
“時間との戦い”も多い現代の社会。国際化が進んだことから24時間休むことなく世界情勢や経済の動きに応じた仕事をしているという方も多いのではないかと思います。
人種や性別、年齢や貧富などに一切関係なく、誰もが平等に与えられているものが“時間”。これを如何に使うかで人生は大きく変わることがあるものです。
日本人は時間に正確な民族、というのは世界共通の認識。例えば電車や飛行機などの公共交通機関、これの定時性は間違いなく世界一でしょう。首都圏などであれ程までの過密ダイヤであるのにも関わらず、ほぼ正確に電車がやって来るのは世界的に見れば異例とも言えること。また、長距離の路線でも平時であれば大きな遅れも出さずに定時運行されるのは、日本人気質によるところが大きいと思います。
日常生活では、色々な時刻表が存在しています。
子供の頃なら学校の時間割。夏休みや冬休みは時間割から開放されますが、その代わりに小学生などの場合は一日の予定表を課題として事前に提出したりということもあったのではないでしょうか。
社会に出ると勤務先の就業規則には時間に関する項目も用意されています。始業、就業、休憩といった事項ですが、中にはフレックスタイム制を採用している職場もあるでしょう。交替制なら学校の時間割に替わって、シフト表が生活のベースとなっていきます。
また身近なところでは交通機関の時刻表。
鉄道、飛行機、バスなどには必ず時刻表が用意されていて、通勤や通学で使うという方は特に目的地までの往路については時刻表の主立ったところを頭の中に入れてあるのではないかと思います。
鉄道や飛行機の時刻表は、旅情を誘うものでもあります。
時刻表と地図、観光ガイドブックを揃えれば、バーチャルな旅行を楽しめますし、楽しみながら立てた計画を実行して実際に楽しむことも出来るのです。ま、中には時刻表を首っ引きで見ることによってトリックを考え出す小説家の方もいらっしゃるでしょうが。
こうした時刻表のひとつで、私が愛用しているものに「道路時刻表」があります。余りメジャーな存在ではないですが、
道路整備促進期成同盟会全国協議会という団体が発行していた書籍です。
内容は全国を網羅している国道と高速道路(高速自動車国道)について、実走計測によるデータを基に路線番号毎に区間距離や区間所要時間をまとめたものです。
計測方法は平日で余り渋滞などの無いタイミングを選んで実施。面白いのは徹底した道路法規厳守運転による走行ではなく、“交通の流れに沿った計測方法”と明記されていること。小型のライトバンや乗用車で計測は行ったそうですが、相対的に速度の遅い大型車などは追い越しつつ、同程度の車を追い越したり、逆に追い越されることが無いような走り方で計測を行ったというのです。
つまり現実の交通社会に則したかたちでの計測結果ゆえ、移動時間を推察する上での参考データとしては非常に価値のある精度の高いものだと言えます。
もちろん季節や曜日、時間帯などによって渋滞が発生するなどして、所要時間の変化は生じます。しかし、ひとつの基準としてはとても有効なものであり、私にとってはとても重宝してきました。
具体的には、お盆や年末年始の長距離ツーリングを行うにあたっての計画策定で重宝するのです。
走ったことの無い、もしくは走行経験が少ない道を組み合わせたルート策定を行う際に、所要時間の現実的な目安はとても重要な情報。これまでに利用して組み立てたスケジュールで何度も全国各地を走りましたが、確かに実際の所要時間と大差の無いデータが記されていることを確認できました。
しかし、ご紹介の冒頭で「発行していた書籍」と過去形で記したように、残念ながらこの「道路時刻表」は2007度版を最後に発行されなくなってしまいました。カーナビゲーションの発達やインターネット上での地図サービスが充実している時代ですから、もうニーズは減少してしまったのかもしれません。
とは言うものの、ご存じの方も多いようにカーナビゲーションや地図サイトで検索した結果の所要時間は、あらかじめ設定された平均速度で距離を単純に割り算して算出されたものも多く、実際の所要時間とは大きな差を生じる場合も珍しくありません。
ゆえに特に長距離移動では、現実の環境に近いデータが掲載されている「道路時刻表」が重宝してきたのです。
残念ながら発行が終了したことで、最近開通した新規路線についてのデータはありません。取り敢えずは手元にある最終年度版や、まだインターネット上で閲覧利用出来る各地の道路時刻表を活用していますが、追々は自分自身での実走データをきちんと記録して、自分なりの「道路時刻表」を作っていこうとも思っています。
Posted at 2010/11/25 23:57:12 | |
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