前回、同じ題名でパソコンの電源を入れ替えた話を書きましたが、今回は車の方です。
しかも、久しぶりのミニ話です。
我がミニ、頻度は減ったとはいえ相変わらずエンジントラブルに会います。
・普通に走っているときは全くトラブルなし
・調子が悪い時はエンジンかけた時からハンチングやアクセルに対する反応が悪い
・上記のときは決まって、ちょっと走った後の信号停車でエンジンストール
・ストール後のクランキングではなかなかエンジン掛からず、初爆の気配すらない
・しばらくキーオフで待ってからクランキングすると初爆っぽい反応をする。このままかかるとOKなのだが、失敗するとまたしばらく初爆なし(プラグが燃料でカブる??)
・再スタート後は何ともなかったように普通に走る
・なぜか時々アクセル開度信号がおかしい。
後付けのAPEXi S-AFCにECUからのアクセル開度信号を入れているので、%表示ででます。こんな感じ
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時々、アクセルはフルスロットルにしているのに80%ぐらいの表示しか出ない時がある。
ミニにも急速TASみたいな機能があり、キーオンしてエンジンかけずにフルスロットル5回でモードに入るのですが、上記のときはモードに入らず。よってECU内でも正しいアクセル開度信号となっていない可能性あり。
なお、スロットルセンサは以前アイドリング不調になった時に新品に交換済みです(高かった…)
…他、小さいもろもろの現象があります。
参考に、我がミニは1.3Lのインジェクションモデルです。
今までもクランク角センサやデスビ、プラグコード、プラグ、など点火系を中心に新品交換してきました。
そこそこ発生頻度は下がりましたが、やっぱり起きる。
最近は嫁さんがメインに運転していたし、そもそもそんなに走らないので”気にしないふり”をしていました。
しかし!先日、久しぶりにミニで家族ドライブに行こう!としたところ…
家を出て1Kmも走らないうちに例の現象。
小雨が降っており、10分以上クランキングで初爆がない。
降りて道路わきに車を押しながら移動して、交通渋滞だけは回避したものの、怖い思いをしました。
…その後、何とかエンジンは再始動したものの、今回は今までとは違いました。
・再始動後もエンジンの反応がおかしい、アイドリング付近の回転の安定や、エンジンの力強さが下がっている感じがする。
・電圧計表示がおかしい。エンジン始動後は13.5V~14Vぐらいを示す(バッテリ直測定です)のですが、しばらく走っても13.2Vあたりまでしか上がらない。
ということで、その日はすぐに家に戻り、V35に乗り換えてドライブに行きました。
で!
これは、方針をかえて対処しなければならない…ということで購入しました。
これです。
バッテリです。
当初、アジアブランドの格安新品や再生バッテリも考慮しましたが、色々悪い評価も聞くし、不明なトラブルが発生するのも怖いので、現在バイクで使用して信頼している、ACデルコ新品にしました。
とはいってもネット通販で結構格安で買えました。
なぜ点火不良でバッテリ交換?
それは、まず点火システムを解説する必要があります。
現在の自動車はすべて(おそらく)、あと原付以外のバイクはほぼ”バッテリ点火方式”というのを採用しています。
構造はこうです
興味のない方は読み飛ばしてもOKですよ(笑)
プラグの点火はコイルで昇圧された高電圧の電流を流すことで行われます。
(この絵では間にデスビがあります。V35など最近の高性能車はプラグごとにコイルがありますね)
その高電圧の電流はコイルユニット内の1次コイルに小電圧の電流を流すことで、2次コイル側に大きな電圧を発生させる”誘導起電力”という効果から作られます。小電流を流すタイミングはもちろんプラグ点火時期に合わせないといけません。よってクランクの位置を測定するクランク角センサーからの信号が必要です。
その1次コイルの小電圧の出所は? これがバッテリなのです。
バッテリからしっかり電気が流れていないと1次電流量が減って、結果としてプラグに届く2次電流が弱くなるわけです。
昔、バイクの調子が悪くなって、同じようにプラグやプラグコード類を交換したが改善せず、最後に別の目的でバッテリを交換したらウソみたいに直っちゃった、という経験があります。
これを思い出しました。
しかし…これは今回当てはまらないかも。
というのは、我がミニには点火強化ユニットが入っています。
米国製MSD6シリーズというものです。簡単に言えば”マルチ点火できるCDIユニット”というところか
こんな回路です
さっきのタイプと違うところは、CDIの中に昇圧回路があり、高い電圧をコンデンサにため込んでいるところ。
通常はバッテリからの12Vを1次電流としてコイルに流していたのを、上記高電圧(2次電圧に比べれば低いですが)を1次電流として流すことで、さらに強い2次電流を発生することができる凄い機会です(笑)。ただし、CDIは2次高電圧発生時間が短くなるというデメリットがあるため、複数の連続点火(マルチスパーク)をさせることで改善したものがMSDです。(永井電子のウルトラシリーズにも似たものがあります)
下の接続図を見ても、MSDにバッテリから電気を持ってきている。
つまり、バッテリが弱っても昇圧してコンデンサにためているので、それほど影響が出ないというのもこのユニットのメリットなのですよ。うーん。
でも、各センサーからECUに入る情報やECUそのものの内部演算にもバッテリ電圧は影響するので、蓄電/放電能力の落ちたバッテリはやはり悪影響を出す! …だろう、と考えての交換です。
…でも、セルスタートはそれほど弱っている感じはしないんだよなあ。
まあ、バッテリを確か5,6年は交換していませんから、換えて悪いはずはなし!
交換前はこうでした
ミニの図体の割にバカでかいバッテリです。80D23というサイズ。
配線は昔取り付けたホット稲妻モドキ(これが原因かも)とアーシング追加の線で通常より多い。
交換後はこう
交換したバッテリは幅が1周り小さい55B24というサイズ。これでも適合表上はミニ用として書かれています、なんでだろ?
バッテリ側から出ている端子径が小さいので、接続端子側も新しく購入し、つなぎ直しました。
今回ホット稲妻モドキは外してシンプルな接続に。
なお、バッテリケースに隙間ができちゃうので間に何回か折り曲げた段ボールを挟み込んでスペーサ代わりにしています(笑)本当は専用部品があるんだろうなあ。
さて、外したバッテリ。”G&Yu”ブランドのものです。
これは元日本のGSユアサと提携した韓国ブランドです。
まあ6年持ってくれていたから良しとするか。
せっかくなので比重計でバッテリ液の状態を見てみました
これは簡易比重計で、なかに比重の違う色違いのボールが入っており、ボールが何個浮き上がるかでバッテリ液の比重が分かるというものです。
2個浮いている…ということで、充電状態は50%弱というところ。
一応バッテリチャージャにつなぎましたが、いつまでも改善しなかったのでやはり寿命だったのでしょう。
で、ミニの調子がどうなったかというと!
昨日の試運転ドライブでは全く問題がありませんでした。
エンジンも力強いし、わざとエンジンを切ってすぐにスタートさせてもちゃんと再始動する。
(意地悪して何度もやるとやっぱりエンジンがかかりにくくなりましたが、これは単にキーオン時のプレ燃料噴射のせいでかぶったのでしょう。それでも何度か回したら短い時間でかかりました)
スロットル開度表示もしっかり100%を示しています。
電圧計も元通りの値を指しています
まあ、今の段階では”大成功!”としておきましょう(笑)
これでもダメだったら、MSDやコイル、その配線類を疑うことにします。
外したバッテリの状態を見るに、交換は大なり小なり効果があったと思います。
あ、ついでに。
いままでお見せしていなかった追加メータをここで。
紹介します。
これです。
赤矢印のものですが、実は機械式燃圧計です。
ものすごく武骨なデザインですね(笑)
機械式なのでエンジンルームの中からホースを持ってきています(怖)
参考に、燃圧計の下の赤い箱が上述のMSDです。
いやあ、ほとんどタコメータと同じサイズ!
実は以前の改造時に油圧計を利用した燃圧計を装着していました
これ
覚えている方もいるかもしれません。
これが問題を起こしました。燃料ホースの途中に取り出し口を付けて機械式燃圧計(油圧計)のパイプを接続していたのですが、ここから燃料漏れを起こし(!)、早々に引退してもらっていました。
で、代わりにこれを付けたのです。
ミニの燃圧はインジェクションにしては一般より低く、キャブ用よりわずかに高いといったもので、インジェクション用メータだと表示が低すぎる。
ということで、実はこれはキャブ用です。
最大表記が0.1Mpaなのですが、ミニの通常の燃圧は0.1~0.12…。
ということで、正常な状態=メータちょっと振り切り、なんて使い方です(笑)大丈夫なんだろうか?
もう1年弱使っているので、多分大丈夫でしょう。燃料臭くもないし。
ちなみに燃料ポンプが動いた後にキーオフすると、残圧で写真のように0.09Mpaあたりを指します。
これも整備書通りの値なので、正常です。
なんていう今週末でした。
実はもう一つV35作業をやりましたが、これは次回紹介。
(それにしてもいつまでも改造ネタが続くなあ、我ながら感心(笑))