
私が
FC2のアカウントを取得して、初めてブログのエントリを記したのが2005年7月1日のこと。この日から基本的に毎日の日付で記事をアップしてきましたが、クリスマスが近づいてくるとアクセスが増えるエントリがひとつ存在しています。
今年もクリスマスが近づくに連れて解析サービスが当該記事へのアクセスが増えていることを示していたのですが、
Googleや
Yahoo!といった検索エンジンを経由して、ここ数日は数千件のアクセスを確認しています。中には検索キーワードの全てが“ひらがな”というものもあり、これは子どもが打ち込んだ結果ではないかと想像しています。
アクセスが増えている記事というのは、2006年12月22日付けで
FC2ブログに記した『
Mission 「サンタクロースを追え!」』というエントリ。
NORAD(北アメリカ航空宇宙防衛指令部)という軍事組織が展開している「
NORAD TRACKS SANTA」という“ミッション”についてご紹介しているものです。
エントリにもあるように、この企画は1950年代から続けられているもので、きっかけは誤植に端を発した間違い電話でした。子どもたちに「サンタクロースへのホットライン」として誤って紹介されてしまった電話番号の主は「CONAD(中央航空防衛軍基地)」の司令長官。時の長官は相次ぐ子どもたちからの電話に目くじらを立てるのではなく、子どもたちの夢を壊さないようにとプレゼントを配るために世界を駆けめぐるサンタクロースの現在地情報を提供することにしたのです。
以来、今日までCONADから
NORADに組織が変わってもこの任務は受け継がれ、現在ではウェブサイトを通じて世界各国に「
NORAD TRACKS SANTA」として情報提供サービスが行われているのです。
このサービスについて、みなさんはどのような感想をもたれるでしょうか。
勝手な予想ですが、初期のころは時の司令長官らの個人的な思いからスタートした活動でしょうが、昨今では組織のPR的な意味合いも含まれるようになったのではないかと思います。国民の税金によって運営されている軍事組織、本来の任務ではないこうした活動に費用や労力を注ぐことが許されるのは、アメリカという国柄もあるでしょうが、やはり日頃の活動を円滑に行うためには広く国民に認識と理解を深めてもらう必要がありますので、広報活動の一環として取り組んでいるのではないかと思うのです。
さて、振り返って我が日本。
●自衛隊広報施設、有料化で入場者半減 仕分けで指摘受け
-
asahi.com(朝日新聞) 2011年12月16日 10時39分
“政治主導”というお題目の下で繰り広げられたパフォーマンスでは、国民の生命や財産を守るために存在している自衛隊の広報施設を、民間レジャーランドと同列に扱うという愚の骨頂が演じられました。
そして、まさかとは思ったのですが、
防衛省はこのパフォーマンスに付き合わされたようで、
陸上自衛隊の「
広報センター(りっくんランド)」、
航空自衛隊の「
浜松広報館(エアパーク)」、そして
海上自衛隊の「
佐世保史料館(セイルタワー)」において有料化の実験を行ったそうです。
その結果はニュースにもあるように、当たり前ですが入場者が激減。本来の目的である広報活動に大きな支障をきたす結果となりました。
私はこの3つの施設全てを訪れたことがありますが、それぞれに子どもから大人までが自衛隊の活動について学習できる展示がされていることを確認しています。確かに「
浜松広報館(エアパーク)」などは“航空自衛隊のテーマパーク”を自ら謳ってもいますが、これは一般市民に親しみを持ってもらいたいという意味合いのキャッチフレーズなのでしょう。
2011年は震災の発生もあって、改めて災害時の自衛隊の活動がクローズアップされました。一方で国防という面では日本周辺における不安材料が増えている印象もありますし、その一方で防衛大臣に“素人”を自認する輩が就任して、政治的な駆け引きという面もあるにせよ問責決議が可決されるという事態にも至っています。
広報施設には現状の活動について市民に理解を深めてもらうという目的に加えて、リクルート対策という重要な意味合いも含まれています。超高齢化社会に突入しつつある日本、これからの安全で安心出来る市民生活を支えてくれる存在としての自衛隊についても、高齢化というのは大きな問題。それこそ災害が発生した場合に、高齢化した隊員ばかりでは人命救助もスムーズにはいかないでしょう。かといって国防の要でもあるわけですから、闇雲に外国人労働力を入れるというわけにもいかず。
そこで子どもや若者に自衛隊の活動に関心を持ってもらい、正しく理解してもらうことで、有能な人材を獲得するという目的が広報施設には必ず存在しているはずです。
アメリカの防衛施設が行っている、子どもたちに夢を与える広報活動。果たして同じことを日本の自衛隊が行ったとしたら、やはり“仕分け”されてしまうのでしょうか。
Posted at 2011/12/28 21:12:23 | |
トラックバック(0) |
その他 | 日記