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2017年10月08日

旧聞「福野 礼一郎」の世界


「私のメモワール」


私の「自動車趣味の変遷」をお知り頂きたい・・・との
個人的な「承認欲求」で始めた
過去の記述を再掲載するヴァージョンです。


福野礼一郎氏のクルマ雑誌掲載文書は
再評価されることも多く、
カーグラフィック社からの評論集など、
自動車趣味関係の書籍が少なくなった現在では珍しく、
氏の連載をまとめた本の出版が続いています。

https://www.amazon.co.jp/%E6%9C%AC-%E7%A6%8F%E9%87%8E%E7%A4%BC%E4%B8%80%E9%83%8E/s?ie=UTF8&page=1&rh=n%3A465392%2Cp_27%3A%E7%A6%8F%E9%87%8E%E7%A4%BC%E4%B8%80%E9%83%8E



今回は、
今から11年前と9年前の(2017年10月8日現在)
2006年12月17日と2008年04月25日のmixi日記に書いた
「福野 礼一郎」の世界 と 世界自動車戦争論 をまとめて
表題 「福野 礼一郎」の世界 として
写真含め、当時の原文まま転載いたします。




「福野 礼一郎」の世界 (初出2006年12月17日)



モータージャーナリストの異端児
「福野 礼一郎」氏の記事が好きだ。





私が運転免許を取った30年前、
当時よく読んでいた「カー・アンド・ドライバー」誌に
「福野 礼」のペンネームで
「当たり障りのない普通の試乗記」を書いていた時代もあったことを思い出す。


今は無き「Car Ex」誌で
「福野 礼一郎」の記事を読み出す頃から、
彼の豊富な体験に基づくと思われる持論の展開・・の愛読者になった。


「Car Ex」が終わり「くるまにあ」誌に・・
またそれも廃刊になり、
現在は「特選外車情報エフロード」誌「中綴じ」に
彼の文筆活動のブランドである「TOKYO中古車研究所」シリーズで毎月寄稿している。


この「中綴じ記事」を読みたいが為に、
取り扱い書店も入荷冊数も少ない、このマイナーな雑誌を毎月買っている。





時折、執筆中に感情が高ぶるのか、
はき捨てるように書きなぐる「毒舌」に少々閉口する時もあるが、
彼の考察は多岐に渡り、自動車趣味における多くの「真っ当」を教えてくれた。


自らの「若気の至りの体験」を基に書かれたと思われる、
深夜の東名高速道での公道レース小説「バンザイラン」を読んでいると
彼が「山の手育ち」であろうことは容易に想像できる。


その事からくる一種「余裕」のようなものが
文章に「品位」を与えている。


「エンジンオイル」、「ボディーコーティングに代表されるケミカル用品」、
「スーパーカー」・・・通説や神話を看破する冷静な分析。


ニヒリズムに満ち、
突き放すような表現も多いが、
その奥には自らの体験に基づく「クルマへの愛情」が垣間見られる。


もちろん、個人的にも自動車趣味の指針があり、
氏の意見と異にするところも多いが、
誤解を恐れずハッキリ言い切る姿勢は時に清々しい。


また、「フェラーリ365BB」や旧き良き時代の「ロールスロイス」の
「自らによるフルレストア」や「そのクルマの出生に遡る調査探求」に
彼の自動車趣味の究極の姿を見ることが出来る。


「カーグラフィック」編集部から独立した友人の「渡辺慎太郎」氏と
季刊誌「クルマの神様」を立ち上げたり、
その関係で「大看板カーグラ」でないとなかなか許可が下りない企業や工場の
取材での連載を持ったり・・・など
最近の氏の活動はメジャー化しているようで嬉しい限りである。







世界自動車戦争論 (初出2008年4月25日)



「世界自動車戦争論1ブランドの世紀」福野 礼一郎著 双葉社刊。





現在、氏の寄稿雑誌は「特選外車情報Fロード」と男性誌「ゲーテ」であるが
その「ゲーテ」誌
「如何にしてブランドはカタチを作り、カタチはブランドにイメージを与えるか」の
連載記事に加筆・訂正を加えて作成された最新著作が、
いささか大げさなタイトルの「世界自動車戦争論1ブランドの世紀」だ。


氏の20冊を越える著作を全て揃える「福野 礼一郎ファン」の私は、さっそく読破。





私には「迷走中」に見える現在の日本の自動車雑誌や評論において、
今、賛同でき得る自動車評論家の一人が「福野 礼一郎」氏である。


曰く
「ベンツもBMWもアウディも、
いまやそれのスタイリングイメージを投げ捨て、
大胆で攻撃的で斬新なスタイリングで新鮮さを競い合っている。
斬新なスタイリングがブランドイメージを輝かせ人々の心を掴み吸引している。
これは21世紀の自動車ブランド戦略の実態だ。
誰もメカニズムなど見ていない。
誰も内容など気にしていない。
21世紀のクルマはカッコとブランドだけで選ばれる。」

「「スタイル」と「価格」と「ブランド」。
この三つだけをあれこれ考えて決めるのが21世紀のクルマ選びの実態である。
ブランドのイメージを作るのは歴史でも技術でもレースの実績でもなく、
スタイリングの出来映えだ。
これが21世紀のブランド神話の実態である。」


いつものように誤解を恐れず、歯に衣着せぬ「断定」調の文章は、
100%賛同できかねる場合が多くとも、「胸がすく思い」になる。


また、そう言い切る根拠を、
世界の産業構造の変化を含め大いに分析、繰り返し書き連ねている。


さらに、大部分の日本車が
「ブランド構築のクルマ作り」に遅れをとっていることに
警鐘を鳴らしながらも、
「対談章」では日本車としては異例に最新「GT-R」を褒めている。


曰く
「日本のモノ作りに欠けているのは技術なんかじゃない。
決断力です。主張です。エゴです。
オレはオレだ文句あるかというドグマですよ。
若者のクルマ離れとかいって、
いま日本のクルマは若者に汲々とゴマをすりながらクルマを作っている。
いいカッコばかり作ることにかまけて
「いい基本」「いいクルマ」を作る事に完全に背を向けている。
若いときのことを思い出してください。
若者に媚び売ってゴマする若作りオヤジくらい
気味悪いもんはなかったじゃないですか。
だからクルマが売れないんだ。当然ですよ。
GT-Rは誰にも何にも媚びていない。
目標一心にクルマを作った結果
「オレはこうだ。不満ならついてくるな」という強烈なメッセージを
全身から発散する機械になった。
お世辞にもスタイリッシュでカッコいいクルマとはいえないし、
私に言わせれば重いしデカいし無様そのもののカタチのクルマですが、
このクルマを捕まえてそんなこと言う人は誰一人いない。
商品に本当の魅力があるならカッコのことなんて誰も気にしないんですよ。
カッコなんか気にせず媚びなんか売らず、
己が正しいと信じたことを徹底的に貫く。
若者が憧れるのはいつの世もそういう大人じゃないですか。」と。



現在、「モノを選ぶ基準」として世界中を席捲している我々の「ブランド至上主義」。


クルマを切り口にして、それを鋭く看破する彼のブレない論説は、
いつもながら「溜飲を下げる」思いで一気に読破してしまう。


誰よりも「クルマ」を愛し、誰よりも愛しすぎたゆえ、
多くのクルマ好きが辿る道を一気に駆け上がり、
ある意味「卒業」の境地に。


自動車業界の「大衆迎合主義」への変貌を憂いながらも、その事を達観し、
冷静に分析、論説して己を含む愛好家に受け入れさせているのかも知れない。


成熟した社会において、クルマは単なる工業製品を越え、
ライフスタイルの表現方法の一部となっている事実。


「電子制御やリミッター」を掛けないと、
普通の人間の手に負えないほど「性能」が行き着く所まで行き着いた現在、
「スペック偏重な自動車趣味」も転換期を迎えている。


特に今まさに、その「踊り場」にいる私にとって、
福野 礼一郎氏の達観した見地からの示唆に富む評論は
「これからのクルマ選びの道しるべ」にも思えるのである。






初出「2006年12月17日と2008年4月25日のmixi日記」

原文まま


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Posted at 2017/10/08 14:17:30

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