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NorthStarの愛車 [三菱 ランサーエボリューションVII]

MiniCar|IST MODELS GAZ14 "Chaika"

投稿日 : 2012年07月25日
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東西冷戦下、日本において当時のソビエトや東欧諸国の自動車事情を知ることは、決して簡単なことではありませんでした。

まだインターネットが普及する以前の時代、私自身も色々な書籍などを調べては断片的な情報をつなぎ合わせて、東側の自動車事情を知り、時に想像を巡らせてみたものです。

ソビエトの自動車を知る上で欠かせない存在となるのが、今回ご紹介する「GAZ(ガズ)」。「Gorkovsky Avtomobilny Zavod」の略で、日本語で言えば“ゴーリキー自動車工場”となります。
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GAZ14、別名「Chaika(チャイカ)」。なお、このミニチュアの台座には「Tchaika」と記されていますが、その真意は謎です。

ご覧の通り、4ドアセダンであり、かつロングホイールベースのリムジン的な仕立てとなっています。室内は3列シートとなり、運転席/助手席と、後席の間に、補助的なシートが1列/2席前向きに用意されています。

当時、ソビエトでは共産党中央本部の書記長をはじめとした高級幹部が主に使う車として、ZIL(ジル)のリムジンが用意されていました。対してGAZはワンランク下に位置づけられていたのですが、それでもこうした本格的なリムジンが用意されていたのです。
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前身にあたるGAZ13の後を受けるようなかたちで、1977年にデビューしたとされるGAZ14。長大なボンネットの下には総排気量5,500ccのV8エンジンが搭載されてしました。

しかし、これだけのエンジンを搭載していましたが、全長6.1mに及び、かつ車両重量は実に2,600kg近かったとされるGAZ14、ゆえに動力性能的には決して優れた車であるとは言えなかったようです。
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当時の東側諸国には多く見られたのですが、やはりこのGAZ14もアメリカ製自動車、それも当時で“一昔前の”スタイルに似た感じのデザインを採用していました。

社会主義国だったソビエトでは、もちろん一般庶民がこのような大型リムジンに乗る機会など皆無だったでしょう。

市民が愛車に出来るのは国民車に位置づけられた「モスクヴィッチ」がせいぜいで、それさえも生産効率の悪い社会主義体制下の工業ゆえに納車まで数年を待たされることも珍しくなかったでしょう。
さらに汚職と腐敗によって、納車待ちの順番も簡単に替えられてしまうといった有り様だったようです。
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社会主義体制というのは平等を謳っているようで、実際には資本主義・自由主義体制よりも厳密な階級差別が往々にして存在しています。

それは自動車からも読み取ることが出来ます。
先ほども記したように、当時のソビエトで最高級車と言えば「ZIL(ジル)」でした。ZILはソビエト末期にゴルバチョフ共産党書記長が来日した際にも日本に持ち込まれましたが、本格的なリムジンで党中央幹部のために作られていたと言っても過言ではありません。

対して「GAZ(ガス)」にもリムジンがあり、書記長をはじめとした党中央幹部が使っていた形跡もありますが、あくまでも公用にはZILを使っていたようです。一方で中央の中堅幹部以下であったり、共産党地方組織の幹部にはGAZがあてがわれていたようで、ここに厳密な階級社会を見て取ることが出来ます。

ちなみに同じGAZでもより庶民的なモデルが作られており、それらはモクスワなどではタクシーとしても多く使われていたそうです。庶民にとってはタクシーも高嶺の花だったようですが、それでもなんとかタクシーであればGAZに乗る機会は作ることができたようです。

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