
運転免許を取得してからこれまで、自分の車はもちろんレンタカーや仕事で乗った取材用車両などで、軽く月を往復する以上の距離を運転してきました。しかし、そんな中で人生初の経験となったパンクに翻弄された金曜日でしたが、周りの皆さんにも助けられて仕事に支障が生じることもなく終了。メディア受付やブリーフィングを終えた後、関係者のお一人からお借りしたクルマで、
いわき市の「
ホテルアルファーワンいわき」まで移動して、無事にチェックインを果たせたのでした。
さて、日が変わって土曜日。いよいよ全日本ラリー選手権の第3戦は、二日間に渡る競技本番を迎えました。
早朝、
ホテルアルファーワンいわきをチェックアウト。後泊を含めて3泊4日の出張ですが、今回はとても珍しいことに3泊全ての宿が異なるというパターン。まず初日に
いわき市の宿を選んだのは、Day1朝一番のSS(スペシャルステージ)が、
いわき市からアクセスするのがベストというロケーションにあったからなのです。これをもし、昨年同様に
白河市に宿泊して同じステージに向かおうとすると、確実に1時間は早くホテルを出発しなければなりません。
実は第3戦の「
がんばろう!福島 MSCCラリー2012」は、SS距離の合計こそ63.47kmと全日本選手権としては一般的な長さですが、リエゾン区間を含めた総走行距離は441.57kmとスケールの大きなもの。第2戦が151.52km、開幕戦でも380.07kmでしたから、第3戦がいかに広範囲な舞台となっているか、お分かりいただけるのではないかと思います。
ラリー取材がサーキット取材と決定的に違うのは、取材陣も相当の距離を移動しなければならないということ。しかもステージ内のメディアポイントは、場所によっては入場締め切り時間がかなり早いタイミングに設定されている場合もあり、スケジューリングもおのおのが知恵を絞らなければなりません。長い距離を移動してステージに向かっても、道を間違えてしまったり、何かの理由で遅れて締め切り時間に間に合わなければ、取り返しのつかない事態に陥ってしまうわけです。
そんなこんなで無事に朝一番のSS1に設けられたメディアポイントに到着。早朝から気持ちよい青空が広がりましたが、撮影側としては少々天気が良すぎる感じも……。なぜならSS1の撮影ポイントは向かってくる競技車両に対してほぼ逆光という、少々厳しい条件だったので。それでも、ほぼ確実に全車がやって来るSS1は、撮影という点ではとても重要なステージ。トップ3台は2分間隔、以降1分間隔で次々にスタートする各車を待ち構え、それほど休む暇もなくシャッターを切っていきます。
SS1が終了すると、大半のカメラマンは居残ってリピートとなるSS3の撮影に臨みました。そんな中で私は一人で山を下りて、
いわき市の三和地区に設けられたラリーパークに足を運んでみました。ラリーパークというのはSS間を結ぶ移動区間、ラリー用語ではリエゾンと呼ばれる道のりの途中に設けられるポイントで、観客が見やすい駐車場などに設けられ、観客のまわりをゆっくりと各車が通過したり、短い時間ですが停車して選手紹介が行われたりする場所のこと。
要するに、競技性はほとんどありませんが、地域住民の方々にラリーを身近に感じていただき、ラリーマシンや選手たちとの簡単な触れ合いの場となることが最大の目的となるのです。
今回初めて設けられた、、
いわき市のラリーパーク。行ってみると近所の方々が次々と集まってこられ、0カーがやって来る頃には100人以上が集まりました。そして、そのほとんどは熱心なラリーファンではなく、近所にお住まいの皆さん。土曜日ということで親子連れや、農作業の手を休めて散歩がてらやって来たというお年寄りまで、とにかく老若男女いろいろな方々が集まってきたのです。
そこへ1台ずつやって来るラリーマシン。各車が停止して簡単な選手紹介が行われた後、ゆっくりとパーク内を周回して競技に戻っていきますが、全車のクルーに対して地元の皆さんからは熱い声援が送られました。
恐らく住民の皆さんは、誰が速いとかチャンピオン経験者だとか、そういうことは余り関係無かったように思います。ただ純粋に、「派手で格好よい車が次々とやって来て、何やら命懸けに近い凄いことをやっている人たちが、全国から集まってきているんだな」というくらいの認識だったのではないでしょうか。
でも、それで良いと思います。なにより自分たちの地元で全国から選手や関係者が集まる盛大なイベントが開催されていること、そのイベントは自動車を使ったスポーツであり、こんな派手な車と選手たちが戦っているんだ、ということを認識していただければ十分なのですから。その上で興味を持っていただけたのなら、次の年は「この選手は去年も出ていた」とか、「この人は強いんだ」という感じで、競技として注目していただければ良いのです。
ラリーパーク取材後は、朝とは別の林道ステージに赴いて走行シーンを撮影。あとはサービスパークに帰還してDay1最終サービスの模様を撮影しながら、選手らのコメントを取って初日の取材は無事終了。とにかくこのDay1は三和ラリーパークの雰囲気がとても良く、主催者がFMラジオを通じて開催告知を行ったことや、きちんと地元の行政や住民にコンタクトを取り、回覧板などを通じてラリーパークの実施を伝えてきたことが、とても良いかたちでまとめられていたと思います。
取材完了後は、今宵は
白河市のホテルにチェックイン。夕食は取材陣ご一行様状態でいただきましたが、一人4千円程度の支払いとは思えないボリュームと品数に圧倒され……。少々食べすぎたDay1の夜でした。
Posted at 2012/06/18 09:10:44 | |
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