MiniCar｜2009年・WTCC 「BMW 320si / A.Farfus」

2009年は4つのメーカーがマニュファクチャラー登録をして覇を競い合っているWTCC(FIA世界ツーリングカー選手権)。
昨年タイトルを獲得したセアト、今季はニューマシンを投入したシボレー、今季初めてマニュファクチャラー参戦を果たしたラーダ。
そしてもう1つのメーカーこそ、世界中のツーリングカーレースで強さを存在感を見せているBMWです。

WTCCでは発足から3シーズン連続でドライバー／マニュファクチャラーのダブルタイトルを独占。
昨年はセアトに牙城を崩される形になりましたが、2009年シーズンは王座奪還に向けて再び激しい戦いを演じています。

今回手に入れたミニチュアカーは、今まさに現在進行形で戦われている2009年シリーズに参戦するアウグスト・ファルファス選手のマシン。

同選手はBMW Team Germanyに所属しており、第20戦を終えた時点でドライバーズランキングは3位につけています。
全12大会／24戦で競われる今季のWTCC、残すは日本の岡山とマカオの大会、合計4レース。
BMWとしてはタイトル奪還、そしてファルファス選手としては初のWTCCチャンピオン獲得に向けて、残る4戦の走りには注目が集まります。

WTCCに参戦するマシンの中で、BMWは唯一のFR(後輪駆動)。
最低重量は駆動方式やトランスミッションによって細かく規定されているWTCC、過去のレースでの結果を元にした補正ウェイト制度なども導入されており、比較的クリーンで透明な性能均一化が図られています。

しかし、やはりFRならではの強みも残されており、特に1大会で2レースを行なうWTCCでは、スタンディングスタートが採用される第2レースのスタートが有利と言われています。

アウグスト・ファルファス選手は1983年・ブラジル生まれ。
BMWマニュファクチャラー勢のマシンには、ドライバー出身地の国旗をあしらったデザインが施されていますから、観戦するファンにも分かりやすいでしょう。

元々は2輪のモトクロス出身、レーシングカートを経て4輪レースに転向しました。
WTCCにはシリーズが発足した2005年から参戦、当初はアルファロメオのワークスドライバーでした。
2006年限りでアルファロメオが撤退、ファルファス選手の動向が注目されましたが、2007年からはBMW Team Germanyに加入して現在に至っています。

2009年のWTCCもイタリア・イモラでヨーロッパラウンドを終了。
残すは岡山国際サーキットとマカオ市街地コースで開催されるアジアラウンドの2大会／4レースのみとなりました。

チャンピオン争いは白熱しており、第20戦を終えてトップのガブリエレ・タルクィーニ選手(セアト)を筆頭に、計算上は上位5人がチャンピオン圏内。
ファルファス選手は18点差の3位、BMW勢のトップとしてタイトル奪還の重責を担ってアジアラウンドに臨みます。