
3月も折り返しをすぎて、ようやく春らしい話題も多く耳へと届くようになりました。学生さんは春休みの季節、これからゴールデンウィークまでの期間は適度な陽気で、ドライブなど外出の機会も増えるのではないでしょうか。
ところで年度末は慌ただしい日々を過ごす方が多く、年度始めは人事異動や就職、入学などと生活に大きな変化も生じやすいものです。そうなると「つい、ウッカリ」ということも増えてしまいがちなわけで、これは自動車を運転している時ならば致命的な事態につながりかねません。
そこで今年も、4月6日(金)から15日(日)まで、「
平成24年 春の全国交通安全運動」が展開されます。
「子供と高齢者の事故防止」を運動の基本として、3つの全国重点が掲げられました。
一つ目は「自転車の安全利用の推進 (特に、自転車安全利用五則の周知徹底)」。
近年は都市部を中心に自転車の利用率が高まっており、通勤や通学、日常の買い物で毎日乗っている方も多いのではないかと思います。しかし、自転車は免許証無しで乗れることもあって、運転者の交通安全に対する知識や理解、配慮は様々。
最近では悪質な整備不良車や、周囲に危険を及ぼす交通ルールやマナー違反も目に余ることから、全国的に警察当局では自転車に対しても道路交通法を厳格に適用する姿勢が見えるようになってきました。
もちろん自転車は自動車に対して“交通弱者”の立場にありますが、だからと言って何をやっても許されるという訳ではありません。今一度、自転車の乗り方、使い方、混合交通の中で自らの安全を守りつつ、周囲に危険を及ぼしたり不快な思いをさせることのないようなセンスを、全ての自転車ライダーの方々に磨いてほしいと思います。
二つ目は「全ての座席のシートベルトとチャイルドシートの正しい着用の徹底」。
多少なりとも自動車に興味がある、という方であれば、既に全座席でのシートベルト着用、ならびに乳幼児や児童に対するチャイルドシート着用が、法律で義務化されていることはご存じだと思います。
しかし、世の中にはまだまだ困った人々も多いようです……。
●後席ベルト義務化、「知らない」いまだ4割
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YOMIURI ONLINE (読売新聞) 2012年3月18日 14時07分
この期に及んで、まだ義務化されたことを知らないと平気で言うドライバーが全体の4割もいることには、驚きを禁じ得ないというか、呆れてものが言えないというか。
後部座席の全ての道路におけるシートベルト着用の義務化は、記事にもあるように2008年6月から実施されています。現在は2012年の3月ですから、確かに一部のゴールド免許所有者は、義務化以降に免許の更新を受けていないのも事実。しかし、テレビや新聞、インターネットなどで義務化当時は大きく報道されていますし、どう考えても全体の4割が「知らない」と堪えることには憤りを覚えます。
私の個人的考えとしては、自動車運転免許証の取得、さらに更新については、もう少しハードルを上げても良いような気がします。
現状の更新手続きは所在確認や本人確認の意味合いが強く、講習中は居眠りをしていても特に問題なく更新が出来てしまいます。このような実態では、法律の改正などについて講義されていたとしても、“そんな話はすっかり夢の中”という人も多いのが悲しい現実。
自動車の運転は鉄道や航空機に比べて、運転者の自由度が圧倒的に高い。だからこそ法律や自動車の機構、挙動特性などに、一定以上の知識が絶対に必要なはずです。
運転技術というのは、個人の体力差などの問題もありますので、一概に基準値を設けるのは難しいでしょう。しかし、自動車を運転する上で必要な知識は座学ですから、今のような生ぬるいものではなく、それこそ道路交通法や保安基準の7割方を覚えていなければ免許の更新は出来ないくらいに厳しくしても良いような気がします。
やや極論に過ぎるかもしれませんが、中には「車は生活に欠かせないから困る」という人もいるでしょう。しかし、必要であればこそ、正しい知識を有していることが求められるはずです。
このブログでも何度も書いていますが、自動車は1トンを優に超える鉄の塊を、人間という生き物が自らの身体能力では絶対に出せない速度で移動させるものです。そこには人間が本来持っている能力を超えた速度域もあるはずですし、歩いたり走ったりするのと同じ速度であっても人を傷つけたり死に至らしめることが出来るのです。ならば、少しでも不幸な事故を無くすための努力は、運転する一人一人に強く求められるはずでしょう。
少々長くなってしまいましたが、最後に三つ目の全国重点。それは「飲酒運転の根絶」です。
この話題も、本当に嫌になるほど飲酒運転が原因となった悲惨な交通事故の報道を、これまでに数多く目にしてきました。近年では厳罰化も行われ、社会全体として飲酒運転を絶対に許さないという動きが強まっています。
ところが、未だに根絶には至らない。必ず月に一度くらいは、飲酒運転による死亡事故やひき逃げといった報道が耳に入ってくるのです。
私自身、お酒はそれほど飲まないのですが、何故こうも懲りない輩が多いのでしょうか。個人的には飲酒運転には常習癖というか、「自分は大丈夫だろう」とか、「今回は平気だろう」という、元来持っている性格的な身勝手さに飲酒が輪をかけて引き起こされているケースが多いような気がします。
こうなると、残念ながら根絶は難しいでしょう。一度過ちを犯し、罪を償ったとしても、同じ過ちを繰り返すケースが決して少なくないからです。
結果的には、これもいま以上の厳罰化で対応するしかないのでしょうか。現状でも以前に比べれば相当に厳しい罰則が科せられるようになりましたが、やはりそれでも懲りない輩がいるのであれば、こうした社会的危険因子は交通社会から早々に、なるべく長期間に渡って退場させるしか、手はないのかもしれません。
なにはともあれ、慌ただしさを日々増していく3月後半。ほんの一瞬の油断や傲慢が、取り返しのつかない悲惨な交通事故につながるということを、絶対に忘れないでステアリングを握るようにしたいものです。
Posted at 2012/03/22 22:42:52 | |
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