• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+

NorthStarのブログ一覧

2010年12月22日 イイね!

2010年、最後のサーキット取材

2010年、最後のサーキット取材夜明け前の午前5時すぎ、取材・撮影機材を一式積み込んだ社用車1号機(日産フーガ 350XV)で東京を出発。
向かった先は富士スピードウェイ、今年最後のサーキット取材であります。

天気が気になるところでしたが、御殿場ICの手前では強い雨。「これは、午前中はダメかも・・・」とあきらめていたのですが、幸いなことに御殿場に入ると雨は止んで、奇跡的に取材開始の時間になると太陽が顔を見せる結果に。路面は雨が残っていて全面ウェット、空には太陽。なかなか望んでも叶わない、置きで車を撮影するにはベストなシチュエーションとなったのでした。

ところで私が富士スピードウェイにやって来たのは8月以来。この間にサーキット周辺は豪雨災害に見舞われましたが、まだまだ爪痕は痛々しく残っていました。

取材の方は、順調に進行。
車やドライバーさんの写真を撮影しつつ、随時コメントを採ったりしていったのですが、久しぶりにお会いしたモータージャーナリストさんとも有益な情報交換が出来ました(^-^)。

業務終了は、すっかり日が暮れた19時すぎ。さすがにこの時間になると厳しい寒さを感じましたが、日中は想像していた以上に暖かだったのでなにより。

こうして無事に一年の最後となるサーキット取材業務も完了、いよいよ明日で一足、いや二足早い仕事納めです。
 
Posted at 2010/12/25 10:24:27 | コメント(0) | トラックバック(0) | 取材・業務雑記 | 日記
2010年12月21日 イイね!

新しい“冬の靴”

新しい“冬の靴”本日は午後から、社用車1号機(日産フーガ 350XV)に関する用件で都内へ外出。

まず訪れたのは東京都目黒区の「タイヤガーデン城南」さん。目黒通り沿い、油面交差点の近くにお店を構えていますが、こちらは筑波サーキットなどで開催されるレースイベントにおいて、タイヤサービスを行っています。
それだけに技術力と商品知識は自動車用品量販店の比ではなく、まさにプロ中のタイヤプロショップです。

そして、このお店で1号機の“冬の靴”を調達。
YOKOHAMAのスタッドレスタイヤ、「ice GUARD iG30」を購入、その場で純正ホイールに組み付けていただきました。

昨シーズンまでは先代モデルにあたる「ice GUARD iG20」を装着していますが、アイス&スノー路面性能はもちろん、ドライでも高いパフォーマンスを見せてくれました。今や東京在住の身ゆえにスタッドレスタイヤを装着したとしても、その大半はドライの舗装路面を走ることになります。その場合、腰砕け感の有無や摩耗性能、静粛性能といった部分に注目することになりますが、これらが夏タイヤと遜色ないレベルであったことは実感できました。
その上で、何度か圧雪路面や完全なアイスバーン路面でも走行しましたが、FR(後輪駆動)というハンディがあるのにも関わらず、高いグリップ性能を見せてくれました。特に交差点などで停止する際の“最後の10km/h”から完全停止までをキッチリ止めてくれるので安心感が高いスタッドレスタイヤでした。

この後継として生み出された「ice GUARD iG30」ですから、その性能には期待を寄せられます。詳しくはシーズン途中で折りを見てレポートしたいと思いますが、今年は既に北国のみならず九州などから初雪の便りが届いているだけに、しっかり“冬の靴”を装着したことで、安心して冬を乗り越えることが出来ます。

また、プロショップで装着作業をしてもらったことも、大きな安心感につながります。
タイヤの組み付けには技術と経験、知識が必要。ただ組むだけなら誰でも出来るのかもしれませんが、モータースポーツの現場などでタイヤ組み付け作業を間近に見ていると、その作業クオリティというのは、街中の量販店レベルとは段違いのものがあります。

ユーザーにはなかなか見えてこない部分ではありますが、やはり生命を乗せて走るのがタイヤですから、安心・安全を買うという意味でもプロショップのご利用をお薦めします。


さて、無事にタイヤ交換を終了した後は、「Garage SwiftWing」へ。
こちらでは1号機の板金修理についての相談です。実は先月末から今月半ばまでの間で、1号機のボディが当て逃げの被害に遭ってしまいました。左側面ということで運転席の乗降時には目に入ってこないため気がつくのが遅れ、いつ・どこで・誰にやられたのかサッパリ検討がつきません。

全く困った輩がいたものですが、とりあえず見栄えがよろしくないので機を見て修理をしようと思っています。そこでGarage SwiftWingでは修理費用の概算見積もりを依頼しつつ、当面の対応について相談。
修理については今すぐという訳ではなく、春先のモータースポーツシーズンイン直前くらいをめどにしていますが、それまでに錆などの発生を防ぐ策を教えていただけました。
 

日産フーガ|スタッドレスタイヤ購入・装着
Posted at 2010/12/24 23:04:54 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日産フーガ (Y50) | 日記
2010年12月20日 イイね!

【試乗インプレッション】 ルノーメガーヌ ルノー・スポール (3)

【試乗インプレッション】 ルノーメガーヌ ルノー・スポール (3)ルノーの「新型メガーヌ ルノー・スポール」をご紹介している連載も、今回でひとつの区切りにしようと思います。
最終回は総論的なまとめを、「フランス車とは何なのか?」というところに主眼を置いて記していきましょう。


いきなり“まとめ”的な話になりますが、果たして今の日本で「新型メガーヌ ルノー・スポール」を愛車にするというのは、どういうことなのでしょうか。
スポーツカーの低迷、若者のクルマ離れ、といったキーワードが大手新聞から自動車雑誌までマスコミを賑わしています。
しかし、これらを嘆いているのは一定以上の年齢層がほとんど。現代が求めるクルマの価値観が、この年齢層が若かりし頃とは大きく変わってきていることを理解出来ていないとも言えるのではないでしょうか。

クルマは低く格好よく、スポーツ性能が優れていれば女性からも注目を集められる。カタログを賑わすスペック値、モアパワーと世界初技術のオンパレード。
これらは20年ほど前の日本車が華やかな頃のキーワードでもありました。もちろん技術革新やデザイン力、ドライビング性能がこの時期を境に大きく進化したことも忘れてはなりません。しかし、古典的なクルマに対する価値観へのしがみつきが、メディアを含めた一部の自動車業界を一般消費者から遠い存在にしてしまっているようにも思います。

そして「新型メガーヌ ルノー・スポール」。このクルマは長い歴史を持った名門メーカーが、真面目にしっかり作り込んできたクルマです。しかし残念ながら日本におけるブランドバリューは決して高くなく、スペックについてもクラスで圧倒的に高いという訳ではありません。
ここで賢いユーザーは既に気づいているはずです。

「クルマはスペックや古典的なブランドバリューだけでは語れない」


例えばコクピットに乗り込んだ時、ボディカラーとコーディネートされたシートベルトを締める瞬間。ここで必ずオーナーはドイツやイタリアのブランドとは異なるフランス車のセンスを感じるでしょう。
次にドライバーだけがクルマと直接向き合えるメーターパネル。精悍なブラック基調ですが、その中でレブカウンターだけがイエローとされて、一際光る存在感を見せています。もちろんクルマのキャラクター的にサーキット走行などで瞬時に回転数を読み取る時にも自然と目が向かうでしょうし、なにより厭味にならないこうしたセンスこそフランス車の醍醐味です。

クルマは既にグローバル化された商品であり、例えフランス車と言えどもマーケットの声を無視することは出来ません。特に近年モータリゼーションの進化が著しい中国やアジア諸国に対しては、その市場の嗜好を強く意識したモデルもフランスから登場し始めています。
フランス車は日本では正直なところ、マイナーな存在でしかありません。近年になってプジョーの認知度が多少高まりましたが、やはりドイツ車に比べると「ちょっと変わった選択肢」という位置づけで、どうにも嗜好性だけで選ばれるモノという固定概念が作られてしまっています。
これこそ一部自動車メディアの罪と言えるでしょう。確かに往年のシトロエンなどは技術面もデザインも独創性のカタマリでしたが、これをなぜか「変わり者が乗る車」と日本では解されてしまっています。フランス車、私は残念ながらルノーだけ所有した経験がないのですが、シトロエンもプジョーも独創性の背景には確固たるメーカーの持論や主義がありました。ユーザーメリットと合理性を追求した結果が独創的なクルマ作りに結実していた、それこそがフランスのモノ作りなのかもしれません。


今回の「新型メガーヌ ルノー・スポール」は左ハンドルとマニュアルトランスミッションの組み合わせのみが日本市場に導入されました。
これは前述の通り、コア・ユーザーをまずはガッチリ掴むという戦略によるものですが、現実問題としてはキャラクター的に数が多く売れるモデルではないので、右ハンドル仕様よりも時間を要さずローコストで導入出来るというメリットが売り手側にはあるはずです。
その上で新型メガーヌ全体のイメージを高めるために、まずはハイパフォーマンスモデルを投入。追ってスタンダードは5ドアハッチバックモデルが導入されるのは間違いないでしょうし、個人的にはエレガントな方向性のイメージリーダーとしてクーペ・カブリオレの導入も望みたいところです。


ところで新型メガーヌ陣営の先陣を切って導入された「新型メガーヌ ルノー・スポール」ですが、嬉しいのはボディカラーの選択肢がとても多いこと。
今回ドライブしたイメージカラーのイエロー(ジョン スポール)にはじまり、合計7色ものラインナップが用意されています。キャラクター的にはオーナーの個性を象徴する存在となり得る「新型メガーヌ ルノー・スポール」ですから、好みの色を選べる範囲が広く設定されていることは高く評価すべき。

ルノーの場合、日本市場導入モデルにマニュアルトランスミッションが多く用意されていたり、ボディカラーが多彩であるという特徴があります。これらは売り手からすれば容易に実現できるものではなく、本国のヘッドクォーターが日本市場に対する深い理解と積極性を持っていること、そして日本の窓口が必要性をしっかり踏まえて積極策を展開していることの証であると言えます。
実際、輸入車オーナーの中には「本当の好みの色は設定がなかった」とか、「本国仕様には魅力的な色があるのに・・・」という思いを抱いた方も多いのではないでしょうか。


フランス車は肩肘張らない自然体で付き合えるクルマ。
だからこそオーナーは“クルマに乗せられている”という感覚を抱くことは無く、逆に“クルマをねじ伏せている”という感覚でも無く、まさに“クルマとハーモニーを奏でる”という一体感を味わえるのではないでしょうか。なんとも叙情的で本質を突ききれていないような感が自分でもしてしまいますが、フランス車の“味”を的確に表現するのはとても難しいと、今回のテストドライブを通じて改めて思った次第。

その上で私見を最後に言うと、あまりスポーツドライビング系の車種を嗜好するタイプでは無い私が、「あ、これなら良い感じで付き合っていけるかも」という思いを抱いた、そんなクルマが「新型メガーヌ ルノー・スポール」なのです。
 
2010年12月19日 イイね!

【試乗インプレッション】 ルノーメガーヌ ルノー・スポール (2)

【試乗インプレッション】 ルノーメガーヌ ルノー・スポール (2)12月16日に発表されたルノーの「新型メガーヌ ルノー・スポール」をご紹介、その第二弾。

アウトラインのご紹介に続いては、いよいよ実際にステアリングを握って走らせてみての印象をお伝えしてみたいと思います。

今回のテストドライブは、新車のインプレッションではお馴染みの有料ワインディングロードが舞台として用意されました。当日の天候は曇りで肌寒い一日。平日の日中ということで交通量は少なめでした。
余談になりますがこの道、もちろん一般道です。観光客などの往来も多いのですが、特に自動車雑誌の取材などで走っている車は制限速度を大幅に超えるのみならず、コーナーで平気で車線をまたぐなどの暴走行為をしていることも珍しくありません。
こうした行為こそ、自動車雑誌やジャーナリストのレベルの低さを象徴するものであり、車をとにかく速く走らせ、限界を攻めることでしか評価できない哀れな姿ではないかと思います。

話は戻って「新型メガーヌ ルノー・スポール」のインプレッション。


まずスペックをおさらいしておくと、エンジンは直列4気筒のDOHCにターボを組み合わせており、排気量は1,998cc。最高出力は184kW(250ps)/5,500rpm、最大トルクは340N・m(34.7kg-m)/3,000rpmとなっており、6速マニュアルトランスミッションを介して前輪を駆動しています。
タイヤはミシュランの18インチが標準で、サイズは235/40ZR18。オプションでは19インチの設定もあり、こちらはコンチネンタルが組み合わされます。

ステアリングは左のみの設定。左ハンドル+マニュアルミッションということで購入客はかなり限られてしまうかもしれませんが、まずは戦略的にエンスージアストと呼ばれるようなコア・ユーザーをターゲットにしているとのこと。それならばこの設定でも大きな不満は出ないかもしれません。まずはコア・ユーザーのハートをしっかり掴みつつ、日本市場での反響を見るということでしょう。個人的には右ハンドルの設定、もっといえばスポールではないクーペボディで2ペダルミッションの設定も実現することを望んでいます。


コクピットは質感が高く、デザイン的にも囲まれ感が適度にあってスポーティなもの。
この「新型メガーヌ ルノー・スポール」ではシートにフランス車としては珍しくRECAROを採用していますが、こちらも身体をしっかり支えてくれます。そしてシートベルトはボディカラーに合わせてコーディネイトされており、今回のテストカーとなった「ジョンスポール」という名の黄色いボディに対しては、前後席ともにシートベルトは黄色いものが備わっています。この辺りはフランス車ならではのセンスと言えるでしょう。


普通のメガーヌが電子式を採用しているのに対して、あえてワイヤー式のレバーを用意している「新型メガーヌ ルノー・スポール」のパーキングブレーキを解除して、クラッチをミートさせていきます。
ハードな走りにも対応するスポーツモデルでありながら、クラッチはそれほど重くありません。これならば日頃の街中での使い勝手も全くスポイルされないでしょう。

走り出してまず思ったのは、乗り心地の良さ。もっと硬いものを覚悟していたのですが、いわゆる“締め上げただけ”のスポーツカーの乗り心地とは一線を画しています。
日本では未だにこの“締め上げただけ”を信奉する向きも残っているようで、このメガーヌのように一般ユーザー向けの量産モデルをベースにスポーツグレードを作り上げると、街中で苦痛になるようなガチガチの足回りを設定するケースも珍しくありません。

しかしこの「新型メガーヌ ルノー・スポール」の場合は足周りだけではなく、シャシーも含めた車全体の“懐の深さ”を感じます。これはワインディングロードで少しペースを上げてコーナーに入って行ったときにも、足だけで頑張っているのではなく、車全体として路面を気持ちよくトレースしてくれることで実感できます。
車全体で、ということは、もちろん操っているドライバーも含んでの話。私自身は輸入車至上主義では決してありませんが、こうした味付けというか車の作り方については、特にフランス車は大衆車から高性能車までに巧さを感じさせます。


インパネ中央上部にある「R.S.モニター」は、スポーツドライビングをサポートする心強いパートナーでもあります。
サーキット走行などにおいて便利なストップウォッチ機能は、もちろんラップ計測にも対応。さらに0-400m加速や0-100km/h加速に要するタイムを計測できる機能も用意されています。

これらの操作はステアリングのサテライトスイッチで行えますので、走行中でもステアリングから手を離さずに指先の動きだけで操作可能。ただし多機能ゆえに少々操作が複雑な面もありますので、最初は手順を覚えて慣れるのに時間を要するかもしれません。
しかし、一部欧州車のナビゲーションシステムほど煩雑かつ複雑ではないので、オーナーになれば大きな問題にはならないでしょう。事実、私が乗った際も最初に一度だけ説明を受けて、あとは触っているうちに30分もしないで使いこなせるようになりましたので。


「R.S.モニター」の機能をもう少しご紹介すると、マニュアル車でありながら最適なギア位置をアドバイスしてくれるシステムが備わっています。上の写真でモニター右部に「3」と表示されていますが、これは3速が最適なギアであることをアナウンスしている状態。
ただしこのアナウンスは決してお節介ではなく、仮に別のギアを選んでいたとしても警告音が発せられたり、モニター上の表示色が変わるようなことはありません。あくまでもドライバーの判断を優先しつつ、さらにクルマとしてアドバイスを出してくれるという感じです。

また「Gセンサー」のデータ表示とログ機能もあり、それが下段の写真です。
前後左右のGの変化をリアルタイムでバーグラフ表示してくれるとともに、ログも残りますので、サーキットドライビングなどではテクニック向上のための良い参考になるでしょう。


さて、話を走りに戻すと、ルノーのターボ車ということで往年の「21(ヴァンテアン)ターボ」のような“じゃじゃ馬”ではないかとも思っていました。しかし実際に乗ってみると普通の走りではとてもスムーズなターボの効き方でトルクが盛り上がってくる感じであり、扱いにくさを覚える場面はありませんでした。
少し多めにスロットルを開けてやると、そこは期待に応えたパワーが余すところなく提供されます。しかし、ビッグパワーのFF車ですがステアリングへの影響は少なく、ハンドリングもスムーズ。狙ったラインに車をもって行ける素直さが光るという印象です。

シフト操作はそのストロークは極少というほどではありませんが、こちらもサーキットから街中まで常に扱いやすい印象。革巻きのレバーに、シートベルト同様にボディカラーに合わせたステッチが入っているあたりが、とても心憎い演出です。


もう一つ、走りの機能として重要なポイントが「アクセルペダルマッピング」。これは5段階の設定が可能で、アクセルペダルマッピングとエンジン回転数の調整が可能というもの。簡単にいうとアクセルに対する反応感度を変えられるというもので、最も低いものは「SNOWモード」となり、雪道などで使用するのがベター。多少ラフにアクセルを踏んでも、穏やかにパワーが出力されます。
逆に最も感度が高いのは「EXTREAMモード」で、サーキット走行などシビアなアクセルワークでタイムを出そうというような場面に最適。

この装置を使って5つのモード全てを試してみましたが、明確にクルマのキャラクターが変わります。「SNOW」と「EXTREAM」は使用環境が限られるでしょうが、中間の3段階でもクルマの反応がはっきり変化するので、好みにあわせたり、その時の気分に応じてクルマとの対話を楽しむことが出来るでしょう。


新型メガーヌ ルノー・スポール」、1時間ほどのテストドライブで感じたのは、前述の通り“懐の深さ”。
上っ面のスポーツではなく、クルマの本質からドライビングというものを追求した結果、スポーツという要素を高めたモデルとして完成されている印象です。やはりこうしたCセグメント級のベーシックモデル発展型スポーツ車は、その車種の基本的な完成度と、メーカーのスポーツに対する見識が、最終的な出来ばえに大きく影響するということを改めて感じました。

その点ではルノーというメーカーそのものの“懐が深い”と言えるのかもしれません。
前回お伝えしたように長年の歴史は常にモータースポーツとともにあり、ターボチャージャーなどの使い方にも一日の長が見られます。
日本ではブランド志向の強い輸入車ユーザーが多いので、なかなか台数も飛躍的に増えないルノーですが、この「新型メガーヌ ルノー・スポール」はスポーツドライビング愛好家のファーストカーとしてはもちろん、既にポルシェやAMGようなハイパフォーマンスモデルを持っている方にもお薦め。なぜなら現実的にはポルシェやAMGを日常的に使うのは少々疲れる部分もあるでしょうし、より気軽に街中を走れる車があればと思っている方も少なくないのではと思います。しかし、ポルシェやAMGを所有しているということは、間違いなくクルマにはこだわりがあるはず。ならば日常ユース主体のクルマにも、高い完成度とドライバビリティを求めるでしょう。

そんな時に「新型メガーヌ ルノー・スポール」は打ってつけの存在。
性能の良さはもちろんですが、フランス流のスポーツというのもポルシェユーザーなどにとっては興味深いところではないでしょうか。
 
2010年12月18日 イイね!

【試乗インプレッション】 ルノーメガーヌ ルノー・スポール (1)

【試乗インプレッション】 ルノーメガーヌ ルノー・スポール (1)久しぶりにニューモデルのインプレッション紹介を、何回かに分けて掲載してみます。
そのニューモデルとは、去る12月16日に発表されたルノーの「新型メガーヌ ルノー・スポール」です。
まず第1回は、新型車のアウトラインと、マーケット事情などについてご紹介していきます。

改めてのおさらいをすると、フランスの自動車メーカーであるルノーは創業から100年を超える長い歴史を誇る、現存する自動車メーカーの中でも最古参に類する伝統ある企業。フランス国営の公団時代をはさみ、現在では完全民営会社として多彩なモデルが世界中で愛されています。
日本との関係では、古くは日野自動車が1953(昭和28)年から10年間にわたってノックダウン生産(前半の5年間は組立車、後半の5年間は完全国産化)していた日野・ルノー(ルノー4CV)が知られるところ。日本のモータリゼーション普及において、大きな貢献をしてくれたメーカーです。
また最近では1999(平成11)年に、日産自動車との資本提携を結んだことが大きなニュースとして伝えられています。

そして、ルノーにおける量販中核車種が1995年にデビューした「メガーヌ」。それまでの「19(ディズヌフ)」に代わるCセグメントのハッチバックであり、フォルクスワーゲン・ゴルフやフォード・フォーカスなどとライバル関係にある重要な会社の屋台骨を支えるモデル。日本車でいえばトヨタカローラやホンダシビックがこのクラスに分類されますので、一般ユーザー向けのモデルとして如何に重要な位置づけになるかをお判りいただるのではないでしょうか。

今回発表された「新型メガーヌ ルノー・スポール」は、2008年秋のパリサロンで発表された三代目にあたるモデル。本国では5ドアハッチバック(ベルリーネ)、ステーションワゴン(エステート)、クーペカブリオレ(2ドア電動オープンハードトップ)、そしてクーペという4つのボディスタイルがラインナップされていますが、日本市場に先陣を切って導入されたのが今回発表されたクーペをベースとしている「新型メガーヌ ルノー・スポール」です。

ボディサイズは全長4,320mm×全幅1,850mm×全高1,435mmでホイールベースは2,640mm。5ドアハッチバック(ベルリーヌ)とホイールベースは共通ですが、全長は+25mm、全幅はおよそ+40mmの拡大、一方で全高はおよそ-35mmというプロポーションになっています。ゆえにワイド&ローの精悍さが際立つ印象。さらに標準で18インチ、オプションでは19インチも選べる大径タイヤ&ホイールが足まわりを引き締めていますし、なにより実用性を重んじるハッチバックに対して、特にリアセクションが適度なボリュームを持ったグラマラスな曲面で構成されていることから、とても存在感のあるエクステリアとなっています。

このモデル、単なるおしゃれなクーペというだけではなく、「ルノースポール」の名を冠しているだけにドライバビリティには深いこだわりを見せています。その最たるものが車の基本であるシャシー。「シャシーカップ」と呼ばれる走行運動性能に重点を置いたシャシーが採用されていますが、これはより普遍的な「シャシースポール」に対してダンパー性能がフロントは35%、リアは38%も向上しています。またアンチロール性能も15%高められており、サーキットでのスポーツドライビングも余裕でこなすだけの実力を備えています。

ここでルノー社とモータースポーツについて触れておくと、やはりF1での活躍を真っ先に挙げるファンは少なくないでしょう。往年のアラン・プロストや最近ではフェルナンド・アロンソといった名選手たちがルノーF1を駆って活躍をしてきた歴史は、モータースポーツファンの方々に対してはいまさら説明するまでもないでしょう。
そしてルノーは黎明期からモータースポーツに深く関わり、幾多の栄冠を手中におさめてきています。
なにしろ、創業者のルイ・ルノーが最初に作り上げた1号車が、1900年のパリ~ロンブイエGPに出場して優勝を飾っています。この大会は世界初のグランプリレースとも言われていますので、まさに世界のモータースポーツ史、その1ページに輝かしい歴史を刻んだのがルノーなのです。その後も1901年のパリ~ボルドーGPや、1902年のパリ~ウィーンGP、1903年にはパリ~マドリッドGPと連勝を重ね、耐久性や信頼性を含めて優れたポテンシャルを持つ車として名声は広まっていきました。

こうしたモータースポーツシーンでの活躍は、市販車にも常にフィードバックされてきたことでしょう。絶え間なき技術開発と生産技術の向上が、実用車では耐久性や基本的な運動性のの高さ、安全性などとしてユーザーメリットにつながります。さらに今回発表された「新型メガーヌ ルノー・スポール」のような走りを重視するモデルであれば、優れたドライバビリティに直結していることは言うまでもありません。

さて、エクステリアデザインに話を戻すと、フロントフェイスが先代メガーヌが独創的ながらちょっと線の細さも感じるものであったのに対して、新型はとても明確に存在感を示すものになりました。肉感的な曲面で構成されますが、決して“肥満体”には見えません。そして新世代ルノーを象徴する大きめのヘッドライトやグリルまわりの造形ですが、フロントフェンダーからグリルへとつながる大型のヘッドライトユニット、そしてそれを受け止めるブラックアウトされたグリルが個性と精悍さを演出しています。
近年は“吊り眼+大口”がひとつの世界的な自動車デザインのトレンドとなっており、メーカー違いでも似た感じのデザインが目についたりするのですが、この「新型メガーヌ ルノー・スポール」については他のルノー車との共通項はしっかり抑えつつも、厭味にならない存在感を見せています。この“厭味にならない”というのはひとつのキモであり、高性能や高級ブランドを謳う車では時として存在感を鬱陶しく感じることもあるものです。そこは他の欧州車とは異なり、ディテールの小細工や装飾に頼らず、きっちりと車全体をデザインしたルノーのセンスが光ります。

私の個人的な好みを記すと、特に斜め後方からのルックスに好感を持ちました。交錯するパネルラインに若干の煩さも感じなくはなかったのですが、それよりもドライバーの頭上を頂点としてなだらかに下りてくるルーフラインと、張りのあるサイドボディ、さらには安定感と迫力を演出するリアフェンダーが、きれいにリアハッチに収束されて良いまとまりを見せているという印象です。
また、このような車種では地面に寝ころぶような超ローアングルで写真撮影することが多く、このアングルでは迫力や格好よさが強調されがちです。もちろん「新型メガーヌ ルノー・スポール」はローアングルからの見栄えも良いのですが、それよりも関心したのは普通に立った状態で見たときの印象が格好よいこと。
カタログや自動車雑誌の写真はローアングル撮影が多いので、意外と街中で見ると印象が変わってしまう車というのは多いものですが、この「新型メガーヌ ルノー・スポール」についてはアイポイントが変わっても破綻しないデザインであり、これはとても秀逸なものだと思います。


車そのものの詳細には触れられませんでしたが、とりあえず第1回はここまで。
次回以降は「新型メガーヌ ルノー・スポール」のディテールや、実際に走らせてみてのインプレッションを記していきたいと思っています。
 

プロフィール

各種取材やウェブサイトを中心とした制作業務を行なっています。 主なテリトリーは自動車/モータースポーツ、飛行機などの交通関係。 自動車は乗用車からトラッ...
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

リンク・クリップ

office North-Star業務雑記帳(FC2) 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2011/08/12 00:27:49
 
ADVAN Motorsports 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2011/08/12 00:27:30
 
NINJA TOOLS 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2007/09/17 19:46:48
 

愛車一覧

日産 フーガ 日産 フーガ
三菱ディアマンテ30M-SE、Y50型日産フーガ350XVに続く、三代目の“社用車1号機 ...
フォルクスワーゲン パサート セダン フォルクスワーゲン パサート セダン
マツダRX-8、三菱ランサーエボリューションVII GT-Aに続く、三代目の"社用車2号 ...
日産 フーガ 日産 フーガ
二代目となった"社用車1号機"。 日産フーガ350XV、ボディカラーはダークブルー。 ...
三菱 ランサーエボリューションVII 三菱 ランサーエボリューションVII
マツダRX-8の後継として導入した「社用車2号機」。 三菱ランサーエボリューションVII ...

過去のブログ

ヘルプ利用規約サイトマップ
© LY Corporation