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イイね!
2020年01月31日

令和の始まりと団塊ジュニア

学歴もなく経済も社会も全く知らないおっさんの、単なる「感想」と「妄想」である。

正月ということでネットやテレビばかり見ているおっさんだが、言うまでもなくそれらを全て真に受けているワケでは決してない。「みんカラ」も、ただそれらをネタにを古くからの友人と雑談しているような気持ちで言葉にしているだけである(もちろんこんな言葉遣いで話すワケではない)。皆フツーにクルマが好きであり、試乗したクルマのレビューも自分が感じた全てを彼らにどう伝えるかを意識している。
というかそもそもみんカラはいわゆる「SNS」という、それこそ離れた友人とまるで会話のようなやり取りを可能にするためのモノなのだが、そこはやはりおっさんである。そのような「繋がり」は全く必要としていないし、実際そういった使い方は全くしていない。こうして文章にすることは自分の頭で考えることの良い練習にもなり、脳の老化防止にもなり、老後の生活の糧とするための日本語の練習にもなる(かもしれない)というだけのことである。

この正月、NHKの特番で「ガンダム」「スターウオーズ」「ホンダF1」という、まさにおっさん世代向けコンテンツが3つもそろったが、これは去年(2019年)がガンダム放送開始(1979年)から40年、スターウオーズ公開(1977年)から42年でシリーズ完結、ホンダF1は第4期(?)初勝利(ブームを産んだ第2期開始(1983年)から36年)と話題がてんこ盛りだったためである。
令和の始まりと2020年という節目に当たり、これはまさに一つの時代を象徴しているようにも思えるが、実はおっさん個人としては、これらのコンテンツは昔メチャクチャハマったが最近は全然見ていないというモノであり、それだけに時代、郷愁といった感覚が強いかもしれない。

番組的には、スターウオーズの方はコメントに値しないヒドいものだったが、ガンダムの方はなかなか面白かった。主に当時の現場のヒドさと若い人材の奮闘ぶりを赤裸々に語っていくという構成だったが、40年前のことだからできることではあるだろう。

そしてホンダF1の番組だが、今宮純が死んだというニュースもあり色々と思うところはあった。もう70歳だったのかと思うとセナが死んだ時のことなどを思い出したりして尚更である。
ただ、BSプレミアム主体だからかどうかは知らないが基本的に民放レベル、浅めのタイアップ番組の類であり、2019シーズンのみに2時間も費やした割にはおっさんが真に受けるようなものでも面白がるようなものでもなかった。そもそもこの番組のターゲットはどう考えてもおっさん世代のハズだが、少なくともそこにコミットすることは全くできていなかったと言っていいだろう。もしかしたら制作責任者はブームを全く知らない若い世代なのではないかとも思うが、逆にマニュアル通りにやることで組織の評価を得る40代50代なのかもしれないとも思う。この手の番組制作コンセプトに倣っただけの表面的な番組になってしまった感があり、NHKの番組制作者としての魂が全く感じられなかった、というかやはりホンダの広報が制作の主導権を握っていたということなのだろう(当然か)。
ようやく第4期(?)活動の成果が見え始め日本でも宣伝効果を上げていきたいのがホンダ、そしてメディアの希望だろうが、かつてのようなコンテンツとしての力が戻るきっかけになるようには到底思えなかった。
番組で一番興醒めだったのは、アフレコのレース実況である。今はテレビ中継があるのかどうかすら知らないが、おそらくどこもやっていないということなのだろう(若しくはアフレコのほうが制作がラクだったとか費用的な問題とか別の理由があるのかその辺は判らない)。
30年前テレビ中継にかじりついた世代としては、あまりに有名なオープニングテーマを始め当時のフジテレビの演出はそれなりに上手かったと今は思う。ワザとらしく薄っぺらなアナウンサーの実況とは対象的に、解説者やピットリポーターが伝える技術的で緊迫感のあるコメントが誰もを自分がドライバーやエンジニアや監督になったような気分にさせてくれたものである。今のような高度なテレメトリをテレビ画面で見られたワケでもなく、チーム無線が聞けるワケでもなかった(そう考えるとやはりピットリポーターの役割はかなり大きかったなあと思う)が、ロンジンアンドオリベッティのタイム表示だけでテンションが上がったし、たまに音声全部が電話回線のような音質の時もあり、それがまたなんとも言えない雰囲気を醸し出していたこともあった。当時年末にやっていた4時間くらいある総集編も、演出的に今回のNHKよりはよっぽど良かったのは間違いない(そもそもテーマが違うか)。そういう意味では、その当時のフジテレビの人気っぷりと現在の凋落っぷりも、30年という時間、そしてバブルという時代を象徴しているようで感慨深いものがあるかもしれない。

ただ番組の演出は別として内容的にそれなりに面白い部分もあるにはあった。
一番面白かったのは、ホンダのF1部門の技術者がジェット機部門の技術者に助けを求めた、というハナシである。
故障しまくっていたF1エンジンの部品を見て「こんなのがホントに回ってたのか?と思った」というジェット機部門の技術者の発言はなかなか興味深く、ある意味痛快だったとも言える。これは現在のホンダそのものを顕しているようにも見える(ちゃっかりジェットを宣伝してるだけにも見えるが)。
もう一つ印象的だったのは、開発現場、レース現場、本社の3人のキャラクターである。それぞれ個性的だったが、中でも「本社」のキャラクターの強さには感心してしまった。
若い頃は判らなかったのだが、テレビドラマやマンガで見る「典型的」な人間というのはやはり現実に存在するからこそ描かれているのである。さすがにこの歳になると接したことのある人間が相当な数になり、そのデータが多くなれば自然に一定の定義によって分類されていくようになってしまうのだが、自分のデータベースによれば「本社」のキャラが一番「典型的」で印象的だった(もちろん人は見かけにはよらないものだが)。自分は元々そのようなものには興味がなかったが、人、そして組織というものに目が行ってしまうのも、それだけ歳を喰ったということなのだろう。

レースそのものについても、久々に見て面白いと思った部分もあったのはまあ新鮮だった。
給油がなくなりピットインがめちゃくちゃ早くなっているのには驚いたし、コース上のオーバーテイクも結構増えているようにも見えた(そういう編集なのだろうとは思うが)。スタートでミスっていきなり順位を落とすなんてことはローンチコントロールですっかりなくなったと思っていたが、こういう人間的なミスがやはりスポーツの面白さの基本にあるということだろう。だからこそドライバーの個性や魅力、そしてマシンの違いやメーカーのイメージに繋がっていくのである。

ただやはり、おそらくF1は、ホンダという組織にとって、そして日本人にとって、もはや必要ないものだろう。
もし日本人がホンダから引き継いで本格的なF1ビジネスに乗り出したら面白いと思うが、鈴木亜久里が失敗して以来そのようなチャレンジャーは現れないようだ。そもそも日本を活動の中心にしても成立しないのだろうし、今後環境問題などF1自体が先行き不透明な部分もあるのかもしれない。
第3期(BARhonda)の撤退の時はそのやり方に批判もあったと記憶しているので、再びその名を汚すことのないよう、その設備や人材がF1界にとって有用なものとなるよう、美しく去ってもらいたいと願わずにはいられない。
そしてNHKには、なぜホンダがF1に復帰したのか、なぜマクラーレンとは上手く行かなかったのか、そしてなぜF1から撤退したのか、その時が来たらぜひNスペでやってもらいたいと思う(40年後では主役も自分も死んでるから10年後かせめて20年後に)。
今回のテレビ番組によるとガンダムは当時、今までとは違う新しい何かを求めて生み出された(それが自分たちが業界で生き延びるためであったとしても)というハナシだったが、このF1番組に関しては制作者にも、そしてホンダにも、そのような意気込みは皆無だったのは間違いない。
そしてホンダのF1も、市販車も、同じように感じてしまうのは自分だけではないだろう。

団塊ジュニア世代は、少年時代にこれらのコンテンツを消費しその影響を強く受けてきた。
が、実際に消費者として支えてきた(カネを払ってきた)のは、その親である団塊世代と、その下の比較的経済力がある(あった)現在の50代だろう。
団塊世代の退場が始まり、団塊ジュニアが日本のコンテンツ消費の数的ボリュームゾーンとして旧来のコンテンツを支える最後の砦だが、上の世代に比べ経済力が低く、消費者としてこれらのコンテンツを支える力がないのは確かなようだ。
ましてどんなに「大きな影響を受けた」と言っても、これらのコンテンツに与えられた何らかの力を、何らかの形で外に出していくということは、どうやらほとんどなさそうである。残念ながらこれらは単に経済の論理によって生み出された、消費されるためのモノに過ぎなかったのかもしれない(それでもこれだけ多くの人の心の中に存在しているだけでその価値はあったのだろうし、コンテンツ産業とはそもそもそういうものである)。

良くも悪くも団塊ジュニア世代とは、経済的な豊かさを追求し組織の力によって社会を均一化、安定化するという、団塊世代から始まる戦後日本というシステムの最終結果として存在しているようにも思う。戦後の焼け野原に比べればはるかにいい時代を生きてきたことは言うまでもないが、その時代によって上の世代が持つ強烈な欲望やそれを剥き出しにすることの必要性が薄れた結果、何となく生きているというのがこの世代なのかもしれない。人間最大の原動力は「欲望」であり、戦後、バブル期まではそれがフル稼働していたと言っていいだろう。そして一定程度成熟した社会ではそれがフル稼働しないとすれば、それは当然かもしれない。経済的には確かに今はバブル期よりは悪いかもしれないが、社会の在り様そのものが悪くなったのかといえば簡単に比較はできないし、それを哲学的に示してくれる社会学者もいないようだ。どのみち社会というものは落ちるところまで落ちない限り、這い上がろうとする力は生まれてはこないのかもしれない。ただそれがこの社会の「支配者」側の人間達の意図するところであることもまた社会の法則である。
残念なことに社会に出てからはずっと、経済は縮小し、格差は拡大し、これまでのシステムに疑問が生じ、社会は後退しているようにしか見えない中で、30年もの時間が過ぎたにも関わらず、社会に順応することだけを学んできた団塊ジュニア世代は、自分たちでそれをどうにかできるなどとは、考えたこともない。

本田宗一郎が四輪の生産に初めて挑んだのは45歳を過ぎてからだったそうだ。
また富野由悠季がガンダムの監督を務めたときは39歳だった。
この二人も終戦直後、高度成長期という時代を生きたのであり、そして時代に流されるのではなく、自分を生きるということを貫いたのだろう。
時代に抗うことは誰にもできないが、一人の人間としては社会も時代も年齢も関係ないのかもしれない。
社会に頼る必要はない、自分がやりたいことをやればいい、新しい時代を作るのは自分だ、かの二人ならおそらくそれを公言して憚らないだろうが、そのようなことは死んでも口にしないのが我々団塊ジュニアである。
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Posted at 2020/01/31 06:31:31

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