けいぞおのブログ一覧

先日届いたZack便。

あともう一つ紹介していなかった（かな？）部品がありました。
我がバイク（スズキGSX-R1100)に組み込み途中の米国JEピストンのピストンリングセットです。

そう！前回リングを折って中断していたアレです。

色々時間を考えると、今日作業しないといけません（理由は下のほうに書きます）

ということで、早速作業開始！
台車に乗せて倉庫に入れていたエンジンを引っ張り出して、まずは洗浄＆エアブロー。
昨日ピストンにリングを取り付けており、これを1番のコンロッドに取り付け。
…よしよし、ココまでは順調。

ここからが勝負です。
前回上手くシリンダーにピストンが収まらずに、勢い余ってリングを折ってしまったと言う苦い経験を踏まえて作戦を練りました。

ちなみに4つのピストンは真ん中の2つと両端の2つが対になって上下します。
・まずは真ん中2つ（2番、3番ですね）を高く持ち上げる
・ピストンリングコンプレッサでリングを縮めてなんとかシリンダーに収める
・両端の2つのピストンはコンプレッサを入れる隙間が無いため、手でリングを縮めながら入れる！

問題は対になったそれぞれのピストンについて同時に作業しなくてはならないということ。
嫁さん出動です！
2人であーでもない、こーでもない、指はさんだ！などと七転八倒してなんとか今回はシリンダーにすべてのピストンが収まりました。作業中の写真？そんな暇はありません（笑）
やっと腰下とシリンダーが元のように接合しました！

ふ～～と一息ついて、写真を撮りながらクランクをスパナでまわして（サイドカバーを外すとクランク直結の17MMボルトがあり、これを回すとクランクが回転します）、4つのピストンがそれぞれ上下するのをじっくり観察しました。

よーし、引っかかりもないし問題なさそう。


…あとは一人で出来ます。

OH（洗浄＋バルブ鏡面加工＋バルブすり合わせ＆バルブシール入替）して、今まで部屋に安置していたシリンダーヘッドを取り付けます。

当然ココのあたりのネジ類（ヘッドボルト）は非常にセンシティブなので、チャンとトルクレンチで順番通りに締めてつけて行きます。
エンジンらしくなりました（笑）

さらに、ヨシムラハイカムST-1＆可変バルタイ用バーニアスプロケットを取り付けます。
このあたりは整備要領書（英文）を読みながら間違えないように慎重に慎重に…。

で、ヘッド周りもほぼ完成しました。

ここでもクランクをレンチでまわして（プラグを入れていないので圧縮圧力が出ず、手でも結構簡単に回ります）、おお！カムがバルブを順番に押していくぞぉ！と感動。

で、最後に重要な作業を行います。
タペット調整です。
カムとバルブ（うちのバイクは間にロッカーアームを介した1カム1バルブ構成です）には多少のクリアランスが必要です。これが無いとエンジン作動時の熱膨張でバルブを押しっぱなしになり、圧縮が出来ずパワーダウンします。このクリアランスを16個すべてのバルブで規定値（0.15～0.20mm)にあわせます。

クリアランスは最後の写真の丸の部分にある”シム”と言う円筒形の金属の長さを変えることで調整します。これが大変。
うちのバイクのエンジンはシムタイプなのですが、そのちょっと前のエンジンはスクリューで調整できるタイプです（ちなみにミニもスクリュータイプ、V35のVQエンジンはシムタイプ）。
スクリュータイプなら、クリアランスをシックネスゲージで見ながらスクリューを回してその場で調整を進められます。
しかし！シムタイプはまずクリアランスをみて、その後、現在付いているシム厚さを測定し、適正値に収まるシム厚さを計算して用意しなくてはなりません。…つまり購入するわけです。
面倒くさい…こちらのほうがスクリュータイプより精度＆強度的には安心なのですが、シムは1個300円以上するもので…結構費用がかかるのです。

ということで、何とか16個のシムを入れ替えて規定値に収まるようにトライしました。
結果3つだけどうしてもぴったり合うシムがない、と言う状態になりました。
これはしょうがない、注文です。

…はい、ここで最初の文章の説明が出来ます。
シムを手に入れて、さらにその後にバルタイ調整という作業をしないとエンジンをバイクに載せることが出来ません。
夏休みにバイクを完成＆試乗するためには、シム注文して届くまでのタイムラグを考慮して今回の作業をしなくてはならなかったのです。来週末から夏休みなので、今日がデッドラインでした…

さて注文しに行くぞぉ！

次回はおそらくバルタイ調整の模様を紹介すると思いますが、”いかにもエンジンチューニングしていますよぉ”という感じの画像になります、乞うご期待！


それにしても今日もいい天気で、屋外作業は死にそうでした…