MiniCar|dip ラーダ・プリオラ WTCC (2009) ジェームス・トンプソン
投稿日 : 2011年12月31日
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日本ではなかなか情報を得る機会の少ない自動車メーカーのひとつが、ロシアのAutoVAZ。ソ連時代から歴史を刻んでいるロシア最大の自動車メーカーであり、同社の輸出用ブランド名が「ラーダ」です。
日本では1980年代に武骨な4輪駆動車の「ニーヴァ」が少数だけ輸入されたこともありますが、現実的に東京であっても街中でラーダを見る機会というのは皆無に等しいといえます。
しかし、2008年から2009年にかけては、岡山国際サーキットのトラック上に、その勇姿を見せてくれたのです。
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プリオラは、2007年の5月に登場したモデル。B~Cセグメントの位置するポジショニングで、それまでの「110」に代わる主力車種です。
ラインナップにはセダンが標準仕様と、175mmホイールベースを延長したロング仕様があります。さらに3ドアと5ドアのハッチバックと、ステーションワゴンまでを揃えており、この点からも販売の中心となっていることをうかがい知れます。
そんなプリオラが2009年、前年からラーダが参戦していた世界最高峰のツーリングカーによるスプリントレースであるWTCC(FIA世界ツーリングカー選手権)に登場。
今回は、WTCCに出場した3台の中から、ジェームス・トンプソン選手が駆ったマシンをご紹介していきます。
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全長4,350mm×全幅1,680mm×全高1,420mmというのが、標準的なセダンのボディサイズであるプリオラ。このボディを基本にして、ワイドなレーシングタイヤをおさめるために前後フェンダーをブリスター化して全幅を拡大し、もちろんレーシングスペックの足回りによって車高を大幅に下げたのがWTCC仕様です。
最新の日本や欧米のモデルに比べると、各ピラーが立ち気味の古典的な3ボックススタイル。6ライトウィンドゥを採用しているのは、室内の開放感を高めることに加えて、高級感を演出するという狙いもあるようです。
サイズ的にも日本で言う5ナンバー枠におさまることもあり、なんとなく見た感じは二昔ちょっと以前の国産ポピュラーカーにも通じるところがあります。
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見た目は正直に言って古くささもありますが、そこはレーシングモデルですから巨大なリアウィングなどで武装して精悍なルックスになっています。
さらに前後のフェンダーは、「110」よりは洗練されてボディと一体的にデザインされていますが、それでも後付け感を拭いきれません。
これが逆に言えば最新のレーシングマシンとしては個性あふれる存在感を醸し出す要因となっており、'70年代から'80年代あたりの往年のレーシングマシンを彷彿とさせるのです。
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2009年のシーズン中盤、ポルトガルでWTCCデビューを果たしたプリオラ。この年はマニュファクチャラーとして本格参戦を果たしたラーダ、開幕戦から「110」を3台エントリーしていましたが、ポルトではまず先行して1台をプリオラにスイッチ。
さらにそのステアリングは、イギリス人のジェームス・トンプソン選手に託されました。トンプソン選手はWTCCにおいてはアルファ・ロメオ156やホンダ・アコードを駆っての出場経験があり、アコードでは2008年のイモラで優勝も飾っています。
注目のプリオラですが、ドイツのオッシャーズレーベンではヤープ・ヴァン・ラーゲン選手が10位を獲得。さらにイタリアのイモラではトンプソン選手が2レース連続で6位という大健闘。
そして日本ラウンドの岡山国際サーキットでもトンプソン選手は11位で完走を果たし、日本のファンに存在を力強くアピールしました。
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