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またまた出張で見つけた“四国ネタ”であります。

まずは写真をご覧ください。こちらは松山自動車道の松山インターチェンジ。松山市は愛媛県の県庁所在地であり、人口514,926人(平成23年4月1日現在)と四国最大の都市。この町の陸路における玄関口と言えるのが、この松山インターチェンジなのです。

この写真を見て、ちょっと他のインターチェンジと違う点があることに気付かれましたでしょうか？そうです、屋根の色が黄色い。他のインターチェンジで、ここまで鮮やかに黄色く彩られているところは余り記憶にありません。
皆さんご承知の通り、愛媛県の特産品といえば「みかん」。農林水産省の統計資料によると、温州みかんの栽培農家数は全国で6万6千戸(平成17年)。そのうちの15.9％が愛媛県で、全国一となっています。収穫量こそ平成21年の数字では和歌山県に次ぐ全国2位となっていますが、全国的に“愛媛県＝みかん”というイメージが定着していることは間違いありません。

その代表格とも言えるのが「ポンジュース」。株式会社えひめ飲料が製造・販売しているブランドは全国的に高い知名度と消費者の信頼を得ていますが、そのルーツをたどると県の青果販売農業協同組合連合会に行き着きます。1948(昭和23)年に同会が発足、4年後には「ポンジュース」の発売を開始しました。
そして1969(昭和44)年に100％天然ジュースの販売を開始、これが消費者の健康志向や本物志向にマッチして確固たるブランドとしての地位を築き上げました。

話は戻りますが、松山インターチェンジの屋根が黄色、すなわち“みかん色”とされているのは、こうしたことを背景にした地域性のアピールであろうと思われます。
同様の事例では山口県の“黄色いガードレール”があります。同県では主要幹線県道などで黄色く塗られたガードレールを見ることが出来ます。ガードレールの機能から言っても注意・警戒を促す黄色という塗装は理に適ったものですが、そもそもは1963(昭和38)年に国民体育大会を開催するにあたって、当時の県知事が地元をアピールするためにガードレールを黄色く塗ることを決めたと言われています。

なぜなら、山口県は夏みかんを日本で最初に栽培した地。
長門市の青海島に偶然流れ着いたという実を地元の漁師が植えたところ、これがすくすくと育って原木となったそうです。この原木は今でも残っているそうですが、お隣の萩市で本格的に栽培されるようになり、今ではすっかり特産品のひとつに数えられるまでになったとのこと。

色でアピールする地域性や特産品。
全国的にもまだまだ色々な事例があるでしょうから、これからも面白いケースを目にする機会がありそうです。
　

今回の出張でおよそ一年ぶりに訪れた高知市。テレビドラマが火付け役となった“龍馬ブーム”もまだ続いているようで、大型連休中ということもあり街中は観光で訪れたと思われる人々で大変賑わいを見せていました。

ところで近年、高知市を特に車で訪れたことのある方は、写真のような道路標識を目にして不思議に思われたというケースも多いのではないでしょうか。
一見すると全国どこにでもある方面・方向の案内標識。俗称としては“青カンバン”などとも呼ばれています。しかし良く見ると交差点の部分にアルファベットで「C」という標記がされています。このようなアルファベット標記はこの交差点に限らず、市内にある41の主要交差点に、「A」から「Z」までの文字が割り振られています。もちろんアルファッベットは全部で26文字しかないので、その一部は異なる交差点で重複していますが、それらは離れた位置関係に置かれています。

この標示は「ココ！マーク高知」という社会実験。交差点記号化研究グループの提案に基づいて高知県と共同で進められており、地理に不案内な観光客などでも道を間違えることなく安心して運転出来ることを大きな目的としています。
昨今はカーナビゲーションの普及により、全国各地を安心して走れるようになってきました。しかし、やはりこうしたインフラそのものの機能向上は大きな効果を産むものであり、これであれば徒歩で市内を巡る場合でも交差点名や主要なランドマークを把握出来なかったとしても、簡単に自分の現在地と目的地の方向を理解することが出来ます。

もちろん実験は官民一体となって進められているそうで、例えばホテルなどでは交通案内にこの“ココ！マーク”を活用していたりもするようです。また、既に終了しているものの、カーナビゲーションメーカーやレンタカー会社との連携による実験も行われたそうで、カーナビゲーションの案内に“ココ！マーク”を反映させたりもしたとのことです。

欧米では個々の道路につけられた名称や番号が一般的に認知されていて、例えばルート番号を追っていくだけで目的地に簡単に到着出来たりもします。しかし日本の場合は自動車移動を前提とした社会インフラ整備が実質的になされてこなかったためでしょうか、道路名称や番号の認知度は決して高くありません。
東京や大阪などの大都市中心部を走る主要道路であれば道路名称は比較的浸透しているかもしれませんが、地方に行くと日常会話などで使われるケースも少なく、古くからの俗称であったり、通り沿いにあるランドマーク的な建物などの名称を付与した“愛称”で呼ばれていたりします。

そうなると、まったく初めて訪れるという人に道案内をするのは、簡単ではありません。交差点では角にある建物などを目印にしますが、場合によっては中心街の空洞化現象などによって四つ角すべてが空き店舗や駐車場というシチュエーションもあり得るでしょう。
これが札幌市のような“碁盤の目”に整備された街となると、さらに訪問者にとってはハードルが高くなります。私が育った帯広市も同様ですが、慣れた住人にとっては非常に分かりやすく合理的な住所標記も、慣れない人にとってはその仕組みを理解しないと右も左もわからなくなってしまいがちです。
“碁盤の目”で、かつ“条・丁目”を採用している場合、住民なら当たり前に身についている「座標軸のX=0、Y=0」がどこにあるのかを理解していないと、住所標記の法則を理解するのは難しいでしょう。さらにどこの交差点も直角に交わっており風景が似てしまうため、東西南北の感覚を掴むことも出来なくなってしまうかもしれません。

そのような場合に、「ココ！マーク高知」のような標記があると、案内する側もされる側も利便性が格段に高まりそうです。
ひとつのアルファベット記号を目印として共有出来るため、お互いの状況が離れていても的確に理解できます。これが何か建物や店舗などを目印にしようとすると、その対象を共有するまでには時間がかかりますし、最悪の場合はお互いに異なるものを対象としてしまう可能性もあるわけです。

この「ココ！マーク高知」という実験が、全国的に他の街へと波及していくのかは気になるところ。まずは標示を出すだけならそんなに予算もかからないでしょうから、観光都市を目指す街であれば積極的に導入を検討してもよさそうな気がします。
　

3日の日没ごろに到着した神戸市。
この先、東京に向かうルート上では激しい渋滞が発生していたため、あえてここは動かずに市内で時間を潰すことにしました。車の燃料補給と洗車を済ませた後は、簡単に食事を摂り、あとは駐車場に停めた車内でDVDの鑑賞会。いざとなれば食べ物などの必要なものは簡単に調達できますし、トイレも不自由することなく。下手に大渋滞の中に突入するよりは自由度が圧倒的に高い選択です。

そして午後9時を過ぎた頃に、ようやく名神高速や京滋バイパスの渋滞も落ち着きを見せてきたことから、移動を再開。
まずは摩耶ランプから阪神高速道路神戸線に入り、そのまま西宮JCTから名神高速道路へとリレー。大山崎JCTからは京滋バイパスを選んで、特に渋滞とは無縁の走行で瀬田東JCTで再び名神に合流。

その先、草津JCTでいつもならば新名神へと進むところですが、今回はあえて名神をそのまま直進。新名神を選んだ場合は、東名阪に合流することになりますが、四日市付近を先頭に発生している渋滞は深夜まで解消しそうに無い気配が濃厚。さらに新名神を選ぶと、事故などでさらに渋滞が悪化した場合でも、逃げ道が事実上ありません。

そこで選択肢の多い名神を引き続き走行したわけですが、これはまず一つ目の正解でした。
順調に滋賀県に入るところまできましたが、ここでVICS情報が小牧JCT付近での事故発生を知らせてきました。モニタリングしながら走っていると、事故を先頭とした渋滞が刻々と伸びている様子がわかります。

これは回避すべきと判断、一宮JCTで名神を離れて東海北陸道へと車を進めます。
こちらはとても走行台数が少なく、遠回りになるものの快適なクルージング。美濃関JCTで東海環状道を選び、片側一車線の交互通行区間が多いものの、やはり走行台数が少ないので順調な走行が叶って、二つ目の正解となったようです。

次なる選択は、土岐JCTで中央道を選ぶか、それとも豊田東JCTまで走って東名高速に乗るか。
VICS情報を中心に東京までの状況を色々と収集した結果、取り敢えずは東名でも大きな渋滞は発生しそうにないという判断に至り、豊田東JCTまで走って東名高速に合流。

そこからは高速道路走行や夜間走行に不慣れと思われる挙動を見せる車も少なくなかったものの、幸いに事故などに遭遇することもなく、まずまず順調なクルージング。

すっかり夜も明けて朝方に東京に無事到着、4月25日にスタートした“春の長期ロード”も足かけ10日間の日程を終了しました。

石川県、そして愛媛県と高知県を主な目的地として駆けめぐった取材紀行。社用車1号機(日産フーガ 350XV)の走行距離は2,913.7km。
この間の燃費は10.53km/Liter、四国内では一般国道やワインディングを走る機会も多かったことを考えれば、まずまず良好な数値ではないかと思います。
　

二泊した「リッチモンドホテル高知」を、規定時間いっぱいの午前11時にチェックアウト。ゴールデンウィークも中盤に突入しましたが、このタイミングで“春の長期ロード”を締めくくる、高知から東京までの約800kmにおよぶ“独りだけのDAY4”がスタートします。

なにはともあれ、まずはガソリンスタンドに飛び込んで給油＆洗車。ラリー取材で泥だらけになった社用車1号機(日産フーガ 350XV)はカーキ色に全塗装したような状態でしたが、ようやく本来のダークブルーに戻りました。

その次に高知土産の調達をすることに。東京では四国銘菓を“しろぶぅさん”が首を長くして待っていますので、前夜のうちにリサーチして「浜幸」というお店を訪ねてみることに。高知市内を中心に多くの店を展開している老舗のようですが、店内にはどれかひとつに絞り込むのは難しいほどに多くの種類のお菓子が。
そこで、かしこまって箱入りを買う必要も無いので、一通りの種類を個別購入。総数は10種類くらいになったでしょうか。


さて、いよいよ高知ICから高知自動車道へと進み、東京への帰路につきます。

と、その前に。

「南国サービスエリア」のレストランでお昼ごはん。これは当初から計画していたもので、写真にある「四万十鶏青さのりカツ定食」を食べるのが目的です。
昨年のラリー取材時にたまたま立ち寄って気に入ったこのメニュー。鶏カツの衣に、清流・四万十川の恵みである“青さ海苔”が含まれていて、とても爽やかな風味が格別なのです。サクッとして風味の良い衣、包まれている鶏はジューシーな味わい。全国各地のサービスエリアにある色々なメニューの中でも、個人的には三本の指に数えたい逸品です。
今回の四国では上陸初日に松山でいただいた天ぷら、そして皿鉢料理、青さのりカツと美味しいものを多々いただくことが叶いました。

昼食を終えると、外は雨が降りだしました。
なんとなく気分が乗らないので、そのままサービスエリアに停めた車内で休憩。「鬼平犯科帳」のDVD、2時間ものをひとつ鑑賞して過ごしてみました。


休憩終了、ぼちぼち高知道を北上。途中で随時VICS情報などを確認、どうやら“讃岐うどん効果”なのか高松道に渋滞が見受けられるので、当方は川之江東JCTから徳島道へ。スムーズに藍住ICまで移動、一旦高速道路を降りて一般道で板野ICまでリレーして、ここからは高松道→神戸淡路鳴門道と進みます。

しかしながらゴールデンウィーク恐るべし。
淡路島北部で渋滞に巻き込まれました。ダラダラとした流れが5kmほど続いた結果、その渋滞の原因が判明。対向車線で発生していた事故による“見物渋滞”だったのです。なんともやり場の無い怒りというか呆れた気分というか。

その後、今度は舞子バス停付近から再び渋滞。こちらは垂水JCTの分岐などが原因であると容易に想像できる渋滞、ここで関西ご出身のカメラマン氏に電話でアドバイスも乞うて、布施畑JCTまで進んだ後に阪神高速北神戸線を走り、箕谷ICで降りて新神戸トンネルで神戸市内まで渋滞知らずで一気に移動。


そして神戸でしばし時間を潰すこととしました。
なにしろこの先、大山崎付近で名神高速も京滋バイパスも大渋滞。名阪国道経由も考えましたが、こちらも東名阪の渋滞は深夜まで解消しそうにありません。
ということで、ここはあえて動かず。神戸市内で夕食を摂り、あとは再び車内でのDVD鑑賞会で時間を過ごしてみたのでした。
　
　
南国市｜南国サービスエリア(上り線)
松山市｜天ぷら くろす

ゴールデンウィークの“中日”となる5月2日。月曜日ということで、大型連休とは関係なくレギュラーの制作・納品作業を行う日であります。
つまり、昨日まで取材していた「久万高原ラリー」についての原稿執筆を行いつつ、同じく昨日まで富士スピードウェイで開催されていたSUPER GTに関する制作作業などを一気に進める日です。

こうした背景から、今回の出張ではラリー終了後に高知市で二泊するスケジュールを組んでいました。一泊だけの後泊として、実作業を車の中などで行うという方法もありなのですが、東京まで700km以上を独りで自走して帰ることになるため、ここは無理せず体力温存を図ることに。費用的には二泊ということで多めになってしまいますが、安全性も考慮しての結論です。

そんな訳で2日は終日、ホテルの部屋に完全な引き籠もり状態。
宿泊しているのは「リッチモンドホテル高知」、全国の系列施設と同様に部屋の広さに余裕があり、特にデスク周りの広さは制作作業をスムーズに進める上での大きな魅力になっています。
昨夜、食事を終えて部屋に戻ってから少し原稿を書き進めて、4時間半ほど就寝。朝方に起床して再び原稿やページ制作を進めつつ、SUPER GTの写真データを大量にダウンロードするなど作業は順調に進行。

無事に夕方には納品作業までを完了、これでようやく一段落。
午後6時半をまわった頃に外出、夕食をどうしたものかと考えた末に行き着いたのが「高知大丸」。閉店も近づいていたので“デパ地下”では割引販売が始まっており、いろいろな食料をお得に調達することに成功。
これを部屋へと持ち帰り、今度は別件の制作作業を進めて、なんとか仕事のフィニッシュを迎えたのは午後10時すぎのことでありました。

ところでこのように“引き籠もり”の一日となったため、社用車1号機(日産フーガ 350XV)はホテルの提携駐車場に1日のチェックイン前に放り込んだままの状態。この駐車場は完全なタワーパーキングゆえ、盗難などの心配がないのは幸いです。このタワーパーキングは大型のミニバンを収容出来るパレットも用意されているようでしたが、やはりその数には限りがあるようで。このような場面で、一般的なタワーパーキングには難なく入庫できるボディサイズの利便性を改めて実感、次の車選びにおいても条件として挙げることになりそうです。

さて、駐車場で疲れを癒している1号機ですが、その外観は惨憺たるありさま。
「久万高原ラリー」はDAY2がウェットコンディションとなり、グラベル(非舗装路)のステージへと1号機も乗り入れたことから、全身泥まみれの状態です。安全確保のためにテールランプやヘッドライト周りは軽く拭いてから高知へと移動しましたが、その容姿は本当に「どこを走ってきたの？」という感じで、タワーパーキング入庫の際にも係員のお兄さんから、かなり驚愕している視線を浴びせられた程。

明日、ホテルをチェックアウトしたら、まずは洗車と燃料補給が必要という感じです。