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2012年03月22日 イイね!

井の中の蛙

井の中の蛙最近は、仕事で海外のモータースポーツについて勉強する機会が増えています。
残念ながら日本でモータースポーツを伝えるメディアを通じては、海外カテゴリーと言ってもF1とWRC、あとはル・マン24時間レースとニュルブルクリンク24時間レースについての情報が入ってくる程度で、まだまだモータースポーツファンにさえも知られていないカテゴリーが山ほど存在しています。

ただ、最近はインターネットの普及に伴い、海外の情報も簡単に手に入るようになりました。特に諸外国の方が幅広い範囲のカテゴリーでしっかりした公式ウェブサイトが設けられていることも多く、さらに海外メディアのサイトで伝えられるニュースなどもあわせて見ていくと、それなりに基本的な情報に触れることは可能になりました。

この日はアジア方面で開催されているマイナーカテゴリーの情報をチェックしていました。
そんな中でいろいろと詳細を調べたもののひとつが、中国で開催されている「Formula Pilota China Series」です。

このカテゴリーは、昨年(2011年)に発足したばかりの若いレースシリーズ。ヨーロッパで2005年に発足した「Formula ABARTH」の流れを受けて設立されたもので、Tatuus FA010というカーボンコンポジットのシャシーに排気量1,400ccターボのFPT 414TFエンジンを組み合わせたシングルシーター・フォーミュラマシンも共通のものを使っています。パワースペックは180hpと決して怒濤のビッグパワーではありませんが、ウィングも備えた本格的なミドル・フォーミュラであり、若手育成が主眼のカテゴリーと言えるでしょう。

恥ずかしながら「Formula Pilota China Series」については、これまで詳しく調べたり情報に触れる機会が全くありませんでした。そこで公式サイトを細かく見ていったのですが、何より驚いたのは昨年のエントリー内容についてです。
公式サイト上には26人のドライバーがリストアップされているのですが、実にその3分の2以上の20人が中国以外の国籍を持ったドライバー。アジア諸国、タイやマレシーアといった辺りの選手が参戦していることは想像の範疇でしたが、それ以外にもイタリアやフランス、スイス、オーストリアなどの欧州勢、アンゴラ、ルーマニア、アルゼンチン、オーストラリアという具合に、とにかく参加選手は世界各地から集まっているのです。

この現状、日本のモータースポーツ関係者はどのように受け止めるでしょうか。

日本でも、もちろん外国人ドライバーは活躍を見せています。しかし、その大半はSUPER GTやフォーミュラ・ニッポンといったトップカテゴリーでの話であり、あくまで"職業ドライバー"として日本で戦っている選手たちです。
一方、Super-FJやフォーミュラ4といったミドル・フォーミュラに、外国人の姿はほとんど見られません。それ以外のカテゴリー、例えばスーパー耐久では近年になってマレーシア人ドライバーの育成プログラムを展開しているチームはあるものの、モータースポーツ全体から見ると例外的な存在です。

中国のモータースポーツは、正直なところまだまだ発展途上の感も否めません。しかし、急速な発展で力をつけているだけに、あっと言う間に日本を追い越していく可能性は十分にあるのです。
一方の日本は、どうにもモータースポーツ界そのものが“井の中の蛙”となってしまっているように思えてなりません。その原因はどこか一カ所にあるという訳ではないでしょうが、このままいくと世界を目指す若手の有望選手は、今以上に日本を早々に離れて海外でキャリアを積んでステップアップしていくことになるでしょう。一方、日本で従来型のステップアップをしていったところで、結果的に世界に羽ばたくのは難しい状況になってしまうかもしれません。

そして最後にどうなるか。日本のモータースポーツは、主催者も参加者も高齢化が進んで、最後には高齢者向けのスポーツになってしまうような気がしてならないのです。
残念ながら日本のモータースポーツ界はオーガナイザーがサーキット主体になってしまい、大局的な見地や国際的な視野でシリーズを展開・運営できる体制がほとんどありません。もっとも、怪しい輩が相も変わらず蠢いている辺りに、日本のモータースポーツ界の限界も見えてしまっているような気が……。

過去には本当の意味でのINTER TECや富士でのF3世界戦といった、国際交流レースも行われています。経済的に難しい面はあるでしょうが、そろそろ日本のモータースポーツ界も殻を破っていかなければ、将来は決して明るくないように思えてなりません。そのためにも、まずは主催者の世代交代が急務であると言えるような気がします。
 
 
※写真は本文と関係ありません。

Posted at 2012/04/01 01:57:37 | コメント(0) | トラックバック(0) | モータースポーツ | 日記

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