
カレンダーが12月に入ったことから、そろそろ年末年始の準備を考えているという方も多いのではないでしょうか。準備にも色々とありますが、そのうちのひとつが「年賀状」。近年では電子メールの普及などを背景に発行数も頭打ちの傾向が続いていますが、なんだかんだと今でも年始の挨拶だけにはハガキを用いているというケースは少なくないようです。
かく言う私自身もそんな一人で、普段は郵便の利用は必要最小限に留めていますが、日常的に電子メールやSNSなどを活用していても年賀状だけは止めていません。何度か止めようと思ったこともありますが、結局は業務の一貫という意味合いもありますので、オリジナルデザインのものを作って一年間お世話になった皆さんにお送りしています。
人生で初めて年賀状を送ったのがいつのことだったのかはさすがに覚えていませんが、たまたま自分で過去に作った年賀状が出てきたので、スキャニングしてデータとして保存することにしました。今回は、そんな昔の年賀状で使った写真を2点、ご紹介しようと思います。
その写真とは、ともに私が以前勤めていた「
十勝スピードウェイ」で使っていたペースカーを撮影したものです。
私は1993年5月5日のグランドオープン当時から勤務していましたが、1枚目のホンダ・ビガーはサーキットに初めて配備されたペースカーでした。車両はメーカー系からの貸与という扱いで、サーキットにやってきた段階で完全なペースカー仕様に仕立てられていました。具体的にはルーフの散光式警光灯やロールケージといった役務に必須の装備にはじまり、スポーティなアルミホイールやハードなサスペンション&ダンパーのキットといったところです。
レースの際はスタート前のフォーメーションラップを先導したり、事故などが発生した際にはコースインして競技車両の隊列を先導して安全を確保するなどの役割を担うペースカー。ちなみに呼称については後年、セーフティカーと改められて現在に至っています。
ちなみにこの車が配備された1993年当時は、4輪レースではイエローのコーションランプのみがペースカーには装備されていればOKでした。しかし写真にもあるように、散光式警光灯の中央部にはグリーンのランプも備わっています。これは2輪レースの規則で運用が定められていたもので、つまりこのペースカーは4輪/2輪どちらのレースでも活用されていました。

次にもう1枚、こちらも同じく「
十勝スピードウェイ」のペースカーとして活躍したR33型の日産・スカイライン。ビガーが1995年のモデル廃止により退役して後任にはセイバーが充当されたのですが、当時は十勝24時間レースの開催が始まったこともあり、セーフティカーの増強配備を行ったがゆえの導入でした。
ただし、今だから言える話なのかもしれませんが、実はこのスカイラインは登録ナンバーがついている個体でした。何故ならこの車、地元の販売会社である
帯広日産自動車から試乗車をお借りしたのがそもそものはじまり。十勝24時間レースの役務用にお借りして、無線機とマグネット式の回転灯を装着してまずはサーキット・デビューを果たしました。
2ドアクーペで2,500ccのターボエンジンを搭載する5速マニュアルミッション車でしたが、もちろんサーキット・デビュー当時は完全なノーマル車。レース前にお借りして自走でサーキットまで運び、必要な装備を取り付けてレースの役務につける。終わったら装備を外して内外装を綺麗にして、再び自走でお返しにいく、という形で使っていたのです。
ところがある時、販売会社さんのご好意によって長期間に渡ってサーキットに留め置いて使っても良いという話になりました。ありがたくご好意に甘えさせていただくこととして車を引き取りにいくと、そこで待っていたのが写真の姿。巨大なリアウィングをはじめとして
NISMO製のエアロパーツや足回り、大径アルミホイールで武装されていたのには、さすがに驚きました。「やっぱりサーキットで使うんだから、このぐらいでないとな!」と、ご担当の部長さんに仰っていただいたことは、今でも鮮明に覚えています。
ちなみに長期貸与期間中でも、ショールームでのイベント時などには展示のためにお返しすることが何度かありました。その際はペースカーとしての装備をそのままに、ナンバー付ですから自走でショールームまで持っていくわけですが、街中を走っているととにかく目立つこと。ある時、たまたまショールームへと向かっていた街中で、
PIAAの営業車と遭遇しました。この車、EG型のホンダ・シビックフェリオでしたが、サーキットでもお馴染み白に黒いラインのフルカラー仕様。まるで当時開催されていたJTCC(全日本ツーリングカー選手権)を彷彿とさせるランデブー状態でしばし走ったことも、今では良い思い出のひとつです。
この車はしばらく使わさせていただいた後、素性をしっかり理解されているお客さんの元に中古車として嫁いでいきました。
これで貸与車も終わりかな、などと思っていたら、先の部長さんから電話をいただき「車両積載車くらいは運転できるよな?」と。1台積みの車両であれば運転免許的にも問題はありませんし、普通免許で運転できる範囲のトラックには普通に乗れていましたので「もちろんです」と答えると、次の貸与車を用意したから引き取りに来なさいというありがたいお言葉。
果たして訪れてみると積載車の鍵を渡されます。そして案内された駐車場に停まっていた積載車、その荷台に載っていたのは……。
真っ白なR33型の日産スカイラインGT-Rだったのでした。
こうして「
十勝スピードウェイ」ではGTS25tタイプM、そしてGT-Rと2台続けてR33型のスカイラインをペースカーとして使うことになったのでした。
残念ながらGT-Rペースカーの写真は手元にないのですが、ビガーとGTS25tタイプMについては、業務の合間を使ってコース上に持ち出して写真を撮影して、自分の年賀状に使ってみたい次第です。
Posted at 2011/12/19 00:34:25 | |
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