
仕事がら全国各地の高速道路を走ってきていますが、最近になって気になる事象があります。それは、特に“週末千円”の割引制度が始まった頃から多く見かける気がするのですが、週末になると本線の路肩に車両のトラブルなどで停車している車が多いということ。タイヤのパンクやオーバーヒートなどが原因の多くを占めているかと思いますが、いわゆるサンデードライバーの諸氏がきちんとしたメンテナンスを施していない車で出かけた挙げ句のトラブルではないかと見受けられます。
近年、特に日本車は信頼性と耐久性がとても優れており、それほどマメにメンテナンスをしていなくともそれなりに走れてしまうことが多いでしょう。しかし自動車は複雑な構成の工業製品ですから、走行距離や年数に応じて劣化する部分も確実にあるわけで、それを放っておくと不意にトラブルに襲われてしまうわけです。さらにデフレ社会の昨今では継続検査(車検)や定期点検も必要最低限で“検査に受かりさえすれば良い”という思考のユーザーも増えていると思われますし、日本車は静粛性や防振性にも優れているので、なかなかトラブル発生の予兆も感じにくい部分があります。
こうしてメンテナンスを怠ってしまうと、たまの週末に家族でお出かけをした際にトラブルが発生してしまい、高速道路上で立ち往生してしまうというケースが増えているのかもしれません。
JAF(日本自動車連盟)の発表によると、ロードサービスの救援件数は次のように推移しています。高速道路での救援件数について見ると、平成20年度は111,073件。平成21年度が115,117件、平成22年度は117,419件、そして平成23年度が111,829件となっています。昨年度は若干の減少が見られましたが、それでも年間11万件以上の救出事案があり、高速道路での以来内容を見るとタイヤのパンクが全体の30%ほどを占め、次いで燃料切れ、事故、バッテリー過放電となっています。
高速道路上でトラブルが発生した場合、
JAF(日本自動車連盟)に代表されるロードサービスのお世話になりますが、最近は携帯電話が普及したこともあって、道路脇にある緊急電話よりも自らの携帯電話で救援を要請するケースの方が圧倒的に多いことでしょう。
救援を要請したら到着を待つわけですが、ここでぜひ注意していただきたいことがあります。
●高速道路に歩行者、死亡事故が倍増 故障や事故で車外に
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asahi.com(朝日新聞) 2011年11月9日 5時05分
昨年秋とやや古い記事ではありますが、最近は高速道路上にいる人が被害者となる交通事故が増加しています。
前述のような車両トラブルや、事故を起こすなどして車外に出ていたところを、後続車にはねられるというケースですが、確かに私自身も高速道路を走っていて路肩に停車した車の脇をウロウロしている人を見て、危険を覚えたことは一度や二度ではありません。
高速道路は歩行者や自転車の走行が禁じられていますから、運転者は比較的安心した心理状態でステアリングを握って高速走行をしています。これは言い換えれば油断にもつながる部分であり、例え高速道路であっても人の存在や落下物の危険性があるわけですから、漫然と運転して良いはずがありません。
しかし、やむを得ない理由で高速道路上に停車する側も、相応の危険回避策をとらなけらばなりません。まずは道路交通法によって高速道路を走行する際には携行が義務づけられている、停止表示器材(三角表示板)の設置を速やかに行う必要があります。これは最低でも停車した場所から50mは後方に置くことが望ましいですが、設置に向かう際は全ての車に搭載が義務づけられている発炎筒を併用するなどして後続車に明確に自らの存在を知らせる必要があります。
また、国家公安委員会が認定した紫色の回転灯は停止表示器材の一種ですが、これも併せて車に積んでおくと夜間などは安全性を確保するために役立ちます。発炎筒にしても、最近では取り扱いが容易なLED式のものが車検対応品として売られていますので、これも積んでおいて損はありません。
サーキットでオフィシャルとしてコースやレスキューの役務を経験したことがあればお判りいただけるでしょうが、100km/hの自動車が次々にやってくる環境というのは、思った以上に危険なものがあります。特に高速道路の場合は軽自動車から大型トラックまで様々な車両が走り、それを運転しているドライバーのスキルも十人十色。単にハザードランプを点滅して、路肩にいるのだから大丈夫だろうと思っていると、後続車が突っ込んできて大惨事になってしまう可能性も高いのです。
ですから、前述のような安全確保のための器材を搭載した上で、いざという場面では慌てず冷静に安全を最大限確保できる場所に車両を停めたら、警察や道路管理者に通報するとともに速やかに停止表示器材や発炎筒を設置して事故防止に務めなければなりません。そして、設置が完了したらガードレールの外側に退避し、なるべく本線から離れた安全な場所で救援を待つのがベストです。
また、大前提として日頃の車のメンテナンスをしっかり行い、高速道路走行前はスペアーを含めたタイヤ空気圧の確認と、冷却水やバッテリーの状態くらいはしっかり点検することが必要です。
Posted at 2012/07/12 01:42:38 | |
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