
昨日、社用車1号機(
日産フーガ 350XV)のエンジンオイル&フィルター交換に足を運んだ、
東京日産自動車販売の馴染みの店舗。受付から作業、洗車、そして精算という一連の流れに要した時間は45分間ほどでしたが、待ち時間に2車種のカタログをもらって眺めていました。
私自身、子どものころから国内外の各車のカタログを集めており、正確に冊数を調べたことはありませんが、少なくとも1980年代から1990年代にかけてのほとんどの国産および輸入乗用車、さらに一部の大型車や営業車のカタログは、今も手元に残っています。しかし、ここ十年以上はあえて集めて保管するようなことをしておらず、代わりに資料性の高い年鑑を購入したり、特に存在意義の高い一部の車種についてのみカタログを手元に置くようになりました。
そして、今回カタログをもらってきた2車種というのは、去る4月に発表された5代目の「
シーマ」と、2009年に日本市場への投入が始められた「
スカイライン・クロスオーバー」です。
前者は'80年代を代表する日本車として知られるブランドネームですが、ハイブリッド専用車として復活を果たしました。ご承知の通り基本コンポーネンツの多くは「
フーガ・ハイブリッド」と共用していますが、150mmストレッチされたロングボディ、そしてなにより室内外の高いクオリティと完成度で、注目を集めている一台です。
個人的には関心のあるクラスのニューモデルですが、現実的に考えるとさすがに全長5,120mmのロングボディは日常的に使うには持て余してしまいそうな気がします。ですが、当然のごとくリアシートの居住性が相当に高いと想像できますから、ショーファードリブン需要はもちろんのこと、大切なお客さんを乗せる機会も多い自営業の方などから支持を集めることになるだろうと思います。
そして後者は、2007年に北米市場でデビューした「
インフィニティ・EX35」を、2年遅れで日本に投入したモデル。いわゆる最近流行りの“クロスオーバーSUV”と称されるカテゴリーに属するクルマで、Eプラットフォームに3,700ccのV6エンジンを搭載、フルタイム4WDとFR(後輪駆動)というふたつの駆動方式をラインナップしています。
クロスオーバーSUVは欧州でも各メーカーからリリースされていますが、要するにセダン的な乗用車とクロスカントリー的なSUVをミックスした車で、セダンが持つ走行安定性や高級感と、クロスカントリーが持つ高い走破性能を併せ持ったカテゴリーとなります。良く言えばセダンとクロスカントリーの“好いとこどり”、悪く言えば“どっちつかず”の車が出来るわけですが、ここで気をつけたいのはクロスオーバーといえどもセダンとクロスカントリーのどちら寄りのキャラクターであるか、というところについてです。
「
スカイライン・クロスオーバー」のカタログをもらったのは、まさにこの点を確認するためでした。そして、ひとつの目安となる最低地上高のスペックを確認すると、同車の場合はFRモデルで165mm、4WDモデルでは150mmにすぎないことが分かりました。
参考までに記すと、同じようにクロスオーバーSUVとして位置づけられる「
ムラーノ」では、駆動方式を問わず185mmとなっています。さらに本格的なクロスカントリーSUVである「
エクストレイル」になると大半のモデルで215mmを確保しています。
なにより、比較として試しに確認した「
シーマ」の最低地上高が155mmなのですから、「
スカイライン・クロスオーバー」はそれよりも5mm小さい値となっているわけです。
一見したルックスはクロスカントリーSUVにも通じる印象を抱く「
スカイライン・クロスオーバー」ですが、実のところはちょっと深くワダチが掘れていたり、大きめの石がゴロゴロしているようなオフロードへの乗り入れは避けた方が無難、という結論が導き出されます。
このことは最低地上高に加えて、装着しているタイヤからも読み取れます。クロスカントリーSUV色が濃いモデルは揃ってオールシーズンタイヤを新車装着していますが、「
スカイライン・クロスオーバー」については一般的なラジアルタイヤが用意されており、この点でもメーカー側はそれほどオフロードやラフロードの走行を想定していないことがわかります。
カタログを丹念に見ても、僅かに1つだけ舗装ではない道で埃のようなものを巻き上げて走る姿の写真が使われていますが、これとていわゆるオフロードやラフロード然としたものではありません。さらに文章を細かく見ても、どこにも高い走破性能を謳う箇所は無く、あくまでもステーションワゴンに近い感覚の訴求となっています。
こうした内容は車に詳しい人であれば当然承知されていることでしょうが、余り詳しくない人の場合はルックスなどから多少なりの悪路走破性も加味されていると思われるかもしれません。その点はセールスマンがきちんと説明してくれるでしょうが、なんとも“クロスオーバー”という車は難しい存在でもあると、改めて思うに至った次第です。
Posted at 2012/07/14 16:24:43 | |
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