつけてくるのか。単に表皮や加飾を高級なものにするだけでは、さすがに期待外れと思ってしまう結果になるでしょう。

過去に日産はインフィニティQ45ベースやシーマをベースに、非常に安直に最高級車であるプレジデントを作り出してきたという前歴がありますから、どうにもこのニュースを見て「期待半分、不安半分」という思いにかられてしまう自分がいます。
 

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